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勘違い
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「んん~……」
深夜。誠也は中途半端な時間に起きてしまった。
そしていつもとは違う感覚を覚える。枕より少し硬いがとても温かい。
「そうか……膝枕してもらって寝たんだ……」
うつ伏せで寝ていたから気づかなかったが、今目の前にあるのは絢音の太もも。
何故だろう……絶対に枕より寝心地が悪いはずなのに、離れようと思えない。
「絢音?」
くるりと仰向けになってみると、絢音は丁度後ろにあったベッドを背もたれにして寝ていた。
時間を確認するともう日付が変わっており、何時間も膝枕をさせていたようだ。
長時間、人の頭を乗せていたのだから、絢音の足は痺れているだろう。
「んしょ……」
誠也は絢音のことを抱き抱え、ベッドの上に寝かせた。
思っていた以上に軽く、この体重で大丈夫なのか? と不安になってしまうほど。
でも、全然食べていないわけではないので、問題はないのだろう。
「可愛い……」
寝顔を見たのは初めてではないが、あまりにも可愛すぎて誠也は見惚れてしまった。
女優やモデル以上に整っており、アニメの世界から飛び出してきたんじゃないかと思えるほどだ。
これなら告白されるのも頷け、そんな絢音が幼馴染みなのだか、誠也は恵まれているだろう。
しかも趣味を共有し、本当にラブコメアニメの主人公のようだ。
誠也は絢音のことを単なる幼馴染みとしか思っていなく、付き合いたいとか考えたことがなかった。
でも、異性に興味を持たすために彼女になると言われて絢音とイチャイチャした時、少しだけこんな関係もいいなって思ってしまった自分がいる。
しかも絢音の方からイチャイチャを求めており、嫌がっている様子は一切ない。
いくら気の知れた幼馴染みと言っても、異性に興味を持たすという理由だけで絢音がこうもイチャイチャするなんて誠也にはとても思えなかった。
一年間で数え切れないほど告白されたのだから、誠也を偽装彼氏として男を近づけないようにしたというとこだろう。
そのついでに誠也を異性に興味を持たすためにイチャイチャしている……と考えている。
「お詫びにちゃんと彼氏役を演じるからね」
枕は絢音が使っているので、誠也は彼女を抱き枕代わりにして寝ることにした。
☆ ☆ ☆
(せ、誠くんに可愛いって言われました)
部屋が静まったのを確認した絢音は、先ほど言われた可愛いという言葉に反応して顔を真っ赤にさせた。
実は抱き抱えられた時に絢音は起きており、寝たふりをしていたのだ。
しかも今は誠也に抱き締められているので、絢音の身体は相当暑くなっている。
まだ春だというのに、まるで熱帯夜を過ごしているかのようだ。
暑いと言っても嫌ではなく、ずっとこうしていたい。
「でも、誠くんは私のことを好きじゃないんですね……私は誠くんのことが大好きなのに」
先ほどの発言からして、誠也は絢音のことを単なる幼馴染みとしか見ていないことがわかる。
好意はあるだろうが、それは幼馴染みとして。
そのことを実感してしまい、絢音は少し悲しそうな顔をする。
「同性の恋人を作るんですから、そうですよね」
写真に写っていた人は絢音も見たことがあり、学校で誠也が良く話している友人だ。
男性にしては髪は長めで中性的な顔立ち、華奢な体躯で、女装をしたら女性に見える。
どちらかと言うと誠也の方が彼氏に見え、彼氏が出来たと言ったのは同性の恋人だとわかるようにだろう。
ここ最近は女性向けの……しかも男性が多く出る漫画やラノベを読んでいたことで、彼のことが好きになったのかもしれない。
彼氏が出来たと言われた時に、フラれた気分になったと同時に絢音の頭にあることが過った。
異性に興味を持たすということを口実に、誠也と付き合うことが出来るんじゃないか……と。
ちゃんと告白をしないで付き合うという良くない方法だけど、無事にイチャイチャすることまで出来た。
絶対に異性に興味を持たせて、誠也と本当の恋人になってみせる。
「去年の嘘は……誠くんに振り向いてもらいたかったからついたんですけどね」
誠也に彼氏出来たというのが嘘だったらいいなと思うと、自分が去年ついた嘘のことを思い出す。
その嘘とは誠也に振り向いてもらいたくて、両親に協力してもらい絢音が倒れたということにしてもらったことだ。
前にラノベでヒロインが過労で倒れてしまい、主人公が病院で告白するというシーンを読み、それがドラマのクライマックスみたいで感動した。
どうしても誠也と付き合いと思った絢音は、エイプリルフールに倒れたという嘘をついた。
実際に風邪を引いていたということもあり、誠也はそのことを信じて相当心配してくれたようだ。
でも、嘘だとわかると誠也は絢音に激怒した。
そして「嘘で良かった……」と、誠也は泣きながら絢音のことを抱き締めた。
そんな誠也を見てはもう告白どころではない。
本当に申し訳なく、絶交まで覚悟したほどだ。
でも、誠也は今まで通り幼馴染みでいてくれて、今もこうして側にいてくれる。
あんな嘘をついてしまっては彼女になる資格なんてないと思い我慢していたが、彼氏が出来たと聞いて今のままの関係ではいけないと悟ってしまった。
同性同士の恋愛では結婚は出来ないが、いずれ異性を好きになるかもしれない。
そんなことを考えたらなりふり構っていられなく、異性に興味を持たすという名目で無理矢理彼女にしてもらった。
「絶対に好きって言わせてみせます。そのためにはいっぱいイチャイチャしないといけないですね」
抱き締められている幸せを味わいながら、絢音はまた夢の中に入っていった。
深夜。誠也は中途半端な時間に起きてしまった。
そしていつもとは違う感覚を覚える。枕より少し硬いがとても温かい。
「そうか……膝枕してもらって寝たんだ……」
うつ伏せで寝ていたから気づかなかったが、今目の前にあるのは絢音の太もも。
何故だろう……絶対に枕より寝心地が悪いはずなのに、離れようと思えない。
「絢音?」
くるりと仰向けになってみると、絢音は丁度後ろにあったベッドを背もたれにして寝ていた。
時間を確認するともう日付が変わっており、何時間も膝枕をさせていたようだ。
長時間、人の頭を乗せていたのだから、絢音の足は痺れているだろう。
「んしょ……」
誠也は絢音のことを抱き抱え、ベッドの上に寝かせた。
思っていた以上に軽く、この体重で大丈夫なのか? と不安になってしまうほど。
でも、全然食べていないわけではないので、問題はないのだろう。
「可愛い……」
寝顔を見たのは初めてではないが、あまりにも可愛すぎて誠也は見惚れてしまった。
女優やモデル以上に整っており、アニメの世界から飛び出してきたんじゃないかと思えるほどだ。
これなら告白されるのも頷け、そんな絢音が幼馴染みなのだか、誠也は恵まれているだろう。
しかも趣味を共有し、本当にラブコメアニメの主人公のようだ。
誠也は絢音のことを単なる幼馴染みとしか思っていなく、付き合いたいとか考えたことがなかった。
でも、異性に興味を持たすために彼女になると言われて絢音とイチャイチャした時、少しだけこんな関係もいいなって思ってしまった自分がいる。
しかも絢音の方からイチャイチャを求めており、嫌がっている様子は一切ない。
いくら気の知れた幼馴染みと言っても、異性に興味を持たすという理由だけで絢音がこうもイチャイチャするなんて誠也にはとても思えなかった。
一年間で数え切れないほど告白されたのだから、誠也を偽装彼氏として男を近づけないようにしたというとこだろう。
そのついでに誠也を異性に興味を持たすためにイチャイチャしている……と考えている。
「お詫びにちゃんと彼氏役を演じるからね」
枕は絢音が使っているので、誠也は彼女を抱き枕代わりにして寝ることにした。
☆ ☆ ☆
(せ、誠くんに可愛いって言われました)
部屋が静まったのを確認した絢音は、先ほど言われた可愛いという言葉に反応して顔を真っ赤にさせた。
実は抱き抱えられた時に絢音は起きており、寝たふりをしていたのだ。
しかも今は誠也に抱き締められているので、絢音の身体は相当暑くなっている。
まだ春だというのに、まるで熱帯夜を過ごしているかのようだ。
暑いと言っても嫌ではなく、ずっとこうしていたい。
「でも、誠くんは私のことを好きじゃないんですね……私は誠くんのことが大好きなのに」
先ほどの発言からして、誠也は絢音のことを単なる幼馴染みとしか見ていないことがわかる。
好意はあるだろうが、それは幼馴染みとして。
そのことを実感してしまい、絢音は少し悲しそうな顔をする。
「同性の恋人を作るんですから、そうですよね」
写真に写っていた人は絢音も見たことがあり、学校で誠也が良く話している友人だ。
男性にしては髪は長めで中性的な顔立ち、華奢な体躯で、女装をしたら女性に見える。
どちらかと言うと誠也の方が彼氏に見え、彼氏が出来たと言ったのは同性の恋人だとわかるようにだろう。
ここ最近は女性向けの……しかも男性が多く出る漫画やラノベを読んでいたことで、彼のことが好きになったのかもしれない。
彼氏が出来たと言われた時に、フラれた気分になったと同時に絢音の頭にあることが過った。
異性に興味を持たすということを口実に、誠也と付き合うことが出来るんじゃないか……と。
ちゃんと告白をしないで付き合うという良くない方法だけど、無事にイチャイチャすることまで出来た。
絶対に異性に興味を持たせて、誠也と本当の恋人になってみせる。
「去年の嘘は……誠くんに振り向いてもらいたかったからついたんですけどね」
誠也に彼氏出来たというのが嘘だったらいいなと思うと、自分が去年ついた嘘のことを思い出す。
その嘘とは誠也に振り向いてもらいたくて、両親に協力してもらい絢音が倒れたということにしてもらったことだ。
前にラノベでヒロインが過労で倒れてしまい、主人公が病院で告白するというシーンを読み、それがドラマのクライマックスみたいで感動した。
どうしても誠也と付き合いと思った絢音は、エイプリルフールに倒れたという嘘をついた。
実際に風邪を引いていたということもあり、誠也はそのことを信じて相当心配してくれたようだ。
でも、嘘だとわかると誠也は絢音に激怒した。
そして「嘘で良かった……」と、誠也は泣きながら絢音のことを抱き締めた。
そんな誠也を見てはもう告白どころではない。
本当に申し訳なく、絶交まで覚悟したほどだ。
でも、誠也は今まで通り幼馴染みでいてくれて、今もこうして側にいてくれる。
あんな嘘をついてしまっては彼女になる資格なんてないと思い我慢していたが、彼氏が出来たと聞いて今のままの関係ではいけないと悟ってしまった。
同性同士の恋愛では結婚は出来ないが、いずれ異性を好きになるかもしれない。
そんなことを考えたらなりふり構っていられなく、異性に興味を持たすという名目で無理矢理彼女にしてもらった。
「絶対に好きって言わせてみせます。そのためにはいっぱいイチャイチャしないといけないですね」
抱き締められている幸せを味わいながら、絢音はまた夢の中に入っていった。
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