古書堂にようこそ。 ~短編集~

紫の鯨

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素敵な恋花火

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「先生!好きです!」
「は?」
ここから、私、千春と先生の関係ははじまった。
といっても、私が一方的に追いかけている状態。
先生の名前は柏 すすむ(カシワ ススム)
科学の先生で、まったく体力がなく、
生徒からはすすむくんと呼ばれている。


ときは10月。文化祭の季節だ!


科学準備室。もう、なん十回も来てる。
何回も告白してる。
「すすむくーん!やっほー!」
「おまえ!また懲りずに...」
そそくさととなりの席にすわる。
「そういえば、さっき頑張ったご褒美にすすむくんから、チョコもらったっていう子がいたけどほんと!?」
私は目をキラキラさせながら言う。
「あげたよ。お前にはやらんけどな。」
「なんでよぉ!ちょーだい!」
…少しの沈黙。
「先生は私のこと好きじゃないの?
どうしていつも冷たいの。」
「今までも言ってきたが...」
いつにもなく真面目な顔ですすむくんがいう。
「俺は今、先生だから。」
何回も聞いた。
「そしてお前は俺を慕ってくれてる女の子である前に、大切な生徒だから。」
何回も聞いた。
「お前がちゃんと大人になっていくところを先生としてそばで見守って」
何回も聞いた。
「正しい方向に導いてやらなきゃダメなんだ。」
何回も聞いた。
「その障害になりたくないんだよ。」
何回も聞いた。
「...だから、もうここにはこないでくれ。」
............え?
「なんで!?」
「いまいった。障害になりたくないからだ。」
............私は泣きながら教室を飛び出す。


「...なんなんだよ。どうすればよかったんだ?」
「あのぉ...」
顔馴染みの教師の真木斗が入ってくる。
「いま、泣きながら千春さんが走っていきましたよ?どうしたんです?」
今までの話をする。
「は?いくら千春さんのためだからってそんな言い方するなんて。鬼畜。悪魔。外道。」
「おい!なんでタメ口なんだ。」
笑いながら真木斗がいう。
「いや、あまりにも酷かったので一瞬この人中学生かなと。」
「くっ...」
言い返せない。
「なぁ...俺は、何て言ったらよかったんだろうな。」
…苦笑いで俺は言う。
「...文化祭が近いですよね。」
「...は?」
ニヤリと真木斗がわらう。
「今からいいこと教えてあげます。」
そうして、真木斗は話し出す。


そして、文化祭最終日。
私は廊下で片付けをしていた。
(文化祭って最後に花火まで上がるのか。高校ってすごいな。)
私は心のなかで感心する。
(文化祭の時期がもう少し早かったら一緒に科学準備室で花火みれたりしたのかな。)
「千春!」
「すすむくん?」
目の前にはすすむくんがいた。
「なんでこんなところに。」
疑問をそのまま口にする。
「そりゃ、こっちの台詞だ。外までお前を探しにいったのに学校の中って...」
息を切らしながら言う。
「話したいことがある!」
「話したいことってまさか...またフリに来たの?2回目!?」
「俺は鬼か!」


「まずは、ごめん。」
すすむくんがいう。
「お前の気持ちを考えずに「こうした方がいい」っていう俺の価値観を擦り付けた。間違ってほしくないからってひどいこといった。本当にごめん。」
「謝らなくていいって。それに先生と生徒としてなら、すすむくんと話せるし、それだけで嬉しいよ。」
私は笑顔でいう。
「安心して。もう好きとかいってすすむくんを困らせたりしないから。」
笑顔でいう。
「それより、そとに花火見に行こうよ。早くしないと終わっちゃうよ。」
「千春!」


「好きでいていいよ。」
「え?」


「今は、どれだけお前のこと考えようとしても立場のことがあってそういう風にみることはできない。」
真剣な顔ですすむくんは言う。
「これは、お前の先生である限り変わらない。でも、先生とか生徒とかの立場がなくなってそれでもまだお前が俺を好きでいてくれるなら、その時は真剣に考える。」
真剣に言っている。
「だから、それでもお前が待つっていうなら、好きでいていい。」
「うん....」
私は泣いてしまう。
「待つ。絶対待つ。私、まだすすむくんのこと好きでいていいの?」
「うん。いいよ。」


そして、時は流れ新学期。
私の好きな人は私のクラスの担任になった。
これからもたくさん思い出を作っていきたい。


また、科学準備室。
「そういえば、オカルト部っていうのができたらしいよ?」
「ん?そんな部あったっけか?まぁ、悪さしなければいいだろ?」
「まぁ、そうだねww」
だけど、すすむくんはその夜オカルト部の三人を見つけることになる。
それはまた別のはなし。
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