29 / 45
第三章
27話
しおりを挟む
27話
ツラい……。どうしてこうなった。
いや、理由はわかっているんだ。私の態度、気遣いのできない余裕のなさがいけなかった。 仮にも婚約していたこと、いつか言わなければと思いながら彼女との時間に甘えていたこと。
しかし、そのことで怒っているわけではないと、彼女は言った。なら、私はどうしたらいいんだ。
もう5日間、彼女に触れていない。
* * *
「そんなご様子で陛下はうなだれており、政務も進んでいないようです。」
私からの報告に綾様は満足そうです。
「私の作戦は成功ですね。」
「はい、大成功かと思われます。」
我が主、綾様は現在魔王陛下へささやかな抵抗をおこなっております。綾様は、家庭内別居ですと仰っておりますが、聞き慣れない言葉で私には意味が分かりかねます。しかし、今の状況を別居というなら、そうなのかもしれません。
現在綾様は、陛下の居室ではなく魔界にいらした時に使っていた城の尖塔にある離れで過ごされております。こちらは城の中央にある陛下の執務室や居室からは遠く、不便な場所にあるため別居には最適なお部屋です。
きっかけは先日のマリア・オフェール様とのお茶会でした。綾様はマリア様とのお話のなかで思うことがあったようで、お帰りになった次の日からこちらに移られました。
お食事だけは陛下と共にされていますが、それ以外の時間はお会いになっていません。もちろん、おやすみになるときも別です。陛下は仕事も手につかないご様子で、綾様の抵抗は成功のようです。
「しかし、綾様。別居をこのまま続けるおつもりなのですか?」
「うーん、それは彼次第ですね。でも多分、そろそろ…。」
私は人の気配を感じ、ドアへ向かいます。しかし、私が開ける前に、勢いよく扉が開きました。
「てめぇ、いい加減にしろよ!」
サッシャ様と、今日は珍しく田中様もご一緒です。
「なにに怒ってるか知らねーが、さっさとどうにかしろ!最近タダでさえ使えねーのが、さらにポンコツになってんぞ!」
陛下の仕事が滞り5日目。そろそろ限界でしょうか。
「申し訳ありませんが、貴女の気分で、陛下の政務にまで影響を及ぼすのはやめていただきたい。」
「リリーさん、お茶を入れてもらってもいいですか?」
綾様はお二人のご様子を気にも止めません。
「かしこまりました。」
この離れにはキッチンがついていません。なので、わざわざ一階まで降りなければならず、それだけが私には不便です。
リリーさんが部屋から出るのを見届けると、サッシャさんと田中さんに向き直る。
「なんでしたっけ?」
「おまえっ……!調子乗ってんのか。」
「ギルとのことは、私たちの問題なので口出しは無しです。」
「あぁ゛っ!?」
「もし口出しされるなら、私も口出しします。」
「なんのことを言っているですか?」
「なに言って……。」
「サッシャさんがリリーさんの手作りお菓子がある時しか私のところに来ないこと、気づいてないと?リリーさん本人にお伝えしてもいいですけど。
田中さんは、千春と飲み友達としてこのまま会い続けるつもりですか?こそこそ私のこと聞き出しといて、結局千春のことどう思ってるんですか?」
驚いた2人の顔が固まった。ちょっと面白い。
「私がなにに怒ってるのか。ギルが気づいてくれないと意味ないんです。それまで待っていてもらえませんか?」
私が部屋に戻ると、入れ替わりでお二人が出ていかれました。綾様は、なぜか笑っておられます。なにがあったのかお聞きしても答えてもらえませんでした。
* * *
その夜、私はひとり、部屋で刺繍の練習。炊事、洗濯、掃除はずっとやってきたので大丈夫。でも刺繍や編み物は経験がなく、少しずつ練習中。
カタンっ
「?」(リリーさんかな?)
ひとりだと部屋の外からの物音に、敏感になる。ちょっと前までひとりが普通だったのに。変な感じだ。
ドアに近づくが、人の気配はない。少しだけドアを開ける。やはり誰もいない。ドアを閉めるその瞬間、隙間に手が挟み込まれた。
「きゃあっ!」
ドアの隙間から、手を掴まれた。
「アヤ…!ごめん!驚かせて……。」
「……ギル?びっくりしたー。」
心臓が止まるかと思った。こんな時間にやめてほしい。
「ごめん。どうしてもアヤと話したくて…。部屋に入れてほしい。」
「うーん…」
「アヤがいいって言うまで、なにもしない。絶対に。」
「……わかった。いいよ。」
ギルはほっとした顔で、部屋に入ってきた。これじゃ、私がすごい悪いことしてるみたいだ。
「あの2人に何を言ったんだ?ここ最近いつにも増してうるさかったのに、今日いやに静かだった。」
「ふふん、それは秘密だよ。私の切り札だもん。」
部屋の中央、私はひとり掛けソファ、彼はふたり掛けに座る。
「ずっと謝りたくて、婚約のこと黙ってたことを。」
「それは怒ってないよ。前にも言ったけど。」
「分かってる、これは私が謝りたくてしてることだから。」
真剣な眼差しに、あぁ私はやっぱり彼が好きだなと思う。
「ずっと考えていた。アヤがなにに怒ってるのか。ずっと……。」
「うん…?」
「私はずっと逃げていた。自分の過去から、私を想ってくれた人たちから。」
「……そうだね。」
「魔力をもらうために、たくさんの女性と過ごした。自分のことでいっぱいいっぱいで、彼女たちを気遣う余裕なんてなかった。彼女たちから、どう思われているのか。私に向けられる好意も嫌悪もなにもかも見ないふりをしたんだ。」
ギルはずっと他の女性たちとは、体の関係だけで想いはなかったと言っていた。でもあのお茶会でマリアさんや他の女性と話して、みんなきちんと彼を想っている。
やり方はすこし間違っていたかもしれないけど、みな彼の相手がどんな女なのか知ろうとしたのだ。彼がこれ以上傷つかないように。
「彼女たちの好意から逃げたこと、君には知られたくなかった。君に失望されたくなかった。だから、言えなかった。本当にごめん。」
「お茶会でギルの昔の話、たくさん聞いたよ。いいことも悪いこともいっぱい。ギル、自分のこと全然話してくれないから。」
ゆっくりと彼の手を握った。嬉しそうに握り返してくれる。
「あんなに綺麗な人たちに想われてたのに、なんで私なんかにしたの?いまからでも……。」
「違う。それはちがう。私はアヤのすべてに惹かれたんだ。優しさも強さも、全部。君が側にいてくれたら、頑張れる。そう心から思ったんだ。他の人なんか関係ない。」
彼の言葉を聞いた途端、私は涙が止まらなくなった。ずっとずっと怖かったから。
「マリアさんは、本当に、ギルのこと好きだったよ。あんな素敵な人、振るなんてバカだよ。
でも……ギルのこと、諦めたくなくて、誰にも渡したくないの。昔のこと、気にならないなんて嘘だよ……。」
ツラい……。どうしてこうなった。
いや、理由はわかっているんだ。私の態度、気遣いのできない余裕のなさがいけなかった。 仮にも婚約していたこと、いつか言わなければと思いながら彼女との時間に甘えていたこと。
しかし、そのことで怒っているわけではないと、彼女は言った。なら、私はどうしたらいいんだ。
もう5日間、彼女に触れていない。
* * *
「そんなご様子で陛下はうなだれており、政務も進んでいないようです。」
私からの報告に綾様は満足そうです。
「私の作戦は成功ですね。」
「はい、大成功かと思われます。」
我が主、綾様は現在魔王陛下へささやかな抵抗をおこなっております。綾様は、家庭内別居ですと仰っておりますが、聞き慣れない言葉で私には意味が分かりかねます。しかし、今の状況を別居というなら、そうなのかもしれません。
現在綾様は、陛下の居室ではなく魔界にいらした時に使っていた城の尖塔にある離れで過ごされております。こちらは城の中央にある陛下の執務室や居室からは遠く、不便な場所にあるため別居には最適なお部屋です。
きっかけは先日のマリア・オフェール様とのお茶会でした。綾様はマリア様とのお話のなかで思うことがあったようで、お帰りになった次の日からこちらに移られました。
お食事だけは陛下と共にされていますが、それ以外の時間はお会いになっていません。もちろん、おやすみになるときも別です。陛下は仕事も手につかないご様子で、綾様の抵抗は成功のようです。
「しかし、綾様。別居をこのまま続けるおつもりなのですか?」
「うーん、それは彼次第ですね。でも多分、そろそろ…。」
私は人の気配を感じ、ドアへ向かいます。しかし、私が開ける前に、勢いよく扉が開きました。
「てめぇ、いい加減にしろよ!」
サッシャ様と、今日は珍しく田中様もご一緒です。
「なにに怒ってるか知らねーが、さっさとどうにかしろ!最近タダでさえ使えねーのが、さらにポンコツになってんぞ!」
陛下の仕事が滞り5日目。そろそろ限界でしょうか。
「申し訳ありませんが、貴女の気分で、陛下の政務にまで影響を及ぼすのはやめていただきたい。」
「リリーさん、お茶を入れてもらってもいいですか?」
綾様はお二人のご様子を気にも止めません。
「かしこまりました。」
この離れにはキッチンがついていません。なので、わざわざ一階まで降りなければならず、それだけが私には不便です。
リリーさんが部屋から出るのを見届けると、サッシャさんと田中さんに向き直る。
「なんでしたっけ?」
「おまえっ……!調子乗ってんのか。」
「ギルとのことは、私たちの問題なので口出しは無しです。」
「あぁ゛っ!?」
「もし口出しされるなら、私も口出しします。」
「なんのことを言っているですか?」
「なに言って……。」
「サッシャさんがリリーさんの手作りお菓子がある時しか私のところに来ないこと、気づいてないと?リリーさん本人にお伝えしてもいいですけど。
田中さんは、千春と飲み友達としてこのまま会い続けるつもりですか?こそこそ私のこと聞き出しといて、結局千春のことどう思ってるんですか?」
驚いた2人の顔が固まった。ちょっと面白い。
「私がなにに怒ってるのか。ギルが気づいてくれないと意味ないんです。それまで待っていてもらえませんか?」
私が部屋に戻ると、入れ替わりでお二人が出ていかれました。綾様は、なぜか笑っておられます。なにがあったのかお聞きしても答えてもらえませんでした。
* * *
その夜、私はひとり、部屋で刺繍の練習。炊事、洗濯、掃除はずっとやってきたので大丈夫。でも刺繍や編み物は経験がなく、少しずつ練習中。
カタンっ
「?」(リリーさんかな?)
ひとりだと部屋の外からの物音に、敏感になる。ちょっと前までひとりが普通だったのに。変な感じだ。
ドアに近づくが、人の気配はない。少しだけドアを開ける。やはり誰もいない。ドアを閉めるその瞬間、隙間に手が挟み込まれた。
「きゃあっ!」
ドアの隙間から、手を掴まれた。
「アヤ…!ごめん!驚かせて……。」
「……ギル?びっくりしたー。」
心臓が止まるかと思った。こんな時間にやめてほしい。
「ごめん。どうしてもアヤと話したくて…。部屋に入れてほしい。」
「うーん…」
「アヤがいいって言うまで、なにもしない。絶対に。」
「……わかった。いいよ。」
ギルはほっとした顔で、部屋に入ってきた。これじゃ、私がすごい悪いことしてるみたいだ。
「あの2人に何を言ったんだ?ここ最近いつにも増してうるさかったのに、今日いやに静かだった。」
「ふふん、それは秘密だよ。私の切り札だもん。」
部屋の中央、私はひとり掛けソファ、彼はふたり掛けに座る。
「ずっと謝りたくて、婚約のこと黙ってたことを。」
「それは怒ってないよ。前にも言ったけど。」
「分かってる、これは私が謝りたくてしてることだから。」
真剣な眼差しに、あぁ私はやっぱり彼が好きだなと思う。
「ずっと考えていた。アヤがなにに怒ってるのか。ずっと……。」
「うん…?」
「私はずっと逃げていた。自分の過去から、私を想ってくれた人たちから。」
「……そうだね。」
「魔力をもらうために、たくさんの女性と過ごした。自分のことでいっぱいいっぱいで、彼女たちを気遣う余裕なんてなかった。彼女たちから、どう思われているのか。私に向けられる好意も嫌悪もなにもかも見ないふりをしたんだ。」
ギルはずっと他の女性たちとは、体の関係だけで想いはなかったと言っていた。でもあのお茶会でマリアさんや他の女性と話して、みんなきちんと彼を想っている。
やり方はすこし間違っていたかもしれないけど、みな彼の相手がどんな女なのか知ろうとしたのだ。彼がこれ以上傷つかないように。
「彼女たちの好意から逃げたこと、君には知られたくなかった。君に失望されたくなかった。だから、言えなかった。本当にごめん。」
「お茶会でギルの昔の話、たくさん聞いたよ。いいことも悪いこともいっぱい。ギル、自分のこと全然話してくれないから。」
ゆっくりと彼の手を握った。嬉しそうに握り返してくれる。
「あんなに綺麗な人たちに想われてたのに、なんで私なんかにしたの?いまからでも……。」
「違う。それはちがう。私はアヤのすべてに惹かれたんだ。優しさも強さも、全部。君が側にいてくれたら、頑張れる。そう心から思ったんだ。他の人なんか関係ない。」
彼の言葉を聞いた途端、私は涙が止まらなくなった。ずっとずっと怖かったから。
「マリアさんは、本当に、ギルのこと好きだったよ。あんな素敵な人、振るなんてバカだよ。
でも……ギルのこと、諦めたくなくて、誰にも渡したくないの。昔のこと、気にならないなんて嘘だよ……。」
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
わたしのヤンデレ吸引力が強すぎる件
こいなだ陽日
恋愛
病んだ男を引き寄せる凶相を持って生まれてしまったメーシャ。ある日、暴漢に襲われた彼女はアルと名乗る祭司の青年に助けられる。この事件と彼の言葉をきっかけにメーシャは祭司を目指した。そうして二年後、試験に合格した彼女は実家を離れ研修生活をはじめる。しかし、そこでも彼女はやはり病んだ麗しい青年たちに淫らに愛され、二人の恋人を持つことに……。しかも、そんな中でかつての恩人アルとも予想だにせぬ再会を果たして――!?
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる