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16 第二王子アダム
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予想外な人の登場に、目をパチクリとさせてアダムを見つめていた。
「大丈夫ですか?姉上。どこかお怪我はございませんか?」
ユリウスによく似た青色の瞳が、案じるように私に向けられる。
「大丈夫です。助けていただき、ありがとうございます」
近衛騎士の方は、アダムが私に近付いてくると、少しだけ後ろに下がっていた。
気配を消して、控え目にそこに立っている。
しかし、何で、第二王子が私を助けたのかな?
結婚させられたばかりの頃のユリウスによく似た、見た目は可愛らしい美少年なのに、ブライアンに向けたあの冷笑を見る限りでは、なかなかクセがありそうな感じだった。
「こうしてお会いするのは、初めてですね。母からの監視が厳しいもので、自由になる時間がこんな夜会の時くらいしかありませんから」
先程とは打って変わって、人好きのする微笑を向けてくる。
11歳の子供なのに、なかなか油断がならなかった。
でも、嫌な感じはしない。
「王子殿下は」
「アダムと呼び捨てでいいですよ。この場には私と彼しかいませんから」
「アダムは、どうしてここに?それに、何で私を……」
「貴女が夜会に招待されたと聞いて、気になって様子をこっそりと見にきたのです。母のやり方は国に混乱を招くだけなので、本当は反対したいのですが、自分が子供なのがとてももどかしいです」
しおらしく話す姿は敵か味方なのかは判断できなかったけど、この場では味方のようだった。
「貴女の力になれなくて、本当に申し訳ありません。戦地でこの国を守ってくださっている兄上の代わりに、貴女を支えたいのに」
「あ、気にしないで。私は一人でどうにかやっていけるから」
「はい、そのようですね。先程の広間での事はお見事で、どうやったのか教えていただきたいのですが、詳細は姉上が困りそうなのでやめておきます」
いやにあっさりと流され、そしてニッコリと微笑まれて、焦ったのは私だ。
見られてた!?
「アダム、あの」
「ああ、大丈夫ですよ。私は何も見ていません。姉上が、謎の力を持っていたとしても、市井で逞しく生きていたとしても、何の力にもなってあげられない私が、貴女の邪魔をするわけがありません」
ひー、怖いよ、怖い!
アダム、どこまで知ってるの!
可愛らしい美少年が、ニコニコ笑顔を向けてくれているのに、それが脅迫にしか見えないー!
「私は姉上と仲良くなりたいだけです。姉上に迷惑はかけませんので、是非お茶を飲みながら話をしましょう」
「え、嫌だ、何か怖いから」
即、ご遠慮願っていた。
「お好みのおやつを取り揃えますよ」
反射的に行くって言いかけて、頑張って思いとどまった。
偉いよ、私。
お菓子をあげるからって言われても、知らない人にはついて行ってはダメだからね。
ルゥによくそう言い含めていたのは、私でリシュアだ。
それに、何を11歳の子供相手におやつで釣られようとしているんだ。
恥を知れ!
「ユリウス兄さんの近況を聞きたくないですか?」
「聞きたい」
そこは即答してしまっていた。
ちょっとだけ後悔する。
「では、御招待させてくださいね。楽しみに待っています。お部屋まで送りましょうか?」
「いや、いいよ。一人で帰れるよ」
体の前で両手をぶんぶんと振って、これ以上関わらないでとアピールする。
「はい、では、おやすみなさい。ティエラ姉さん」
後光がさして見えそうなほどの笑顔を残して、護衛騎士と二人で去って行った。
その二人に背を向けて、私も猛ダッシュで部屋に帰る。
夜会の事が霞むくらい、アダムの登場は私に衝撃を与えていたけど、でも、これはまだ始まりに過ぎない出来事だった。
「大丈夫ですか?姉上。どこかお怪我はございませんか?」
ユリウスによく似た青色の瞳が、案じるように私に向けられる。
「大丈夫です。助けていただき、ありがとうございます」
近衛騎士の方は、アダムが私に近付いてくると、少しだけ後ろに下がっていた。
気配を消して、控え目にそこに立っている。
しかし、何で、第二王子が私を助けたのかな?
結婚させられたばかりの頃のユリウスによく似た、見た目は可愛らしい美少年なのに、ブライアンに向けたあの冷笑を見る限りでは、なかなかクセがありそうな感じだった。
「こうしてお会いするのは、初めてですね。母からの監視が厳しいもので、自由になる時間がこんな夜会の時くらいしかありませんから」
先程とは打って変わって、人好きのする微笑を向けてくる。
11歳の子供なのに、なかなか油断がならなかった。
でも、嫌な感じはしない。
「王子殿下は」
「アダムと呼び捨てでいいですよ。この場には私と彼しかいませんから」
「アダムは、どうしてここに?それに、何で私を……」
「貴女が夜会に招待されたと聞いて、気になって様子をこっそりと見にきたのです。母のやり方は国に混乱を招くだけなので、本当は反対したいのですが、自分が子供なのがとてももどかしいです」
しおらしく話す姿は敵か味方なのかは判断できなかったけど、この場では味方のようだった。
「貴女の力になれなくて、本当に申し訳ありません。戦地でこの国を守ってくださっている兄上の代わりに、貴女を支えたいのに」
「あ、気にしないで。私は一人でどうにかやっていけるから」
「はい、そのようですね。先程の広間での事はお見事で、どうやったのか教えていただきたいのですが、詳細は姉上が困りそうなのでやめておきます」
いやにあっさりと流され、そしてニッコリと微笑まれて、焦ったのは私だ。
見られてた!?
「アダム、あの」
「ああ、大丈夫ですよ。私は何も見ていません。姉上が、謎の力を持っていたとしても、市井で逞しく生きていたとしても、何の力にもなってあげられない私が、貴女の邪魔をするわけがありません」
ひー、怖いよ、怖い!
アダム、どこまで知ってるの!
可愛らしい美少年が、ニコニコ笑顔を向けてくれているのに、それが脅迫にしか見えないー!
「私は姉上と仲良くなりたいだけです。姉上に迷惑はかけませんので、是非お茶を飲みながら話をしましょう」
「え、嫌だ、何か怖いから」
即、ご遠慮願っていた。
「お好みのおやつを取り揃えますよ」
反射的に行くって言いかけて、頑張って思いとどまった。
偉いよ、私。
お菓子をあげるからって言われても、知らない人にはついて行ってはダメだからね。
ルゥによくそう言い含めていたのは、私でリシュアだ。
それに、何を11歳の子供相手におやつで釣られようとしているんだ。
恥を知れ!
「ユリウス兄さんの近況を聞きたくないですか?」
「聞きたい」
そこは即答してしまっていた。
ちょっとだけ後悔する。
「では、御招待させてくださいね。楽しみに待っています。お部屋まで送りましょうか?」
「いや、いいよ。一人で帰れるよ」
体の前で両手をぶんぶんと振って、これ以上関わらないでとアピールする。
「はい、では、おやすみなさい。ティエラ姉さん」
後光がさして見えそうなほどの笑顔を残して、護衛騎士と二人で去って行った。
その二人に背を向けて、私も猛ダッシュで部屋に帰る。
夜会の事が霞むくらい、アダムの登場は私に衝撃を与えていたけど、でも、これはまだ始まりに過ぎない出来事だった。
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