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伝説の武器編

102話 GAMBLER

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-機械都市ギュノス国 公営競売場オークション-

昨日のグラズヘイムの売上は1日の売上高で史上最高額4億8900万ゴールド。
国営賭博場カジノの売上も同様に記録的な物だったそうだ。

私達はそれぞれ歩合制の報酬と特別ボーナスに加え国営賭博場カジノより追加賞金も頂く。

Bチームの報酬合計金額は約2億5000万ゴールド。
マザーブレイン紹介の特別報酬とは言え、給料的にはかなり破格な金額だ。

ミカさん達Aチームは2日間で約69個の高難易度クエストを終了させて1億5000万ゴールド。
更にドロップアイテムと収集素材売却で7000万ゴールドを獲得していた。

元々の手持ち合計金額8億1500万ゴールドで3日前にDOSどっちゃん暗黒神ハーデスハーちゃんが出品した【シャランガーナ】と素材アイテムの売上が54億2300万ゴールド。

【シャランガーナ】は1件入札が有り50億ゴールドで落札されていた。

いったいどんな大富豪が購入したんだろう?
手数料等の諸経費を引いた合計獲得金額は約64億ゴールドとなった。

現在、【森羅万象しんらばんしょう】の入札件数は6件で29億ゴールド。
DOSどっちゃんの予想通り価格が上がっている。

最低でも2人、もしかしたら6人が競り合っている可能性が有る。
公営競売場オークションは競り合う人数が多ければ多い程、値段が釣り上がる。

勝負は最終入札時間10分前。

最終入札時間になると1度金額が固定される。

そこから10分間の間に金額が伏せられた状態で最終入札が行われ10分経過した段階で最大入札金額の人物が商品落札すると言うシステムだ。

残り時間は・・・4時間、DOSどっちゃんはまだ入札をしていない。
最後の10分まで此処で睨めっこになる。

「今33億ゴールドか、ギリギリで倍位の価格になったら最終入札で負ける可能性も有りますね。」

「皆!まだ4時間は有る。残りの時間出来るだけ稼ごう、全員で分担すれば1億ゴールド位稼げるかも知れない。DOSドスはここで待機していてくれ。」

「リボるか?」

「駄目でござる、一生マザーの奴隷になるでござるよ。」

暗黒神ハーデスハーちゃんが生贄になるの?」

「ふん、ⅢでもⅣでも生贄は商人と相場が決まっておる。」

何の話か良く分からないが「奴隷と言えばⅤでしょう。」と咲耶が言うと、DOSどっちゃんとサクラは大笑いをしていたから多分メジャーな会話なのだろう。

短時間で稼げるとなると・・・・国営賭博場カジノだ。

ゲームでは運と言うパラメーターは存在しない。
国営賭博場カジノはあくまでも確率勝負な側面が強かった。

しかしこの世界の私はかなり「運」の値が高いらしく、ギャンブルで稼いだ金額が高いのだ。
リアルで宝くじなんて当たった試しもないのに・・・

「私は国営賭博場カジノに行って来る!」

「シノブ殿、すっかり国営賭博場カジノにハマってしまったでござるな。」

私は1度ホテルに戻り、国営賭博場カジノに連絡を入れて迎えを寄越して貰う。

みそぎ感覚でホテルのシャワーを浴び、通常装備から戦場へ向かう為の黒いドレスへ着替え準備を整える。

ホテルの入口を出るとアナとレダがリムジンの前で既に待機していた。

「シノブ様、お待ちしておりました。」
「シノブ様、お待ちしておりました。」

寸分違わぬ揃った口調で出迎えてくれる。

双子でもないのにやたらとタイミングが揃っている。
日頃から揃える様に発声練習でもしているのだろうか。

私はドレスのスカートを翻し国営賭博場カジノへ颯爽と赴く。
私の強運を今こそ活かす時なのだ。

「・・・DOSどっちゃんの為に必ず勝つ。」





-機械都市ギュノス 国営賭博場カジノ「キャデラック」-

国営賭博場カジノの入口で【キラービー】こと美しい銀髪のプロギャンブラーシルビアさんと支配人ガドラさんが会話をしていた。

そして私に気付いた数名のお客さんがザワザワと集まり始めちょっとした賑わいの中心となっていた。

昨日までのグラズヘイムの短期アルバイトの話題が今も冷めやらぬ様で今日もお客様で賑わっている様だ。

「あら、大スターのご来店ね。丁度貴女シノブの話をしてたのよ。」

「おお!シノブ様ではございませんか。昨日は大変お世話になりました。」

ガドラが丁寧にお辞儀をしてシルビアさんが手を軽く振る。
昨日のイベント後ガドラさんには会ったが、シルビアさんは凄く久しぶりだ。

2人に事情を説明するとガドラさんが面白い提案をしてくれた。

シルビアさんと私の国営賭博場勝負カジノバトルを開催し、更に勝利者予想の賭けを行うと言う提案だ。

私は勝ち負けに関係無く、得た金額に加え時間収益金の一部を報酬としてくれると言う。
緊急国営賭博場勝負カジノバトルイベントを開催すると言う提案だった。

国営賭博場カジノにとっても集客に繋がる為、最終的に今後の利益になると言う。
シルビアさんの顔を見ると結構興味深々といった表情で腕組みをしている。

「面白そうね。シノブ、勝負してみましょうか?」」

「シルビアさんと勝負ですか。」

初期資金1000万メダルでスロット対決。

最初私がイベント的にカード対決を提案したのだが、シルビアさんに鼻で笑われガドラさんに引き止められる。

シルビアさんは勝負に手を抜くショービジネスは嫌いとハッキリと言い、彼女が認めているのは私の「強運」だけだと言われた。

確かに頭を使うカードゲームでは分が悪いのかも知れない。
プロギャンブラーのシルビアさんに言われると腹が立つより何故か納得してしまう。

結局2人分の初期投資1000万ゴールド分のメダルはゲスト出演料として国営賭博場カジノ持ちでスロット3時間勝負。

累計獲得金額の多い方が勝ちで資金ショートした時点で早期終了も有りと言うルールで勝負する事に決まった。

観客の勝敗予想の掛け金一口手数料50万メダル、掛け金合計にて倍率が算出される。
結局、国営賭博場カジノは損することが無い仕組みだそうだ、少し闇を感じる気がする。

オーナーAIもノリノリで受諾し早速、都市全域に緊急放送を行い緊急国営賭博場勝負カジノバトル開催を宣言したのであった。

回転率の偏りが無い様に新型のスロットマシーンが用意され、特設会場が約20分で造られる。

なんか手際が良すぎる様な気がするんだけどシルビアさんとガドラさんって最初から何か企んでいたんじゃないだろうか?

妙にニコニコする2人を不審に思いながら勝負開始10分前となった。

「どちらの運が強いかな、1度勝負してみたかったのよ。ジャックポッドは他のスロットで溜まっている合計金額を適応してくれるそうだ。」

「負けませんよ。私も一度はジャックポッドした事有りますからね!」

急遽決まった国営賭博場勝負カジノバトル、どうなる事やら。

まぁマイナスに一切ならないギャンブルだから負けても問題はないけど、シルビアさんに負けない気持ちは無いと言ったら嘘になる。

・・・いや多分勝ちたいんだ。
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