家のしきたりが兄妹でイチャつけなのでクーデレ義妹とイチャコラしている内に惚れられていた

ひゃみる

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妹と相合い傘

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「……雨降ってる」

 放課後になり下校しようとした遼であるが、雨が降っているので昇降口のとこで立ち止まった。
 朝は晴れていたために、遼は傘を持っていない。
 家が近いから小雨なら走って帰るが、結構な勢いでこのまま帰ったら濡れてしまう。

「今日は午後から雨が降ると予報でやっていたでしょう」

 少し呆れ気味に聖雪は遼のことを見る。
 しっかりと自分は折り畳み傘を持ってきたようで、聖雪は鞄から取り出す。

「俺は聖雪が近くにいたら、テレビより聖雪を見る」
「本当にあり得ないほどシスコンですね」

 今日からイチャイチャを開始したためか、遼は何よりも聖雪を優先してしまう。
 朝ご飯を食べている時だってずっと聖雪を見ていたほどだ。
 昼休みの時は聖雪がデレたが、重度のシスコンである遼にため息は出てしまう。

「まあ、雨に濡れて風邪をひかれてもあれなので、今日は私の傘に入っていいですよ」
「相合い傘というやつか?」
「そ、そうですね。嫌なら帰ってすぐにシャワーを浴びて身体を冷やさないようにしてください」
「相合い傘するに決まってるじゃないか」

 普通は妹と相合い傘なんてきないだろうが、遼が断るわけがない。

「悩むことすらしないのは流石兄さんですね」
「褒めるな」
「褒めてませんよ」

 褒められいると勘違いしている遼に、聖雪は冷たい視線を向ける。
 昼休みにデレてきた時とは違って聖雪はクールで、どうやらデレるのは二人きりの時だけのようだ。

「ここにいても時間の無駄ですので、早く帰りますよ」
「わかった」

 身長が高い遼が傘を持ち、聖雪と一緒に帰っていく。
 その時に「早く二人きりになって頭を撫でてほしいですしね」と、聖雪が呟いたのは遼に聞こえなかった。

☆ ☆ ☆

「濡れてないか?」
「大丈夫ですよ」

 折り畳み傘だから大きくなくて濡れるか心配したが、大丈夫なようだ。
 遼にとっては女の子と相合い傘は初めてのことで、しかも妹の聖雪と出来るのだから嬉しい。

「濡れてるのであれば、もっとくっつけるのに」
「今もだいぶ近いですよ」

 折り畳み傘で相合い傘をしているので二人は肩が触れ合うくらいに距離が近く、そのせいか聖雪の頬は紅潮している。
 自分から言ってきたのだから嫌ではないというのがわかるが、やっぱり恥ずかしいのだろう。

「そういう兄さんは濡れてないですか?」
「大丈夫」

 本当は肩が少しだけ濡れているが、遼は聖雪にそれを言うことはない。
 大切な妹を濡らして風邪をひかすわけにはいかないのだから。

「……少し濡れてるじゃないですか」

 視線を遼の肩に向け、聖雪は「むう……」と頬を膨らます。
 濡れているのが聖雪のいる方とは反対側であっても気づかれてしまった。

「しょうがないですね」

 少しため息をつき、仕方なくといった感じで聖雪は遼に近寄る。

「これでは歩きにくいのでこうしますね」

 何を考えたのか、聖雪は遼の腕に抱きつく。
 女性らしい身体つきを聖雪はしているので、遼の腕は柔らかい感触に包まれる。

「濡れないためにしかたなくなので、兄さんはニヤニヤしないでください」
「妹の聖雪にくっつかれたら、俺はニヤついてしまう」
「妹を強調するあたりは本当にシスコンですね」
「褒めるなよ」
「ですから褒めてません。シスコンは褒め言葉ではないですよ」

 今朝からずっとシスコン発言を連発する遼に、聖雪はまたため息をつく。
 ずっと妹がほしいと思っていて、ようやく出来ても先週は我慢していたためか、遼は一気に爆発してしまった。
 こうなってしまったら間違いなく遼は止まらない。
 しきたりを利用して聖雪とイチャイチャしまくるだろう。

「俺にとってシスコンは褒め言葉だ。調子に乗らせなくなかったら使わないことをお勧めする」
「そのようですね」

 自分でシスコンと認めているのだし、貶し言葉で使っても無意味だ。

「にしても思ったより着痩せするタイプなんだな。足とかは細いのに胸は結構……」
「兄さん?」

 これは妹に言う発言ではないので、聖雪は遼のことを睨む。

「ごめんなさい」
「よろしい。これで謝らなければ濡れて帰ってもらうことでしたよ」
「辛辣な妹」
「今のは兄さんのせいですからね。妹にそんなことを言うものではありません」
「俺は発情なんてしてないぞ」
「わかってますよ」

 全くもう……と、聖雪は再びため息。
 妹が好きという理由だけで聖雪のことを溺愛し、遼は普通の兄妹が話すような会話をあまりしない。
 先週は我慢していたから一般的な会話であったが、今朝から人が変わったようにシスコンになった。
 ただ、それが聖雪にとって寂しさを埋めることになったのだから、そんなに強く言えないのだろう。

「早く聖雪に抱きつきたい。頭を撫でたい」
「もう少しの我慢ですよ。家についたらいっぱいしていいですから」
「聖雪がデレた」
「で、デレてません。確かに私は兄さんの温もりを求めましたけど、デレたわけではないですから」

 プイっと聖雪は遼から視線を外す。

「デレたのを認めない聖雪可愛い」

 自分でも実際はデレてると思っているらしく、聖雪は「うう~……」と恥ずかしそうに耳まで真っ赤にさせた。
 とても可愛らしいが、今は抱き締めるわけにはいかない。
 そんなことをしたら聖雪を濡らしてしまうのだから。

「兄さんは私を辱しめた罰として、帰ったら私に沢山温もりを与えてください」
「……それは罰になっていないのでは?」

 シスコンが妹といれるのだし、罰になることなんてない。

「こ、細かいことは気にしないでください。満足するまで止めてはダメですからね」
「まあ、いいけど」

 罰としてと言ってきたあたり、聖雪は中々素直になれないようだ。

「じゃあ、決まりですからね。早く帰りますよ」
「うん」

 二人は少し早足で家に帰るのだった。
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