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百鬼夜行編
157話 百鬼夜行
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地響きと共に北東方面の外壁が徐々に崩れ複数の多数の妖が出現し第1フェイズが始まる。
それは玄武神社の防衛が失敗した事を意味する。
暗黒神ハーデスは「予定講和だ気にするな。」とドライな発言をしていたが、城の防衛に残った侍部隊の表情は硬い。
ホウシェン城はそのまま戦場となり各所で乱戦が始まる。
有名所では「烏天狗」や「のっぺら坊」、「一つ目小僧」に「河童」等が出現する。
後は「付喪神」と形容される様な妖が多数出現する。
拘束を得意とする「一反木綿」、ボロボロの傘を模した「笠化け」等道具や武器といった形状の妖が複数体登場して来る。
「侍共邪魔ですね、乱雑に交戦されると【神ノ雷】が打てません。」
昔と違い敵味方関係無く戦っていた倒していた咲耶とは少し違う、きちんと状況を把握して空気を読んでいる様だ。
このレイドクエストは天候が「雷雲」と言う状態で電撃系の特殊技能や魔法の威力が上昇する地形効果が適応される。
咲耶の【雷槌ミョルニル】での攻撃や暗黒神ハーデスが持つ電撃魔法最強の極大攻撃魔法【マジクアンダイン】のダメージが1.5倍以上になる為、高火力要因として活躍出来るクエストなのだ。
第1フェイズはトリッキーな動きをする妖が多く出現するが強さ自体はフィールドモンスターと大差は無い。
城の防衛に当たっている侍や忍衆でも普通に討伐出来る強さとなっている。
いつの間にか拘束を解いた天帝も高笑いをしながら戦闘に参加していた。
天帝は城の本丸に拘束されてアルラトと部下の侍が護衛していたはずだけど・・・?
やはりただの戦闘狂なんじゃないだろうか?
内政を丸投げしてクーデター起こされているんじゃないかと真剣に考えてしまう。
比較的被害も少なく第1フェイズを終え、負傷者を後方に下げる。
「負傷者は城まで後退、回復魔法の使える陰陽師は負傷者の手当をお願いします!」
「第2波が来る!油断するなよ!」
暫くすると周囲を取り巻く空気が重くなる感覚が漂い始め、第2フェイズが始まる。第2フェイズは有名所の妖が出現してくる。
【石化の魔眼】を使用する「輪入道」、火炎攻撃を得意とする「鬼火」や「狐火」。
土属性攻撃をする「泥田坊」に魔法を使い総合的能力が高い「天狗」等が出現し難易度が跳ね上がり、ここからは城に常駐する状態異常耐性の低い侍部隊は戦闘に付いてこれなくなり始める。
「コイツら妖術を!?くっ!下がるぞ!ぐっ!?」
「うわぁぁ!い、石だ!石になっている!?」
魔法耐性や状態異常耐性の低い者が妖の攻撃に翻弄され、戦場が一気に後退する。
「耐性の低い者は城まで下がれ!我は暴れさせて貰うぞ!」
暗黒神ハーデスが雷撃を纏いながら叫ぶと周囲で戦闘していた侍達が少しずつ後退して行くのが見える。
「私も少しストレスを感じていた所です、暴れさせて貰いますよ!」
咲耶も【雷槌ミョルニル】を掲げ【神ノ雷】を使う態勢に入る。
「がっはっは!ワシも物足りんと感じていた所ぞ!」
天帝までも乗りに乗っている。
しかもサクラの真似をして二刀流装備で挑む様だ。
まぁあの人強いし第2フェイズは放置してても大丈夫だろう。
咲耶と暗黒神ハーデスが左右に分かれ、広範囲電撃攻撃を開始し始める。
戦場の妖全てを包み込む様な巨大な8対雷柱と電撃の龍が地面を抉りながら周囲を暴れ回る。
「うおぉぉぉお!凄いのう!!あの女子達もやりおる!!取りこぼしはワシの獲物じゃ!!」
それを見て天帝は大はしゃぎでダメージを負った妖共を自身の剣技で屠って行く。
妖は城を取り囲む様に広がり始め、私達もそれに合わせて配置が分散していく。
私達は特に苦戦する事も無く第2フェイズを終える。
現在と討伐数は95匹、残り大型の妖が4匹とボスの空亡のみだ。
「おい、オッサンはもう下がってるでござる!次から大型のヤツが来る!」
「無用な心配だ!ワシはまだまだ余裕!」
「駄目だコイツ!早く何とかしないと!シノブ殿、暗殺特殊技能でサクっと頼むでござる!」
「やだよ、犯罪者印付いちゃうじゃん!」
「その時は拙者が嫁に貰って一生食わせて行くでござる!」
「なおの事、お断りします!」
「酷いでござる!」
馬鹿なやり取りをしている間に東北の方角から巨大な足音が聞こえ始める。
中庭のこの場所からでも見える巨大な姿をした妖が迫って来る。
全長10メートル以上は有る「餓邪髑髏」、赤く見える妖気を粒を纏い金色の輝きを放つ美しい毛並みで空を舞う「九尾の狐」。
巨大な人型でその姿は進●の巨人を思わせる「大太法師」、宙を舞う腐ったミイラの様な顔だけの妖「大首」が近付いてくる。大型妖怪のオンパレードだ。
「空中戦が必要な九尾と大首はDOSとハーデスに任せます!人型の妖は私とサクラと咲耶とシノブで対処する!」
ミカさんも敢えて天帝には触れない様に指示を出す、妖の攻撃で死んだら事故だと思うしかない。
ミカさんの盾で復活出来ると思うし問題無いか。
餓邪髑髏と大太法師はただのデカブツに過ぎない。
体力量が多く物理攻撃力が高いだけだ。
しかも不死種の性質を持つ餓邪髑髏は聖属性攻撃補正の有るミカさんと聖職者系上位職のアークビショップの咲耶なら余裕で倒せるだろう。
「咲耶いきましょう!」
「了解です!ボッチは2人に任せますよ!」
「了解!」「まかせるでござる!」
「がっはっは!余も戦わせて貰うぞ!」
ミカさんの装備する聖属性攻撃力3倍補正の【ウリエガノン】の攻撃は凄まじく、1撃で餓邪髑髏の両足を両断し消滅させる。
咲耶の聖属性攻撃も1撃で片方の腕を容易に捥ぎ取る威力を放つ。
こちらも負けていられない。
「サクラ!私は眼を狙うから!」
「了解でござる!オッサン、シノブに続くぞ!」
「オッサンと言うな!あなた様とか旦那様と呼べ!そして嫁に来い!手打ちに居たすぞ!」
「断る!!!オッサン行くぞ!」
サクラと示し合わせ速攻を掛ける。
部位破壊をせず弱点の頭部と心臓の有る胸部下部分に集中攻撃を行う。
私は四つん這いの大太法師の腕を走り上がり高く跳躍し、両目を二刀流【不知火】で斬り刻む。
大太法師が痛がり両手で血だらけの目を抑え、奇声を上げながら膝を地面に付いた状態で仰け反る。
大きく開いた胸部に目掛けサクラ達が【縮地】で突進する。
天帝も【縮地】を使いサクラの攻撃に上手く合わせ4本の刀で深く心臓を貫く。
断末魔の叫びと共に大太法師は倒れ消滅する。
ほぼ同時に少し離れた場所で餓邪髑髏も崩れ落ち消滅した。
それは玄武神社の防衛が失敗した事を意味する。
暗黒神ハーデスは「予定講和だ気にするな。」とドライな発言をしていたが、城の防衛に残った侍部隊の表情は硬い。
ホウシェン城はそのまま戦場となり各所で乱戦が始まる。
有名所では「烏天狗」や「のっぺら坊」、「一つ目小僧」に「河童」等が出現する。
後は「付喪神」と形容される様な妖が多数出現する。
拘束を得意とする「一反木綿」、ボロボロの傘を模した「笠化け」等道具や武器といった形状の妖が複数体登場して来る。
「侍共邪魔ですね、乱雑に交戦されると【神ノ雷】が打てません。」
昔と違い敵味方関係無く戦っていた倒していた咲耶とは少し違う、きちんと状況を把握して空気を読んでいる様だ。
このレイドクエストは天候が「雷雲」と言う状態で電撃系の特殊技能や魔法の威力が上昇する地形効果が適応される。
咲耶の【雷槌ミョルニル】での攻撃や暗黒神ハーデスが持つ電撃魔法最強の極大攻撃魔法【マジクアンダイン】のダメージが1.5倍以上になる為、高火力要因として活躍出来るクエストなのだ。
第1フェイズはトリッキーな動きをする妖が多く出現するが強さ自体はフィールドモンスターと大差は無い。
城の防衛に当たっている侍や忍衆でも普通に討伐出来る強さとなっている。
いつの間にか拘束を解いた天帝も高笑いをしながら戦闘に参加していた。
天帝は城の本丸に拘束されてアルラトと部下の侍が護衛していたはずだけど・・・?
やはりただの戦闘狂なんじゃないだろうか?
内政を丸投げしてクーデター起こされているんじゃないかと真剣に考えてしまう。
比較的被害も少なく第1フェイズを終え、負傷者を後方に下げる。
「負傷者は城まで後退、回復魔法の使える陰陽師は負傷者の手当をお願いします!」
「第2波が来る!油断するなよ!」
暫くすると周囲を取り巻く空気が重くなる感覚が漂い始め、第2フェイズが始まる。第2フェイズは有名所の妖が出現してくる。
【石化の魔眼】を使用する「輪入道」、火炎攻撃を得意とする「鬼火」や「狐火」。
土属性攻撃をする「泥田坊」に魔法を使い総合的能力が高い「天狗」等が出現し難易度が跳ね上がり、ここからは城に常駐する状態異常耐性の低い侍部隊は戦闘に付いてこれなくなり始める。
「コイツら妖術を!?くっ!下がるぞ!ぐっ!?」
「うわぁぁ!い、石だ!石になっている!?」
魔法耐性や状態異常耐性の低い者が妖の攻撃に翻弄され、戦場が一気に後退する。
「耐性の低い者は城まで下がれ!我は暴れさせて貰うぞ!」
暗黒神ハーデスが雷撃を纏いながら叫ぶと周囲で戦闘していた侍達が少しずつ後退して行くのが見える。
「私も少しストレスを感じていた所です、暴れさせて貰いますよ!」
咲耶も【雷槌ミョルニル】を掲げ【神ノ雷】を使う態勢に入る。
「がっはっは!ワシも物足りんと感じていた所ぞ!」
天帝までも乗りに乗っている。
しかもサクラの真似をして二刀流装備で挑む様だ。
まぁあの人強いし第2フェイズは放置してても大丈夫だろう。
咲耶と暗黒神ハーデスが左右に分かれ、広範囲電撃攻撃を開始し始める。
戦場の妖全てを包み込む様な巨大な8対雷柱と電撃の龍が地面を抉りながら周囲を暴れ回る。
「うおぉぉぉお!凄いのう!!あの女子達もやりおる!!取りこぼしはワシの獲物じゃ!!」
それを見て天帝は大はしゃぎでダメージを負った妖共を自身の剣技で屠って行く。
妖は城を取り囲む様に広がり始め、私達もそれに合わせて配置が分散していく。
私達は特に苦戦する事も無く第2フェイズを終える。
現在と討伐数は95匹、残り大型の妖が4匹とボスの空亡のみだ。
「おい、オッサンはもう下がってるでござる!次から大型のヤツが来る!」
「無用な心配だ!ワシはまだまだ余裕!」
「駄目だコイツ!早く何とかしないと!シノブ殿、暗殺特殊技能でサクっと頼むでござる!」
「やだよ、犯罪者印付いちゃうじゃん!」
「その時は拙者が嫁に貰って一生食わせて行くでござる!」
「なおの事、お断りします!」
「酷いでござる!」
馬鹿なやり取りをしている間に東北の方角から巨大な足音が聞こえ始める。
中庭のこの場所からでも見える巨大な姿をした妖が迫って来る。
全長10メートル以上は有る「餓邪髑髏」、赤く見える妖気を粒を纏い金色の輝きを放つ美しい毛並みで空を舞う「九尾の狐」。
巨大な人型でその姿は進●の巨人を思わせる「大太法師」、宙を舞う腐ったミイラの様な顔だけの妖「大首」が近付いてくる。大型妖怪のオンパレードだ。
「空中戦が必要な九尾と大首はDOSとハーデスに任せます!人型の妖は私とサクラと咲耶とシノブで対処する!」
ミカさんも敢えて天帝には触れない様に指示を出す、妖の攻撃で死んだら事故だと思うしかない。
ミカさんの盾で復活出来ると思うし問題無いか。
餓邪髑髏と大太法師はただのデカブツに過ぎない。
体力量が多く物理攻撃力が高いだけだ。
しかも不死種の性質を持つ餓邪髑髏は聖属性攻撃補正の有るミカさんと聖職者系上位職のアークビショップの咲耶なら余裕で倒せるだろう。
「咲耶いきましょう!」
「了解です!ボッチは2人に任せますよ!」
「了解!」「まかせるでござる!」
「がっはっは!余も戦わせて貰うぞ!」
ミカさんの装備する聖属性攻撃力3倍補正の【ウリエガノン】の攻撃は凄まじく、1撃で餓邪髑髏の両足を両断し消滅させる。
咲耶の聖属性攻撃も1撃で片方の腕を容易に捥ぎ取る威力を放つ。
こちらも負けていられない。
「サクラ!私は眼を狙うから!」
「了解でござる!オッサン、シノブに続くぞ!」
「オッサンと言うな!あなた様とか旦那様と呼べ!そして嫁に来い!手打ちに居たすぞ!」
「断る!!!オッサン行くぞ!」
サクラと示し合わせ速攻を掛ける。
部位破壊をせず弱点の頭部と心臓の有る胸部下部分に集中攻撃を行う。
私は四つん這いの大太法師の腕を走り上がり高く跳躍し、両目を二刀流【不知火】で斬り刻む。
大太法師が痛がり両手で血だらけの目を抑え、奇声を上げながら膝を地面に付いた状態で仰け反る。
大きく開いた胸部に目掛けサクラ達が【縮地】で突進する。
天帝も【縮地】を使いサクラの攻撃に上手く合わせ4本の刀で深く心臓を貫く。
断末魔の叫びと共に大太法師は倒れ消滅する。
ほぼ同時に少し離れた場所で餓邪髑髏も崩れ落ち消滅した。
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