初期ステータスが0!かと思ったら、よく見るとΩ(オメガ)ってなってたんですけどこれは最強ってことでいいんでしょうか?

夜ふかし

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18.エルフの村 その1

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「あそこの村に・・・師匠達が・・・住んでる」

俺達は、ラナの案内でエルフの村の近くまでやって来ていた。

「へぇ、あれがエルフの村か。でもエルフの村っていっても、村の周りが塀に囲まれている位で、見た目は普通の村とそう変わりないんだな。俺はてっきり、村に結界か何かが張ってあって、村が隠されていて見つからない!的なのを想像してたんだけど」

「発想力が豊かね。悪い意味で。そんなの現実的に考えてできるわけがないじゃない。それに」

リリスは俺の腰元にぶら下がっている物を指さした。

「こんなところにまで、お祭りで買った刀を腰にぶら下げてくるなんて。あんた、実戦でその刀をろくに使えなかったじゃないの」

「ん?あぁ、これの事か。まぁ、確かに実戦でこれを振り回してみても、まったく敵には当たらなかった。だけど、だけどだ、リリス君!男は旅の帯刀姿に憧れってやつがあるものなんだよ。刀を腰に下げてるだけで、自分かっこいいって思ってテンションが上がってくるんだ!なぁ、キュウも男だから分かってくれるよな?」

俺は、腰に下げた刀の柄に手をかけ、肩幅に足を広げ、居合抜きのポーズを決めては、キュウに同意を求めた。

「僕にはさっぱり共感できないね」

どうやら精霊には男のロマンは伝わらないようだ。

そんな俺達が、なぜ、このエルフの村にやって来る事になったのか。
それは昨日の事であった。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「さぁ、町への買い出し当番をどうやって決めようか?」

俺達は、町へ食料を買いに行く当番をどうするかテーブルを囲んで真剣に話し合っていた。

「順番交替っていうのも1つの手よね」

「お姉様・・・ナイス・・・アイデア。でも・・・スリル、ない」

「まぁそうだよな。なんかどうせならもっとゲーム的な要素も欲しいよな。簡単にできて勝負が決するようなもの、何かなかったかな?あっ、そうだ!」

俺は、前世で発明されていた単純明快で画期的なバトルゲーム、「じゃんけん」の存在を2人に話し、そのやり方を説明してみたところ、2人ともが大変興味を示し、俺達はじゃんけんで買い出し当番を決める事になった。

「さっき説明したとおり、じゃんけんはパーとグー!!とチョキのどれを出すかの駆け引きのバトルだからな。練習してみるか?」

「そんなのいらないわ。女なら1発勝負。もう出すものは決まっているもの」

「勝負は・・・もう、決している・・・」

「ほぉ、君達。練習なしでいいんだな?じゃん、けん、ぽん!のぽん!のタイミングで手を出すんだから間違えんなよ。それに1回勝負だからな!泣いてもう1回とか絶対やらないからな!!」

「わかったわ!」

「うむ・・・!」

ふっふっふっ。こういうのは、やる前から勝負が始まっているんだよ。1回勝負!って先に強く言うことで、初心者は力んでグーを出しやすい。それにさりげなくグーを強調した俺の緻密な作戦はもうすでに発動している。悪いがどっちか、買い出しに行ってきてちょんまげ!

「よし、じゃあ・・・いくぞ!せーっの!」

「「「じゃん、けん、・・・ぽん!!」」」

・・・・・・。

「トオル君。今日はどうしたんだい?」

2人して何が勝利のVサインだよ。

とか思ってやさぐれていると町の入り口に立っていたデールに声をかけられた。

「あっデールさん。こんにちは。今日は、罰ゲ・・・、俺が自分から立候補して、食料の買い出しにやってきたんです。あっ、そういえば先日、エルフの姉妹に俺達の屋敷の場所を案内して下さったみたいで、ありがとうございました!おかげ様で、2人とも屋敷に遊びに来れて、みんなで楽しい時間を過ごせました」

「そうかい!それはよかったよ。あの時は、黒いしっぽの子が、『キュウちゃーーーーん、どこにいるのじゃーー!』と町中を大声出して駆け回っていたんでね。つい、声をかけたんだ。そして話を聞いてみると、屋敷に引っ越したトオル君達の事を探しているんだと分かってね」

あいつが叫び回っている光景が容易にイメージできた。

「それにしても、元気でにぎやかな子だったね!もう1人の子は少し大人びていたけど。あっ、でも、噂が本当なら、あの子達は大丈夫だったのかな?」

「大丈夫って何がですか?しっぽが黒い方は超元気っ子なので大概のことは何でも大丈夫だと思うんですけど。それに噂って?」

俺は軽い調子で答えた。

「えっ?あ、そうか!トオル君達は屋敷にいるから・・・」

「あいつらに何かあったんですか?」

「・・・・・・。」

「もし、あいつらに何かあったなら教えてくれませんか?」

「あくまで噂だから、今トオル君に伝えるのもどうしようかと思ったんだけど。分かったよ。実は、あの子達が町に来ていた日の翌日に、エルフの村がモンスターに襲われて、エルフ族の族長が倒れてしまったという噂がこの町で流れていてね。それで、前に見た感じ、あの子達もエルフ族の子のようだったから・・・」

「えっ!・・・その噂は本当なんですか?」

「いや、それが本当かどうかはまだ分からないんだ。確かめようにも僕もここから動けないしね。ただ、この町にもエルフ族の者がいるから、もし噂が間違いなら、すぐに否定しているとは思うんだけどね・・・」

まさか、クロネ達が屋敷に遊びに来た翌日にそんな噂が流れていたとは。

「デールさん。噂でも教えてくれてありがとうございます!俺達、まったくそんな事知らなかったので」

「構わないよ。でも、君達まで危ないことに首をつっこんだりしたらダメだからね」

デールは心配してそう言ってくれた。

俺は買い出しを終えて屋敷に帰るとすぐにリリス達にデールから聞いた噂話を伝えた。

「えっ!そんな・・・」

みんなもやっぱり驚いている。

「俺達は、屋敷にいたからその噂が届かなかったみたいだ」

「あの子達大丈夫なのかしら?そういえば、クロネも確か自分で族長の娘だって前に言ってたような・・・?」

「師匠も・・・シロネも・・・族長の娘。リバーシル族長も・・・優しい人」

「そうか。村での付き合いがあったから、ラナは族長さんの事も知ってるんだな。噂が本当かどうかはまだわからないみたいなんだが、クロネ達の事が少し心配だな・・・」

この世界で出来た友達。
もし何か困っているなら力になってあげたい。

「クロネ達の所へ行ってみましょうよ!待ってるだけじゃ何も分からないし、行って何もなければそれでいいし。もし、噂が本当だったならこんな時にこそ力になってあげなくちゃ!だってあたし達はキュウちゃん大好き同盟だもの」

リリスも同じ思いだったようだ。

「最近・・・屋敷で・・・ごろごろ、してた。諜報員・・・失格!師匠達・・・心配。力になり、たい!」

もちろんラナも。

「黒いしっぽの子はいつもうるさいけど、たまには周りがうるさい方が良い夢を見れる事があるかもしれないしね。だから僕もついて行ってあげるよ」

びっくりした。キュウいつの間にか起きてたのか。
だがキュウも同行してくれるみたいだ。
キュウって実はツンデレ?

「ラナ、エルフの村の場所は分かってるのよね?」

「もはや・・・庭」

「よし、じゃあみんなでエルフの村に行ってみようぜ!」

一人ずつ順番に手を前に出した。
その手が重なっていき4つの手が重なった。

「よし、行くぞ-!」

「おー!」「えぇ!」「・・・お-」「・・・・・・」

ラナはワンテンポずれ、キュウは乗ってこなかった。

でも多分心は1つなはずだ!!

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

そして、現在に戻る。
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