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19話 謁見
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「こ、ここは……?」
「…………」
「蓮、翔?」
俺は咄嗟に声のした方に視線を向けた。
「瑠魅っ……!」
なんで、こうも久々に会ったかのように、嬉しいのか。再会、と言うにはあまりにも短くて。でも、瑠魅が近くに居ると……手が届く範囲に居る。
でも、なんだか瑠魅が遠くにいるように感じた。
「な、なんで瑠魅が?」
「分からないの……でもね。私ね、あの声をどこかで聞いたことがあるの」
俺は、神太さんが言っていた事を思い出した。さっきは気が動転していて忘れていた。
なんで俺が、瑠魅が遠い存在と感じたのか、わかった気がする。
「ごめん、瑠魅」
「え、え?ど、どうしたの?」
「神太さんから……全部聞いた」
「……………そっか。聞いちゃったんだね」
瑠魅は視線を下げて寂しそうにニコリと笑った。
「心配しないで。こうやって蓮翔と話せたから」
「お、俺っ……ーーー」
『決断の時は来た。さぁ、答えを言えよ。ハル』
「…………」
またしても脳内に声が響く。ハッキリと言って気分が悪い。
てか、この場所絶対に退屈だろ。全面真っ白で何も無いじゃんか。
声の主も見つからないし。てか、ハルって誰だよ。
俺が心の中でそう愚痴を零していると、後ろから足音がした。
「やはり、私が犠牲になるのはダメなのか?」
俺の目の前まで歩いてきたのは、瑠魅のお父さんである神太さんだった。
神太さんは何も無い空間に向かいそう言い放つ。
『ダーメ。なんのためにそこにいる男を連れて来たと思ってんだ?』
「し、しかし……!彼は本当に無関係なんだ!」
『約束は、約束だろ?』
「「「っ………!!」」」
背筋がゾクッとした。体が無意識に震え始めた。どうやら、俺の言うことは聞いてくれそうにない。
瑠魅に関してはしゃがみ込んでしまい、顔色を伺うことは出来ない。
神太さんは顔を少し顰める程度だった。
『言ったよね?彼女を人間にする代わりに、僕の要求を叶えるってさ?僕がどれだけ頑張ったか分かる?分からないよね?そうだよね?君如きが分かるはずないさ。君は分からないなりに僕に尽くせよ。なんで口答えするの?僕は君よりも格上の神なんだよ?本来なら関わりすら持てない上位の存在。ねぇ、分かってよ、てか、分かれ。さっさと僕の要求を呑めよ。君にはそれしか道は無い。さぁ、わかったと言え』
「…………」
すんごい早口で色々言ってきたが、なんでこうも聞き取れるんだ?実は滑舌がスゲェ良いのかな?
まぁ、脳内に直接話しかけてきてるからかも知れねぇな。
「それは出来ない」
『はぁ?自分はお願いするだけして、僕の要求は無視ですか?良いご身分な事で。もう殺してやろうか?いや、殺して欲しいと思うほどの苦痛を一生与え続けてやろうか?お前は自分の立場を理解しろよ。こんなちっせぇ町の神でイキってんじゃねぇよ。自分の身の丈を理解できないカスは一生カスのままなんだよ。テメェは偉くも何ともねぇんだから偉いヤツに媚びでも売ってヘラヘラしてろよ。歯向かうとか、本当におかしいんじゃねぇの?なぁ、何とか言えよ、カス』
「………」
気分が悪いんだが?なぜ他人の悪口を聞かなきゃならねぇんだよ、それも脳に直接とか。
「あの……要求ってなんなん?」
「蓮翔君!?」
『……なんだ。下界のカスか。お前には関係ないからしゃしゃり出てくるなよ。ウザイんだよ、そういうのさ』
「………」
ボロクソ言われたんだが?俺のメンタルが超合金レベルだから良いが、これがガラスメンタルだったら、死んでるぞ?
「俺と関係があるんじゃないのか?だから連れて来たんだろ?」
『黙れカス。まぁ、そうだね。君のような低能相手でも穏やかに接してあげよう。なんて言ったって神だからね』
「「…………」」
なぁ、こいつ殴って良い?良いよな?
え、許可?んなもん要らねぇよ。
『簡単に言えばね。君はそこにいる神……ハルに売られたんだよ、内緒でね』
「え?」
「………」
俺が視線を向けると、神太さんは視線を逸らして下を向いてしまった。
どうやら、本当らしい。ここに味方居らんかね?居らんか……。唯一の希望……瑠魅は現在進行形でダウンしてるし。
『可哀想にね。けど心配しなくて良いよ。僕が可哀想な君の命を貰ってあげるから』
「え?」
「………」
『僕の要求はね……君の寿命だよ、蓮翔』
「………え、ヤダよ」
あら、ヤダ。反射的に出てしまったわ。もう、ダメなんだから。
あ、ヤベェ。何がって色々ヤバいけど……。
視界の端に写った神太さんは頭を抱えていた。どうやら、俺の思考以外にもやばい点は尽きないようだ。
『それが君の答えかい?』
「そうだ、と言ったら?」
『そうだね。もはや君には存在価値は微塵もないし、殺そっかな』
「え?」
思考ぶっ飛んでて草。いや、草すら生えんて。いや、どうなってんのよ、神様。
「…………」
「蓮、翔?」
俺は咄嗟に声のした方に視線を向けた。
「瑠魅っ……!」
なんで、こうも久々に会ったかのように、嬉しいのか。再会、と言うにはあまりにも短くて。でも、瑠魅が近くに居ると……手が届く範囲に居る。
でも、なんだか瑠魅が遠くにいるように感じた。
「な、なんで瑠魅が?」
「分からないの……でもね。私ね、あの声をどこかで聞いたことがあるの」
俺は、神太さんが言っていた事を思い出した。さっきは気が動転していて忘れていた。
なんで俺が、瑠魅が遠い存在と感じたのか、わかった気がする。
「ごめん、瑠魅」
「え、え?ど、どうしたの?」
「神太さんから……全部聞いた」
「……………そっか。聞いちゃったんだね」
瑠魅は視線を下げて寂しそうにニコリと笑った。
「心配しないで。こうやって蓮翔と話せたから」
「お、俺っ……ーーー」
『決断の時は来た。さぁ、答えを言えよ。ハル』
「…………」
またしても脳内に声が響く。ハッキリと言って気分が悪い。
てか、この場所絶対に退屈だろ。全面真っ白で何も無いじゃんか。
声の主も見つからないし。てか、ハルって誰だよ。
俺が心の中でそう愚痴を零していると、後ろから足音がした。
「やはり、私が犠牲になるのはダメなのか?」
俺の目の前まで歩いてきたのは、瑠魅のお父さんである神太さんだった。
神太さんは何も無い空間に向かいそう言い放つ。
『ダーメ。なんのためにそこにいる男を連れて来たと思ってんだ?』
「し、しかし……!彼は本当に無関係なんだ!」
『約束は、約束だろ?』
「「「っ………!!」」」
背筋がゾクッとした。体が無意識に震え始めた。どうやら、俺の言うことは聞いてくれそうにない。
瑠魅に関してはしゃがみ込んでしまい、顔色を伺うことは出来ない。
神太さんは顔を少し顰める程度だった。
『言ったよね?彼女を人間にする代わりに、僕の要求を叶えるってさ?僕がどれだけ頑張ったか分かる?分からないよね?そうだよね?君如きが分かるはずないさ。君は分からないなりに僕に尽くせよ。なんで口答えするの?僕は君よりも格上の神なんだよ?本来なら関わりすら持てない上位の存在。ねぇ、分かってよ、てか、分かれ。さっさと僕の要求を呑めよ。君にはそれしか道は無い。さぁ、わかったと言え』
「…………」
すんごい早口で色々言ってきたが、なんでこうも聞き取れるんだ?実は滑舌がスゲェ良いのかな?
まぁ、脳内に直接話しかけてきてるからかも知れねぇな。
「それは出来ない」
『はぁ?自分はお願いするだけして、僕の要求は無視ですか?良いご身分な事で。もう殺してやろうか?いや、殺して欲しいと思うほどの苦痛を一生与え続けてやろうか?お前は自分の立場を理解しろよ。こんなちっせぇ町の神でイキってんじゃねぇよ。自分の身の丈を理解できないカスは一生カスのままなんだよ。テメェは偉くも何ともねぇんだから偉いヤツに媚びでも売ってヘラヘラしてろよ。歯向かうとか、本当におかしいんじゃねぇの?なぁ、何とか言えよ、カス』
「………」
気分が悪いんだが?なぜ他人の悪口を聞かなきゃならねぇんだよ、それも脳に直接とか。
「あの……要求ってなんなん?」
「蓮翔君!?」
『……なんだ。下界のカスか。お前には関係ないからしゃしゃり出てくるなよ。ウザイんだよ、そういうのさ』
「………」
ボロクソ言われたんだが?俺のメンタルが超合金レベルだから良いが、これがガラスメンタルだったら、死んでるぞ?
「俺と関係があるんじゃないのか?だから連れて来たんだろ?」
『黙れカス。まぁ、そうだね。君のような低能相手でも穏やかに接してあげよう。なんて言ったって神だからね』
「「…………」」
なぁ、こいつ殴って良い?良いよな?
え、許可?んなもん要らねぇよ。
『簡単に言えばね。君はそこにいる神……ハルに売られたんだよ、内緒でね』
「え?」
「………」
俺が視線を向けると、神太さんは視線を逸らして下を向いてしまった。
どうやら、本当らしい。ここに味方居らんかね?居らんか……。唯一の希望……瑠魅は現在進行形でダウンしてるし。
『可哀想にね。けど心配しなくて良いよ。僕が可哀想な君の命を貰ってあげるから』
「え?」
「………」
『僕の要求はね……君の寿命だよ、蓮翔』
「………え、ヤダよ」
あら、ヤダ。反射的に出てしまったわ。もう、ダメなんだから。
あ、ヤベェ。何がって色々ヤバいけど……。
視界の端に写った神太さんは頭を抱えていた。どうやら、俺の思考以外にもやばい点は尽きないようだ。
『それが君の答えかい?』
「そうだ、と言ったら?」
『そうだね。もはや君には存在価値は微塵もないし、殺そっかな』
「え?」
思考ぶっ飛んでて草。いや、草すら生えんて。いや、どうなってんのよ、神様。
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