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31 ルゥ
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初めてヒトの世界に足を踏み入れた俺は、まだ子犬だった。
右も左も分からなくて不安でいっぱいで、でも、そんな時に出会ったヒトが、俺の運命のヒトだった。
俺の御主人様は、ヒトの子供であるリシュア。
森の中で一人で生活をしていた。
最初は後ろをちょこちょこついてきた俺に戸惑っていたけど、リシュアは一度だって俺に酷いことをした事はなかった。
むしろ、リシュアは、最初から俺に優しかった。
出会ったばかりの俺に食べ物をくれたのに、何で自分は食べないんだろうって、何で俺の食べているところをニコニコ見ているだけなんだろうって、リシュアが食べる分を俺にくれたって知ったのは、少ししてからだった。
出会った頃から、最後の別れの時まで、俺がリシュアにしてあげられた事はほとんどなかったのに、リシュアは、
“ルゥ”
って、優しく穏やかに俺を見て、そして心地よい手で頭を撫でてくれていたんだ。
毎日、生きることに一生懸命だったけど、天気が良い日に、ただ陽が当たるだけの道をリシュアと並んで歩くだけで、俺は幸せだった。
リシュアは、いつだって、どんなに怖い目に遭っても、俺がいるから真っ先に逃げようとはしなかった。
あの時だって、あの最期の時だって、リシュアが魔物に喰われていく姿を、ただ俺は見ていることしかできなくて、
“俺を食べてくれている間にルゥが遠くに逃げられる”
そう考えているリシュアの気持ちが届いて、
嬉しくないって、
悲しい、
辛い、
死なないでって、
もっと一緒に生きたいと、
どれだけ伝えたかったか。
俺の我儘をいつも聞いてくれたリシュアが、ただ一つ、それだけは聞いてはくれなかった。
右も左も分からなくて不安でいっぱいで、でも、そんな時に出会ったヒトが、俺の運命のヒトだった。
俺の御主人様は、ヒトの子供であるリシュア。
森の中で一人で生活をしていた。
最初は後ろをちょこちょこついてきた俺に戸惑っていたけど、リシュアは一度だって俺に酷いことをした事はなかった。
むしろ、リシュアは、最初から俺に優しかった。
出会ったばかりの俺に食べ物をくれたのに、何で自分は食べないんだろうって、何で俺の食べているところをニコニコ見ているだけなんだろうって、リシュアが食べる分を俺にくれたって知ったのは、少ししてからだった。
出会った頃から、最後の別れの時まで、俺がリシュアにしてあげられた事はほとんどなかったのに、リシュアは、
“ルゥ”
って、優しく穏やかに俺を見て、そして心地よい手で頭を撫でてくれていたんだ。
毎日、生きることに一生懸命だったけど、天気が良い日に、ただ陽が当たるだけの道をリシュアと並んで歩くだけで、俺は幸せだった。
リシュアは、いつだって、どんなに怖い目に遭っても、俺がいるから真っ先に逃げようとはしなかった。
あの時だって、あの最期の時だって、リシュアが魔物に喰われていく姿を、ただ俺は見ていることしかできなくて、
“俺を食べてくれている間にルゥが遠くに逃げられる”
そう考えているリシュアの気持ちが届いて、
嬉しくないって、
悲しい、
辛い、
死なないでって、
もっと一緒に生きたいと、
どれだけ伝えたかったか。
俺の我儘をいつも聞いてくれたリシュアが、ただ一つ、それだけは聞いてはくれなかった。
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