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5話 再会
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5話 再会
アーカス様に教えていただいたカザック家の中庭には大勢の騎士様がいらっしゃいました。その中の一人に事情を説明すると、探している騎士を呼んできていただけることになりました。
これでやっと目的が果たせる。安心した矢先、聞きたくない声が背後から響きました。
「リーデ!どこに行くつもりだ!なぜ両親に挨拶しない?お前は俺の婚約者だろう!」
さっきよりさらに赤ら顔になったデュークはおぼつかない足取りでこちらに近づいてきます。その大声に周りの騎士たちも怪訝な表情を浮かべていました。
「何度言えば分かるのですか?私は貴方の婚約者ではありません。」
「同じようなものだろう!それとも俺との縁談を断るつもりか?」
家族のため、私が断ることなどできないと分かっているくせに。何故わざわざ人に聞かせるように言うのでしょう。
「さっさと来い!」
「痛いっ!やめてください!」
乱暴に掴まれた腕。無理やり引きずられそうになる瞬間、背後から伸びた大きな手がデュークの腕を掴みました。
「なんだ貴様!その手を離せ!」
そこにいたのは、私が今日1日探していたあの騎士でした。怒っているのでしょうか?暗闇に浮かぶその顔は、昼間見るよりさらに恐ろしげです。
軽く掴まれただけで、デュークの手首がミシミシと音を立てます。すぐに私の腕は解放されました。
「…ありがとうございます。」
そのまま彼はデュークの腕を捻りあげ、芝生の上に転がしてしまいました。
「貴様!俺を誰だと思っている!」
「誰であろうと暴力は許されるものではない。」
「暴力だと?!婚約者の腕を引いて、なにが悪いというんだ!元はと言えば、そいつが俺の言うことをきかないのがいけないんだろう!」
尻もちをついた体勢でわめき散らすデュークはなんとも情けない姿でした。
「婚…約……者?」
「そうだ!自分の婚約者をどうしようと俺の勝手だろうが!コイツはな、ボロい屋敷と家族のために俺と結婚するしかないんだよ!じゃないとこの冬には家族全員飢え死にだ、そうだろう?」
騎士はなぜか拳を握りしめ、ふるふると肩を震わせています。
「本当か?コイツの言っていることは?」
「……本当です。明日食べる物にも困っている有り様ですから…。あの雪崩のせいで…。」
「婚約者というのも?」
「…いいえ!……それはまだ…正式に婚約したわけではありません。」
それも時間の問題ですと言いかけたとき、騎士はなにかをデュークに投げつけました。
デュークの頬に直撃したそれは騎士の使う真っ白な手袋です。続いて腰に提げていた剣を芝生に落としました。
「剣を取れ、俺と決闘しろ。」
男性が相手に手袋を投げつけるのは、決闘の申し込みと見なされます。しかし、騎士が貴族に向けてそれをするのは無礼な行いです。
「貴様!このカザック家のデュークに対して無礼だろう!身分を弁えろ!」
「身分などどうでもいい!無礼なのはお前だろうが!彼女を辱しめる発言を撤回しろ!」
この人は私のために怒ってくれている。それがとても嬉しかったのです。いろいろな感情が溢れ、涙が出てきました。
「早く剣を取れ、決闘だ。」
「お待ちください!もう充分ですから、これ以上は…。」
必死に涙を堪えながら、騎士様の腕を取りました。すると何故かまた眉間にシワを寄せ、怒ったような表情になるのです。
「デュークと言ったな、決闘に勝った方が彼女と結婚する。それでどうだ?」
「えっ?」
アーカス様に教えていただいたカザック家の中庭には大勢の騎士様がいらっしゃいました。その中の一人に事情を説明すると、探している騎士を呼んできていただけることになりました。
これでやっと目的が果たせる。安心した矢先、聞きたくない声が背後から響きました。
「リーデ!どこに行くつもりだ!なぜ両親に挨拶しない?お前は俺の婚約者だろう!」
さっきよりさらに赤ら顔になったデュークはおぼつかない足取りでこちらに近づいてきます。その大声に周りの騎士たちも怪訝な表情を浮かべていました。
「何度言えば分かるのですか?私は貴方の婚約者ではありません。」
「同じようなものだろう!それとも俺との縁談を断るつもりか?」
家族のため、私が断ることなどできないと分かっているくせに。何故わざわざ人に聞かせるように言うのでしょう。
「さっさと来い!」
「痛いっ!やめてください!」
乱暴に掴まれた腕。無理やり引きずられそうになる瞬間、背後から伸びた大きな手がデュークの腕を掴みました。
「なんだ貴様!その手を離せ!」
そこにいたのは、私が今日1日探していたあの騎士でした。怒っているのでしょうか?暗闇に浮かぶその顔は、昼間見るよりさらに恐ろしげです。
軽く掴まれただけで、デュークの手首がミシミシと音を立てます。すぐに私の腕は解放されました。
「…ありがとうございます。」
そのまま彼はデュークの腕を捻りあげ、芝生の上に転がしてしまいました。
「貴様!俺を誰だと思っている!」
「誰であろうと暴力は許されるものではない。」
「暴力だと?!婚約者の腕を引いて、なにが悪いというんだ!元はと言えば、そいつが俺の言うことをきかないのがいけないんだろう!」
尻もちをついた体勢でわめき散らすデュークはなんとも情けない姿でした。
「婚…約……者?」
「そうだ!自分の婚約者をどうしようと俺の勝手だろうが!コイツはな、ボロい屋敷と家族のために俺と結婚するしかないんだよ!じゃないとこの冬には家族全員飢え死にだ、そうだろう?」
騎士はなぜか拳を握りしめ、ふるふると肩を震わせています。
「本当か?コイツの言っていることは?」
「……本当です。明日食べる物にも困っている有り様ですから…。あの雪崩のせいで…。」
「婚約者というのも?」
「…いいえ!……それはまだ…正式に婚約したわけではありません。」
それも時間の問題ですと言いかけたとき、騎士はなにかをデュークに投げつけました。
デュークの頬に直撃したそれは騎士の使う真っ白な手袋です。続いて腰に提げていた剣を芝生に落としました。
「剣を取れ、俺と決闘しろ。」
男性が相手に手袋を投げつけるのは、決闘の申し込みと見なされます。しかし、騎士が貴族に向けてそれをするのは無礼な行いです。
「貴様!このカザック家のデュークに対して無礼だろう!身分を弁えろ!」
「身分などどうでもいい!無礼なのはお前だろうが!彼女を辱しめる発言を撤回しろ!」
この人は私のために怒ってくれている。それがとても嬉しかったのです。いろいろな感情が溢れ、涙が出てきました。
「早く剣を取れ、決闘だ。」
「お待ちください!もう充分ですから、これ以上は…。」
必死に涙を堪えながら、騎士様の腕を取りました。すると何故かまた眉間にシワを寄せ、怒ったような表情になるのです。
「デュークと言ったな、決闘に勝った方が彼女と結婚する。それでどうだ?」
「えっ?」
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