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19.エルフの村 その2
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「よし、じゃあ早速、村の中に入ってみようぜ!」
と俺達がいざ村の入口に近づいてみると、さっき遠目からは見えなかったのだが、村の入口にはエルフ族らしき青年が見張りのように立っていた。その者は手に弓のようなものを持っている。
「おい!・・・お前達は何者だ!?」
その者に見つかるといきなり大声で怒鳴られた。
だいぶ空気がピリピリしているように感じられる。
「あっはい、はい!はじめまして!俺はスキトオルと申します。ここに一緒にいるのは同じパーティのメンバーです。俺達はクロスロードの町の方からやって来たんですが、決して、怪しい者ではございません。クロネとシロネの・・・えぇっと、・・・友達なんです!」
「うん?お前らがクロネ様とシロネ様の友達だと?それに自分で怪しい者じゃないと言う奴ほど怪しい者なんだ」
青年は眉をひそめてまじまじと俺達を見回している。
「で、お前達はここで一体何をしているんだ?」
「クロネとシロネに会いに来たんです。先日は2人が私達の屋敷に遊びに来てくれたので、今日は私達が2人に会いに来たんです」
少してんぱっていた俺の代わりにリリスが答えた。
「ふぅん。お前達がクロネ様とシロネ様の友達だという事が、本当かどうかはわからないけどな。でも、まぁそれもどうでもいい。どうせ今はお前達が友達でも怪しい奴でも、どちらにしろ、ここを通す事はできないんだからな。だから引き返してくれ」
「えっ?どうしてここを通して頂けないんですか?もしかして噂どおり、本当に村がモンスターに襲われてしまったから・・・ですか?」
「・・・。ん?お前は何を言っているんだ?村がモンスターに襲われたというような事実なんかはない。だが、今はここを通すことができない!だからほら、帰った帰った!」
「・・・私・・・」
ラナが俺達の前に出た。
そうか、村同士での付き合いがあるラナならもしかすると。
「ん?なんだ?あぁ、お前は見た事がある気がするな。だがしかし、今はエルフ族以外の者を通す事ができないんだ」
「クロネとシロネに一目だけでも会いたいんです!」
「ダメだと言ったらダメだ!今はとにかく村の中に入れるわけにはいかないんだ!」
どうやら2人に会う事どころか、村の中に入る事自体が難しいようだ。
「でも、俺達、せっかくここまで来て!・・・ん?」
急に後ろに下がったラナに服を引っ張られた。
ラナの方を見ると、無言で首を横に振っている。
「・・・わかりました。また、今度出直すようにします」
俺達は青年にそう言って、来た道を戻る事にした。
「うぅん・・・何か隠してるような感じがするな」
「そうね。でも村の中に入らないと何も分からないわね。それにどうにかして2人に会えないものかしら・・・?」
「僕の力が必要かい?」
そう言ったキュウの方を向くと、小さな手に小さな光が集まり出していた。
「おい・・・村自体を消滅させる気か!」
「冗談だよ。だけど、エルフ族っていうのは本来プライドが高い一族なんだ。だからもし、自分達の村が本当にモンスターに襲われていたとしても、エルフ族以外の者には決してその事を言わないだろうね」
「そうか。この世界にも見栄とかプライドとか、そんなくだらないものがあるんだな。せめて、クロネ達に直接会えでもしたら、今の状況が分かるかもしれないのにな」
「こっち・・・着いて・・・来て・・・!」
俺達は来た道を戻っていたのだが、急にラナがそう言い出すと、来た道を外れて、道の脇に生えてある大木めがけて、勢いよく進み出した。
「おい、ラナ!いきなりどうしたんだ?まさか、村に入れてもらえないショックで、気でも狂ってしまったんじゃ・・・?」
ラナは、大木にぶつかる手前で、脇の道にひゅっとそれて行った。
「こっちに・・・隠し・・・通路、ある」
「えっ!そんなのあるの?でもよく知ってたわね?」
「師匠と・・・作ったの」
ラナがクロネの弟子になったばかりの頃、クロネがエルフの村からいつでも抜け出せるよう、隠し通路を一緒に作ったのだという。ただし、最近は使っていなかったようで、奥に入るとその道は、道なき道と化していた。
「ここからは・・・トオルが、先頭」
険しい道にさしかかると、ラナは俺を先頭にした。木から乱雑に生えた枝が頭にガンガンぶつかり、その辺に転がっている岩に何度も足をぶつけながら進んで行った。
ラナは一体俺を何だと思っているんだろうか・・・
だが、この遠慮ない姿勢というのはラナの長所だと思う。
いつの間にか親心にも似た感情が芽生えていた。
「やっと着いた・・・ここから・・・村に、入れる」
到着したこの場所は、ちょうど村の入口から正反対の村の一番奥にあたるらしい。
「でも、ラナ。ここも塀に囲まれてしまっているけど一体どうやって中に入るの?」
「まか・・・せて」
ラナは、そう言ってグーに親指をたてると、村を囲っていた塀に近づき、塀を触診しだした。ポイントを確かめるように徐々に範囲を狭めていく。
「あった・・・ここ、だ・・・!」
ラナはそう呟くと、持っていたクナイを取り出し、持ち手の穴に人差し指を入れて、クナイをシュルルルっと回転させては、ピタッと止め、尖っているクナイの先でその見つけたポイントをトン!と突いた。
ポチ!
一瞬、何かのボタンを押したような音が聞こえたかと思えば、目の前の塀の一部分が片開きドアのようにゴゴゴゴッと音をたてて開き始めた。
「すげぇ!!なんだこれ!?」
「ラナ、まさか、これも忍術でやってるの?」
「これは・・・忍術じゃ・・・なく・・・からくり、遊び・・・ただの、お遊び」
おいおい!お遊びの方がクオリティ高ぇじゃねぇか!
だが、ここから村の内部に潜入する事ができそうだ!
と俺達がいざ村の入口に近づいてみると、さっき遠目からは見えなかったのだが、村の入口にはエルフ族らしき青年が見張りのように立っていた。その者は手に弓のようなものを持っている。
「おい!・・・お前達は何者だ!?」
その者に見つかるといきなり大声で怒鳴られた。
だいぶ空気がピリピリしているように感じられる。
「あっはい、はい!はじめまして!俺はスキトオルと申します。ここに一緒にいるのは同じパーティのメンバーです。俺達はクロスロードの町の方からやって来たんですが、決して、怪しい者ではございません。クロネとシロネの・・・えぇっと、・・・友達なんです!」
「うん?お前らがクロネ様とシロネ様の友達だと?それに自分で怪しい者じゃないと言う奴ほど怪しい者なんだ」
青年は眉をひそめてまじまじと俺達を見回している。
「で、お前達はここで一体何をしているんだ?」
「クロネとシロネに会いに来たんです。先日は2人が私達の屋敷に遊びに来てくれたので、今日は私達が2人に会いに来たんです」
少してんぱっていた俺の代わりにリリスが答えた。
「ふぅん。お前達がクロネ様とシロネ様の友達だという事が、本当かどうかはわからないけどな。でも、まぁそれもどうでもいい。どうせ今はお前達が友達でも怪しい奴でも、どちらにしろ、ここを通す事はできないんだからな。だから引き返してくれ」
「えっ?どうしてここを通して頂けないんですか?もしかして噂どおり、本当に村がモンスターに襲われてしまったから・・・ですか?」
「・・・。ん?お前は何を言っているんだ?村がモンスターに襲われたというような事実なんかはない。だが、今はここを通すことができない!だからほら、帰った帰った!」
「・・・私・・・」
ラナが俺達の前に出た。
そうか、村同士での付き合いがあるラナならもしかすると。
「ん?なんだ?あぁ、お前は見た事がある気がするな。だがしかし、今はエルフ族以外の者を通す事ができないんだ」
「クロネとシロネに一目だけでも会いたいんです!」
「ダメだと言ったらダメだ!今はとにかく村の中に入れるわけにはいかないんだ!」
どうやら2人に会う事どころか、村の中に入る事自体が難しいようだ。
「でも、俺達、せっかくここまで来て!・・・ん?」
急に後ろに下がったラナに服を引っ張られた。
ラナの方を見ると、無言で首を横に振っている。
「・・・わかりました。また、今度出直すようにします」
俺達は青年にそう言って、来た道を戻る事にした。
「うぅん・・・何か隠してるような感じがするな」
「そうね。でも村の中に入らないと何も分からないわね。それにどうにかして2人に会えないものかしら・・・?」
「僕の力が必要かい?」
そう言ったキュウの方を向くと、小さな手に小さな光が集まり出していた。
「おい・・・村自体を消滅させる気か!」
「冗談だよ。だけど、エルフ族っていうのは本来プライドが高い一族なんだ。だからもし、自分達の村が本当にモンスターに襲われていたとしても、エルフ族以外の者には決してその事を言わないだろうね」
「そうか。この世界にも見栄とかプライドとか、そんなくだらないものがあるんだな。せめて、クロネ達に直接会えでもしたら、今の状況が分かるかもしれないのにな」
「こっち・・・着いて・・・来て・・・!」
俺達は来た道を戻っていたのだが、急にラナがそう言い出すと、来た道を外れて、道の脇に生えてある大木めがけて、勢いよく進み出した。
「おい、ラナ!いきなりどうしたんだ?まさか、村に入れてもらえないショックで、気でも狂ってしまったんじゃ・・・?」
ラナは、大木にぶつかる手前で、脇の道にひゅっとそれて行った。
「こっちに・・・隠し・・・通路、ある」
「えっ!そんなのあるの?でもよく知ってたわね?」
「師匠と・・・作ったの」
ラナがクロネの弟子になったばかりの頃、クロネがエルフの村からいつでも抜け出せるよう、隠し通路を一緒に作ったのだという。ただし、最近は使っていなかったようで、奥に入るとその道は、道なき道と化していた。
「ここからは・・・トオルが、先頭」
険しい道にさしかかると、ラナは俺を先頭にした。木から乱雑に生えた枝が頭にガンガンぶつかり、その辺に転がっている岩に何度も足をぶつけながら進んで行った。
ラナは一体俺を何だと思っているんだろうか・・・
だが、この遠慮ない姿勢というのはラナの長所だと思う。
いつの間にか親心にも似た感情が芽生えていた。
「やっと着いた・・・ここから・・・村に、入れる」
到着したこの場所は、ちょうど村の入口から正反対の村の一番奥にあたるらしい。
「でも、ラナ。ここも塀に囲まれてしまっているけど一体どうやって中に入るの?」
「まか・・・せて」
ラナは、そう言ってグーに親指をたてると、村を囲っていた塀に近づき、塀を触診しだした。ポイントを確かめるように徐々に範囲を狭めていく。
「あった・・・ここ、だ・・・!」
ラナはそう呟くと、持っていたクナイを取り出し、持ち手の穴に人差し指を入れて、クナイをシュルルルっと回転させては、ピタッと止め、尖っているクナイの先でその見つけたポイントをトン!と突いた。
ポチ!
一瞬、何かのボタンを押したような音が聞こえたかと思えば、目の前の塀の一部分が片開きドアのようにゴゴゴゴッと音をたてて開き始めた。
「すげぇ!!なんだこれ!?」
「ラナ、まさか、これも忍術でやってるの?」
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