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2 婚姻
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私、ティエラが、ギスカル王国の第一王子と婚約、結婚したのは、わずか10歳の時だった。
第一王子、ユリウス・ベリサリオが11歳の時だ。
子供同士を婚姻させるなんて、あり得ないと思うけど。
ユリウスは第一王子だけど、母親が亡くなった王妃様で、第二王子を生んだ第一側妃に煙たがられていた。
王妃様が亡くなった後に側妃様が輿入れしたのだけど、国王様は王妃様だけを愛していて、いつまで経っても側妃様を王妃とはしなかった。
だからよけい、側妃様の憎悪が幼い第一王子に向けられていた。
私達が結婚させられたこの頃はすでに国王様は病床に伏せっており、お城の実権は側妃ベアトリーチェが握っていた。
それで、その第一王子の力をさらに削ぐために、側妃派の子爵家のこの家に婚姻の話が舞い降りてきた。
私が生まれたダンスト子爵家は、表向きは商売を手広くやって、それなりに裕福な家だった。
裏では違法薬物に手を出していて、その儲けを流すことで側妃と仲良くしているような家だ。
いくつかの薬物の融通もしていたようだ。
そんな関係で絶対に側妃を裏切らないから、白羽の矢が立ったって言うべきなのかな?
いや、矢面に立たされた?
本来は、私の二つ上の姉のところに来た話だった。
でも、姉はそんな王子のところへ12歳で嫁ぐ事を嫌がり、王子様だけど、その立場が危うい彼の元へは絶対に行きたくはないようだった。
「嫌よ、あんな辛気臭そうな王子だなんて。私の未来が閉ざされたも同然じゃない。絶対、嫌よ!」
ヒステリックな声が、落ち葉を掃く私がいる庭にまで響いていた。
その姿は見えなくても、派手な金髪を振り乱して、碧い瞳を怒りに滾らせているのは想像できた。
掃いても掃いても終わらない作業をしながら、そう言えば今日はまだご飯を貰ってないなと、人事のように聞いていたのに、
「あの子を行かせたらいいじゃない!ここまでこの家に居させてあげたんだから、あの子に恩を返させるのよ!」
その発言があって、私の人生は大きく変わることになった。
引き摺られるように執務室に連れて行かれて、王子の妃になれと、それだけが告げられた。
こうして姉の希望は叶い、姉を溺愛する両親は、その身代わりに私をあっさりと王宮に差し出していた。
私は、両親にとってはいらない子も同然で、父親が使用人に手を出して生まれた子だから、今まで、その存在を捨て置かれていた。
いまさら惜しむこともない。
政治利用された挙句に殺されたとしても、痛くも痒くもないはず。
今までが食事もろくにもらえずに、下働きをさせられて、崩れかけた小屋に寝かされている生活だった。
それが続くくらいなら、火の中に飛び込むのも大して変わらないと、私は黙ってその話を受けた。
そもそも拒否権はない。
こんな経緯で、辛うじて読み書きができるレベルの私が、王族に名を連ねることになった。
それから一月後。
準備期間が一ヶ月あっただけでもマシなのかもしれない。
無理矢理着飾らせて、初対面である第一王子ユリウスの前に連れて行かれていた。
私はドレスに完全に負けている。
彼は不機嫌さを隠しもせずに目の前に立ち、上から下までジロジロ見てきた。
私の榛色の瞳と彼の視線がぶつかり合うけど、別に私は彼を睨んではいない。
ブルーグレーの髪と藍色の瞳からは、子供なのに冷たい印象を受ける。
そして放たれた第一声が、
「貧相な生贄だな。仔山羊の方がまだマシだ」
これだった。
ユリウス自身も、私との強引な婚姻が、側妃の嫌がらせと分かっていたんだ。
私を見る目は、敵を見るように警戒を緩めていなかった。
10歳の無力な子供が放り込まれた先が、どこを向いても敵だらけ。
この先どうやって生きていけるのかと不安はあったけど、誰も味方はいないのだから、自分でどうにかするしかなかった。
第一王子、ユリウス・ベリサリオが11歳の時だ。
子供同士を婚姻させるなんて、あり得ないと思うけど。
ユリウスは第一王子だけど、母親が亡くなった王妃様で、第二王子を生んだ第一側妃に煙たがられていた。
王妃様が亡くなった後に側妃様が輿入れしたのだけど、国王様は王妃様だけを愛していて、いつまで経っても側妃様を王妃とはしなかった。
だからよけい、側妃様の憎悪が幼い第一王子に向けられていた。
私達が結婚させられたこの頃はすでに国王様は病床に伏せっており、お城の実権は側妃ベアトリーチェが握っていた。
それで、その第一王子の力をさらに削ぐために、側妃派の子爵家のこの家に婚姻の話が舞い降りてきた。
私が生まれたダンスト子爵家は、表向きは商売を手広くやって、それなりに裕福な家だった。
裏では違法薬物に手を出していて、その儲けを流すことで側妃と仲良くしているような家だ。
いくつかの薬物の融通もしていたようだ。
そんな関係で絶対に側妃を裏切らないから、白羽の矢が立ったって言うべきなのかな?
いや、矢面に立たされた?
本来は、私の二つ上の姉のところに来た話だった。
でも、姉はそんな王子のところへ12歳で嫁ぐ事を嫌がり、王子様だけど、その立場が危うい彼の元へは絶対に行きたくはないようだった。
「嫌よ、あんな辛気臭そうな王子だなんて。私の未来が閉ざされたも同然じゃない。絶対、嫌よ!」
ヒステリックな声が、落ち葉を掃く私がいる庭にまで響いていた。
その姿は見えなくても、派手な金髪を振り乱して、碧い瞳を怒りに滾らせているのは想像できた。
掃いても掃いても終わらない作業をしながら、そう言えば今日はまだご飯を貰ってないなと、人事のように聞いていたのに、
「あの子を行かせたらいいじゃない!ここまでこの家に居させてあげたんだから、あの子に恩を返させるのよ!」
その発言があって、私の人生は大きく変わることになった。
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こうして姉の希望は叶い、姉を溺愛する両親は、その身代わりに私をあっさりと王宮に差し出していた。
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いまさら惜しむこともない。
政治利用された挙句に殺されたとしても、痛くも痒くもないはず。
今までが食事もろくにもらえずに、下働きをさせられて、崩れかけた小屋に寝かされている生活だった。
それが続くくらいなら、火の中に飛び込むのも大して変わらないと、私は黙ってその話を受けた。
そもそも拒否権はない。
こんな経緯で、辛うじて読み書きができるレベルの私が、王族に名を連ねることになった。
それから一月後。
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私の榛色の瞳と彼の視線がぶつかり合うけど、別に私は彼を睨んではいない。
ブルーグレーの髪と藍色の瞳からは、子供なのに冷たい印象を受ける。
そして放たれた第一声が、
「貧相な生贄だな。仔山羊の方がまだマシだ」
これだった。
ユリウス自身も、私との強引な婚姻が、側妃の嫌がらせと分かっていたんだ。
私を見る目は、敵を見るように警戒を緩めていなかった。
10歳の無力な子供が放り込まれた先が、どこを向いても敵だらけ。
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