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第二世界 ドデルヘン(まったり学園生活もいいもんだ)
第五十六話 衝撃の事実
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「ホホホウ! これはまた懐かしい代物ですな」
「知っているのか?」
「ホホホウ! 勿論ですとも! 新鮮な蒼い血とここの地下千メートルでとれる特殊な鉱石を混ぜたものですぞ」
「あれ、それってもしかしてお前の作品だったのか?」
「ホホホウ! 作品扱いするのは止めてくだされ! ただの失敗作ですぞ。スキルは付与できましたが不純物が多く剣の強度がいまいちだったんですじゃ。やはり青竜ごとき穢れた血でまともな剣を作るなど土台無理な話だったのですぞ」
パパン、パパンの血は穢れているらしいよ。
「それでその後この剣をどうしたんだ?」
「ホホホウ! 剣ではなくただの金属屑ですぞ。元の鉱石の方が素材とて使えるので何倍も価値がありますな。そこら辺に投げ捨てておいたのですが、来る途中にでも拾ったのですかな?」
微妙な空気が俺たちのなかに流れる。今更、誰もこれが国宝になっているだなんて言えなかった。
「いや、知り合いの子供が地上でこれを使っていてな」
「ホホホウ! 確かに子供の玩具なら屑でも問題ないですな」
いや、公爵家の家督を継ぐ証なんだけどね……。
「それで、この剣を誤って壊しちゃったんだよ」
「壊したのはカイトだけどね」
いらんこというな。
「ホホホウ! 屑ですからすぐに壊れますぞ」
「それで直せるのか?」
「打ち直せば可能ですぞ。しかしそんな屑なぞ打ちたくはありませんぞ」
「そこを何とか! 子供にとっては愛着ある大事な玩具なんだ」
みんなの視線が痛い。国宝だもんね……。
「そうですか……。かしこまりました。ただ、青竜の血液が大量に必要ですぞ」
「そんなもの準備できるわけないじゃないの!」
「竜を倒すなんてそれこそSSSランクの討伐依頼だよね。そもそも何処にいるかもわからないし……」
「これでいいか?」
俺は青い液体がびっしりと詰まったバケツを差し出す。
「ホホホウ! これは確かに青竜の血液ですぞ! しかも新鮮ですな」
「カイトあなたなんでそんな物騒なもの持ってるのよ!」
「ボロボロのバケツに無造作に入れておくものじゃないよ……」
「だってカイ兄だもん!」
「パパンが他の女と食事したんだよ」
「「は!?」」
ちょっと前のことだ。不純異性交遊がバレたパパンがママンに半殺しにされていた。いやー、ママンの牙がパパンの首に噛みついた様は忘れられない。まさに怪獣大戦争。パパンの首の肉が半分以上噛み切られていた。もうプランプランだよ。危うく頭が落ちるところだった。
家の中は青い血の海。怒りの収まらないママンは家を飛び出し、パパンは体を横たえ痙攣していた。仕方ないから俺が掃除したんだよ。ほんと汲み取るの大変だったんだよ。途中から捨てにいくのも億劫になって、バケツ数杯をそのまま無限収納に突っ込んだのだ。まさかこんな所で処分できるとは。
「やはり青竜の血には混じり物が結構ありますな。やはりこれでは良い剣は打てないでしょう」
「まあ、不純だから仕方ない」
「では、少々お待ちを……。ホホホウ!」
ナノルーフが両手を前に掲げる。目の前に現れた金色の炉。内部はすでに灼熱の輝きを帯びていた。急に周囲の温度が上がった気がする。
「これは?」
「ホホホウ! お手製の自慢の炉ですぞ! 魔力の量によって五千度まで一度ピッチで温度調整が可能ですじゃ」
「そんな高温だと炉が溶けねーのか?」
「ホホホウ! まったく問題ないですぞ。炉壁は地下二千メートルで採れる特殊鉱石製。数万度まで加熱しても一切変形することはありませんぞ」
「数万度って……」
コメントに困る俺らに目もくれずナノルーフは作業を始めた。金色の長板状の棒に銀白色の鉱石乗せ、炉の中に入れた。それを僅か数秒で取り出す。それだけで銀色の鉱石は真っ赤になっていた。
「ホホホウ! ホウ! ホホホウ! ホウ! ホホホウ!」
ナノルーフはハンマーでリズミカルにその鉱石を叩く。その度に薄く伸びていく鉱石。叩く合間のホウ!という掛け声に合わせて大量の青竜の血をかける。血は一瞬で蒸発し、青い物質が鉱石へと沈着する。
「く、くせぇえええ!?」
血が気化すると鼻が曲がりそうな悪臭を放つ。なんというか腐った生ごみのような臭いだった。パパン穢れすぎ……。
炉に入れる、叩く、血をかける、叩く、血をかける、叩く、炉にいれる。
「ホホホウ! ホウ! ホホホウ! ホウ! ホホホウ!」
この作業を延々と繰り返していた。それはまさに死闘ともいえた。
「うぐぅ……」
「だめ、わたしもう我慢できない」
「あ、チカがまた倒れたよ!」
剣が出来上がるよりも先に、悪臭に脳細胞が溶かされるかもしれない。
「ホホホウ! ホウ! ホホホウ! ホウ! ホホホウ!」
頭が朦朧とする。いまさらだけど、このホホホウって叫びって何なんだ。別に他のドワーフは言ってなかったな。ナノルーフ限定の口癖なのかな。ホホホウ、ホウ――。
実際は十分ほどだったが、待つ者にとっては拷問のような長い時間だった。
「ホホホウ! 塵ができましたぞ」
蒼く煌めく刃が出来上がっていた。パッと見は確かに前の剣と変わらないな。付与スキルも同じだった。
「柄を貸してくだされ」
仕上がった刀身を柄に嵌め込む。うん、鑑定結果もシロエズールだな。
「これで宜しかったですかな?」
「ああ、パーフェクトだ」
「ところで主様は剣はいかがですか?」
「まー、いまあるのは灼熱の大剣だけだからな。正直貰えるなら有難いな」
「倉庫に幾つか作品がございますが、折角なので新たな剣を打ちたいところですぞ」
「んー、ならこれを素材にしてはどうだ?」
「ホホホウ! これはなかなか面白い素材ですな」
使い道のない闇竜の牙を数本取り出した。
「最近手に入れた鉱石とこの牙をベースにして、主様の血を少し混ぜ込めば面白いものが生まれることでしょう」
「え……。俺の血を混ぜるのか?」
「ええ、きっと素晴らしい作品になりますぞ」
「いや、あんなにかけたら失血死するから」
「なんの主様の場合、必要な血はほんの数滴です」
「青竜のように臭くない?」
「ホホホウ! 当たり前ですぞ! あんな悪臭を放つのは青竜の血くらいですじゃ」
なんか存在自体が悪みたい。パパンが少し可哀想。
「そうか、ならやってみようか」
「では、儂が合図した際に数滴かけてください」
今度は金色の板の上に紫の鉱石と闇竜の牙を置く。同じように高炉にいれて手早く取り出す。紫の鉱石は赤くなったが、牙の色は変わらなかった。ただ、タールのようにドロドロとした液状になっていた。それを冷ましながら鉱石と混じり合うように叩いていく。
「ホホホウ! やはり粘り強い剣が作れそうですぞ! 今ですぞ! ホウ!」
俺は親指を刀で切り、黒い塊りの上に血を垂らす。ジュッと音を立てた瞬間、黒い塊が一瞬だが赤く輝いた。
「ホホホウ! ホホホウ!」
高炉に再び入れる。叩いて伸ばし、俺の血を垂らす。今度はオレンジ色に輝いた。
「ホホホウ! ホウ! ホホホウ! ホウ! ホホホウ!」
この手順を繰り返していく。その都度、黄、黄緑、緑、青、紫と異なる光を発した。
「ホホホウ! できましたぞ!」
「うわー、綺麗だ!」
「こんなの見たことないわ」
「カイ兄にピッタリ!」
虹色の光彩を纏う刀身。出来上がったものは、両刃の剣ではなく刀だった。
「主様ありがとうございます。数百年ぶりに納得できる刀が打てましたぞ」
□神刀レイリス:亜神ナノルーフの傑作。カイト=シドーのみが使える刀剣。使う度に成長する。刀剣を欲すればどの世界にいようが瞬時に自らの手中に現れる。付与スキル:MP変換蓄積
いまの俺に正にうってつけの武器だ。大気中に存在するマナを吸い取ってMPに変換できるらしい。しかもバッテリー機能搭載だ。さらに世界間移動も問題にならないようだ。まさに神刀。
「素晴らしい刀だ」
「そう言って頂けるのが何よりの喜びですぞ」
「ぼ、僕にも武器を作ってください!」
「わたしも!」
「チーは盾がいい!」
「ホホホウ! 今日は機嫌がいいので特別ですぞ!」
俺の剣よりも劣るが、パドは両手剣、アルタは杖、チカは大盾を作ってもらった。鑑定すると、どれも神器だった。全てがドゥンケ公爵家の似非神器よりもスペックが高かった。これほんとに良かったのかな。この三人は将来必ず伝説級の冒険者になることだろう。歴史を変えてしまったのかもしれない。
「とりあえず用も済んだことだし帰るか」
「では、主様、武具が御入用なときはいつでもお越しください」
「ああ、俺としては街なかに居て欲しいところだがな」
この世界に来るたびにこんな真っ暗で辛気くさい場所は勘弁だ。
「ホホホウ! 承知しました。ならば、学園都市にでも参りましょうか」
「ここにいなくていいのか?」
「欲しい鉱石はある程度ストックできましたからな。数百年は離れても問題ありませんぞ」
「それは貯め込みすぎじゃねーか」
「ところで主様、次の世界には今すぐにでも行かれますかな?」
「ほえ?」
やべ、変な声がでちゃったよ。こいつなに言ってるの?
「ですから、ドデルヘンの次の世界を見てきますかな?」
「俺はまだ魂の欠片を全て集めてないぞ?」
「ええ、それは承知してますぞ。ですから、こちらでも未だ活動しないといけないでしょうな」
「話が噛み合わないな。魂の欠片を集めないと次の世界には行けないんだろ?」
「ホホホウ? それは違いますぞ。その世界で眷属を見つければいいのです。それだけで、いつでも次の世界にいけますぞ」
「いや、でも……。ロージェンでは魂の欠片が体に入ってきてすぐに移動したぞ」
「それは眷属に出会わない。もしくは眷属のいない世界で魂の欠片を回収した場合ですな。魂の欠片を取り込んだ時点で別世界を一度も訪れていなかったら、強制的に次の世界へと転生します」
「なんだと。それはナノルーフだけが知っている秘め事なのか?」
「いえ、眷属であれば常識ですぞ」
ということはだ……。ロージェン世界においてターウォの街で屋敷を買ったあの日。あの時点からすでにこの世界との行き来は自由だったってことか。
あの頃の俺はずっと悩んでいた。ルシア達に二度と会えなくなるかもしれないと――。
「あの性悪執事ぃいいい!? ぜってぇえええ、ぶっ殺す!」
「知っているのか?」
「ホホホウ! 勿論ですとも! 新鮮な蒼い血とここの地下千メートルでとれる特殊な鉱石を混ぜたものですぞ」
「あれ、それってもしかしてお前の作品だったのか?」
「ホホホウ! 作品扱いするのは止めてくだされ! ただの失敗作ですぞ。スキルは付与できましたが不純物が多く剣の強度がいまいちだったんですじゃ。やはり青竜ごとき穢れた血でまともな剣を作るなど土台無理な話だったのですぞ」
パパン、パパンの血は穢れているらしいよ。
「それでその後この剣をどうしたんだ?」
「ホホホウ! 剣ではなくただの金属屑ですぞ。元の鉱石の方が素材とて使えるので何倍も価値がありますな。そこら辺に投げ捨てておいたのですが、来る途中にでも拾ったのですかな?」
微妙な空気が俺たちのなかに流れる。今更、誰もこれが国宝になっているだなんて言えなかった。
「いや、知り合いの子供が地上でこれを使っていてな」
「ホホホウ! 確かに子供の玩具なら屑でも問題ないですな」
いや、公爵家の家督を継ぐ証なんだけどね……。
「それで、この剣を誤って壊しちゃったんだよ」
「壊したのはカイトだけどね」
いらんこというな。
「ホホホウ! 屑ですからすぐに壊れますぞ」
「それで直せるのか?」
「打ち直せば可能ですぞ。しかしそんな屑なぞ打ちたくはありませんぞ」
「そこを何とか! 子供にとっては愛着ある大事な玩具なんだ」
みんなの視線が痛い。国宝だもんね……。
「そうですか……。かしこまりました。ただ、青竜の血液が大量に必要ですぞ」
「そんなもの準備できるわけないじゃないの!」
「竜を倒すなんてそれこそSSSランクの討伐依頼だよね。そもそも何処にいるかもわからないし……」
「これでいいか?」
俺は青い液体がびっしりと詰まったバケツを差し出す。
「ホホホウ! これは確かに青竜の血液ですぞ! しかも新鮮ですな」
「カイトあなたなんでそんな物騒なもの持ってるのよ!」
「ボロボロのバケツに無造作に入れておくものじゃないよ……」
「だってカイ兄だもん!」
「パパンが他の女と食事したんだよ」
「「は!?」」
ちょっと前のことだ。不純異性交遊がバレたパパンがママンに半殺しにされていた。いやー、ママンの牙がパパンの首に噛みついた様は忘れられない。まさに怪獣大戦争。パパンの首の肉が半分以上噛み切られていた。もうプランプランだよ。危うく頭が落ちるところだった。
家の中は青い血の海。怒りの収まらないママンは家を飛び出し、パパンは体を横たえ痙攣していた。仕方ないから俺が掃除したんだよ。ほんと汲み取るの大変だったんだよ。途中から捨てにいくのも億劫になって、バケツ数杯をそのまま無限収納に突っ込んだのだ。まさかこんな所で処分できるとは。
「やはり青竜の血には混じり物が結構ありますな。やはりこれでは良い剣は打てないでしょう」
「まあ、不純だから仕方ない」
「では、少々お待ちを……。ホホホウ!」
ナノルーフが両手を前に掲げる。目の前に現れた金色の炉。内部はすでに灼熱の輝きを帯びていた。急に周囲の温度が上がった気がする。
「これは?」
「ホホホウ! お手製の自慢の炉ですぞ! 魔力の量によって五千度まで一度ピッチで温度調整が可能ですじゃ」
「そんな高温だと炉が溶けねーのか?」
「ホホホウ! まったく問題ないですぞ。炉壁は地下二千メートルで採れる特殊鉱石製。数万度まで加熱しても一切変形することはありませんぞ」
「数万度って……」
コメントに困る俺らに目もくれずナノルーフは作業を始めた。金色の長板状の棒に銀白色の鉱石乗せ、炉の中に入れた。それを僅か数秒で取り出す。それだけで銀色の鉱石は真っ赤になっていた。
「ホホホウ! ホウ! ホホホウ! ホウ! ホホホウ!」
ナノルーフはハンマーでリズミカルにその鉱石を叩く。その度に薄く伸びていく鉱石。叩く合間のホウ!という掛け声に合わせて大量の青竜の血をかける。血は一瞬で蒸発し、青い物質が鉱石へと沈着する。
「く、くせぇえええ!?」
血が気化すると鼻が曲がりそうな悪臭を放つ。なんというか腐った生ごみのような臭いだった。パパン穢れすぎ……。
炉に入れる、叩く、血をかける、叩く、血をかける、叩く、炉にいれる。
「ホホホウ! ホウ! ホホホウ! ホウ! ホホホウ!」
この作業を延々と繰り返していた。それはまさに死闘ともいえた。
「うぐぅ……」
「だめ、わたしもう我慢できない」
「あ、チカがまた倒れたよ!」
剣が出来上がるよりも先に、悪臭に脳細胞が溶かされるかもしれない。
「ホホホウ! ホウ! ホホホウ! ホウ! ホホホウ!」
頭が朦朧とする。いまさらだけど、このホホホウって叫びって何なんだ。別に他のドワーフは言ってなかったな。ナノルーフ限定の口癖なのかな。ホホホウ、ホウ――。
実際は十分ほどだったが、待つ者にとっては拷問のような長い時間だった。
「ホホホウ! 塵ができましたぞ」
蒼く煌めく刃が出来上がっていた。パッと見は確かに前の剣と変わらないな。付与スキルも同じだった。
「柄を貸してくだされ」
仕上がった刀身を柄に嵌め込む。うん、鑑定結果もシロエズールだな。
「これで宜しかったですかな?」
「ああ、パーフェクトだ」
「ところで主様は剣はいかがですか?」
「まー、いまあるのは灼熱の大剣だけだからな。正直貰えるなら有難いな」
「倉庫に幾つか作品がございますが、折角なので新たな剣を打ちたいところですぞ」
「んー、ならこれを素材にしてはどうだ?」
「ホホホウ! これはなかなか面白い素材ですな」
使い道のない闇竜の牙を数本取り出した。
「最近手に入れた鉱石とこの牙をベースにして、主様の血を少し混ぜ込めば面白いものが生まれることでしょう」
「え……。俺の血を混ぜるのか?」
「ええ、きっと素晴らしい作品になりますぞ」
「いや、あんなにかけたら失血死するから」
「なんの主様の場合、必要な血はほんの数滴です」
「青竜のように臭くない?」
「ホホホウ! 当たり前ですぞ! あんな悪臭を放つのは青竜の血くらいですじゃ」
なんか存在自体が悪みたい。パパンが少し可哀想。
「そうか、ならやってみようか」
「では、儂が合図した際に数滴かけてください」
今度は金色の板の上に紫の鉱石と闇竜の牙を置く。同じように高炉にいれて手早く取り出す。紫の鉱石は赤くなったが、牙の色は変わらなかった。ただ、タールのようにドロドロとした液状になっていた。それを冷ましながら鉱石と混じり合うように叩いていく。
「ホホホウ! やはり粘り強い剣が作れそうですぞ! 今ですぞ! ホウ!」
俺は親指を刀で切り、黒い塊りの上に血を垂らす。ジュッと音を立てた瞬間、黒い塊が一瞬だが赤く輝いた。
「ホホホウ! ホホホウ!」
高炉に再び入れる。叩いて伸ばし、俺の血を垂らす。今度はオレンジ色に輝いた。
「ホホホウ! ホウ! ホホホウ! ホウ! ホホホウ!」
この手順を繰り返していく。その都度、黄、黄緑、緑、青、紫と異なる光を発した。
「ホホホウ! できましたぞ!」
「うわー、綺麗だ!」
「こんなの見たことないわ」
「カイ兄にピッタリ!」
虹色の光彩を纏う刀身。出来上がったものは、両刃の剣ではなく刀だった。
「主様ありがとうございます。数百年ぶりに納得できる刀が打てましたぞ」
□神刀レイリス:亜神ナノルーフの傑作。カイト=シドーのみが使える刀剣。使う度に成長する。刀剣を欲すればどの世界にいようが瞬時に自らの手中に現れる。付与スキル:MP変換蓄積
いまの俺に正にうってつけの武器だ。大気中に存在するマナを吸い取ってMPに変換できるらしい。しかもバッテリー機能搭載だ。さらに世界間移動も問題にならないようだ。まさに神刀。
「素晴らしい刀だ」
「そう言って頂けるのが何よりの喜びですぞ」
「ぼ、僕にも武器を作ってください!」
「わたしも!」
「チーは盾がいい!」
「ホホホウ! 今日は機嫌がいいので特別ですぞ!」
俺の剣よりも劣るが、パドは両手剣、アルタは杖、チカは大盾を作ってもらった。鑑定すると、どれも神器だった。全てがドゥンケ公爵家の似非神器よりもスペックが高かった。これほんとに良かったのかな。この三人は将来必ず伝説級の冒険者になることだろう。歴史を変えてしまったのかもしれない。
「とりあえず用も済んだことだし帰るか」
「では、主様、武具が御入用なときはいつでもお越しください」
「ああ、俺としては街なかに居て欲しいところだがな」
この世界に来るたびにこんな真っ暗で辛気くさい場所は勘弁だ。
「ホホホウ! 承知しました。ならば、学園都市にでも参りましょうか」
「ここにいなくていいのか?」
「欲しい鉱石はある程度ストックできましたからな。数百年は離れても問題ありませんぞ」
「それは貯め込みすぎじゃねーか」
「ところで主様、次の世界には今すぐにでも行かれますかな?」
「ほえ?」
やべ、変な声がでちゃったよ。こいつなに言ってるの?
「ですから、ドデルヘンの次の世界を見てきますかな?」
「俺はまだ魂の欠片を全て集めてないぞ?」
「ええ、それは承知してますぞ。ですから、こちらでも未だ活動しないといけないでしょうな」
「話が噛み合わないな。魂の欠片を集めないと次の世界には行けないんだろ?」
「ホホホウ? それは違いますぞ。その世界で眷属を見つければいいのです。それだけで、いつでも次の世界にいけますぞ」
「いや、でも……。ロージェンでは魂の欠片が体に入ってきてすぐに移動したぞ」
「それは眷属に出会わない。もしくは眷属のいない世界で魂の欠片を回収した場合ですな。魂の欠片を取り込んだ時点で別世界を一度も訪れていなかったら、強制的に次の世界へと転生します」
「なんだと。それはナノルーフだけが知っている秘め事なのか?」
「いえ、眷属であれば常識ですぞ」
ということはだ……。ロージェン世界においてターウォの街で屋敷を買ったあの日。あの時点からすでにこの世界との行き来は自由だったってことか。
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絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
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