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異世界崩壊編 前編
171話 RE:クリスタルタワー
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-機械都市ギュノス国 クリスタルタワー-
約1日を掛けて約3000体以上の機械兵を破壊し、青紫色に輝くクリスタルタワーの階段下まで到着した。
なるべく戦闘を回避出来るルートを探しながら迂回したせいで無駄に時間を費やしてしまった。
量産されたドローン型空戦機械兵と戦闘を繰り広げながら長い長い階段を登り切ると、頂上のクリスタルタワー付近には大量の冒険者と衛兵達の死体と機械兵の残骸の山が積み上げられていた。
余りに酷い光景に思わず嘔吐する。
この戦いが終わり次第、ミカさんの持つ「ヒルドルの盾」で蘇生が出来るはずだ。
深呼吸と精神統一を行い立ち上がる。
「・・・ごめん、もう大丈夫だから。」
「乱戦だったのでござろう。仇は必ず取るでござる。」
既に破壊され開放された正面入り口からクリスタルタワー内部へと侵入する。
内部も敵勢反応で真っ赤に染まっておりダンジョン構造となっている通路内は多数の機械兵で埋め尽くされていた。
直線通路ではDOSの武器特性の「貫通」が活き、一撃の弾丸で40体以上の機械兵を一気に破壊すると言う効率的な戦闘を繰り広げ下層まで降りて行った。
アルラト以外の全員の揃った「深紅の薔薇」の強さと連携は凄まじく、以前潜入し苦戦した時よりも強化された複数の量産型の守護機械兵を次々に薙ぎ倒し最下層手前の開けたフロアへと到着した。
私達はそこで恐ろしい光景を目にする。
そこには3体の赤いカラーリングのDOSそっくりの機械兵が待機していた。
戦闘エリアに侵入して無いせいか、未だ襲って来る素振りは無かった。
「以前アビスダンジョンでは5体出て来ましたよね。」
アビスダンジョン20階層でのアルラト戦、第一形態がDOSのコピー5体だった。
その後アルラトが仲間になったんだっけ?
何だか懐かしい。
アルラトは今、何を思っているのだろう。
「今回は3体でござるな。ミカエルも居るし楽勝だろう。」
「アビスダンジョンで5体出たのですか?」
「そうか、ミカさんは知らないよね。アルラトと初めて戦った時にDOSの能力をコピーした5体と私達は戦った事が有るんだよ。それとクリスタルタワーで操られた本物のDOSと戦ったのもこのフロアだったね。」
「ええ、あの時は不覚だった。今回は対機械操作系ジャミング装備を着けているので特殊技能は効かないので安心してくれ。それよりも・・・皆、油断するなヤツの武器を見ろ。」
DOSが偽物の3体を親指で指差し説明する。
なんと3体共に以前DOSが主力武器として装備していた長銃【シャランガーナ】を装備していた。
「偽者の中央のは以前私が使っていた強化カスタマイズされた本物だ。脇の2人はコピー品だろう。しかし、以前のアルラト戦と違い全員が【イグナイトストライク】を使えるかも知れない。」
中央の司令官的なポジションの偽DOSの装備は公営競売場に出品し落札された超強化【シャランガーナ】に間違いないらしい。
両脇のはコピー品だとしても素の攻撃力は長銃の中でも2番目の攻撃力を誇る程のレア装備だ。
しかもアビスダンジョンでは【イグナイトストライク】を使う事が出来ない状態のDOSをコピーしていた為、使われる事は無かったが今回は使える事を想定した方が良いと釘を刺した。
アビスダンジョンのヤツよりも確実に強いと断言していた。
DOSが元自身の武器を装備した中央の偽者を引き受けると宣言し、電撃系の特殊技能の使える暗黒神ハーデスと咲耶をメインに私達がフォローすると言う作戦で戦う事となった。
「マザーブレインの従者が購入していたとはな、全く皮肉な物だ。共に戦って来たあの武器は私がこの手で回収します。皆もくれぐれも気を付けてくれ。」
DOSが少しだけ気合を入れた様に見えた。
表情は変わらないけど、口調の強さで伝わって来る。
「分かりました、任せましたよ。皆も最強の特殊技能はマザーブレインまで温存して下さい。」
「視覚外から最強の流れ弾が飛んでくる可能性が有るのが怖いですね。」
「【イグナイトストライク】はミカさんなら耐えれそうだけど、ヘッドショットを喰らったら多分良くて瀕死だからね。気を付けないと。」
私達は武器を構え、ゆっくりと前進する。
部屋の中央に近付くと前方の偽DOSの3体が一斉に機動したのか眼部が怪しく光る。
私達が戦闘エリアへの侵入したのを確認し銃を構える。
暗黒神ハーデスが電撃系最強の極大攻撃魔法【マジクアンダイン】を発動し先制攻撃を仕掛ける。
それを回避する為に3体の偽DOSがバラけると同時に戦闘が開始された。
私は何度かの攻撃を受け実感する。
偽DOSの身体能力は、恐らくDOS本人よりも高い。
サクラの通常攻撃程度なら素手で受け止める防御力を持ち、1番素早さの高い私の攻撃を簡単に回避出来る素早さを保有している。
しかし連携と言う面で劣るのは明白で遠距離装備のスナイパーに対して近距離連携攻撃を仕掛ける私達の敵ではない。
ミカさんが【セイクルレイ】で牽制し咲耶が【雷槌ミョルニル】の電撃打撃で目標地点に追い込み、サクラの【十文字刹那・極】で大ダメージを与える。
もう1体の制御は私と暗黒神ハーデスの役目だ。
私が分身体と連続攻撃で戦っている所に、私ごと【マジクアンダイン】を当てて貰うと言う強引で変則的な作戦だ。
魔法防御力の高い防具のお陰で実現する力技である。
回避をしないので結構痛いんだけどね、最初から喰らうと覚悟をしている分耐える事は出来る。
1体が深手を負った状態の時に2体同時に【イグナイトストライク】を放ってきた。
咲耶の掛けた二重の物理防壁を軽く貫通し破壊。
1発が私の左腕の肩を貫通し、もう1発が暗黒神ハーデス腹部に直撃し瀕死の状態となる。
焼ける様な痛みが左腕全体を襲う。
痛みも有るが忍者最強防具の【神衣カヴァーチャ】をあっさり貫通する威力に驚く。
即座に咲耶が暗黒神ハーデスに回復魔法を掛け体制を立て直す。
大技を放った瞬間に大きな隙が出来る。
ミカさんが深手をを負った偽DOSの後方から胸を剣で貫き、正面からサクラが首を跳ねて倒した。
【イグナイトストライク】を撃ち終えた残り1体に対して私達は5人は連携と言う圧倒的戦力差を持って倒した。
DOSの方は身体能力の差を自身のプレイヤースキルで埋め、武器攻撃力の圧倒的な差で無傷で戦っている様だった。
私達も参加しようとしたがDOSがそれを退け、一騎打ちをすると言った。
自分のコピーが秘密裏に作られていた事と自分の武器を装備させると言う悪趣味な事をしていたのが彼の逆鱗に触れたのかも知れない。
彼の攻撃は偽DOSの四肢を削ぐ様に少しずつ部位破壊している。
不意に偽DOSが距離を詰めたかと思った瞬間、敵の【イグナイトストライク】が発動した。
その瞬間に合わせる様にDOSの長銃【アグネイヤ】からも銃弾が発射される。
互いの銃弾が交差する様にギリギリで擦れ違いレーザーの様に見える銃弾の軌跡がDOSの右肩を破壊。
DOSの放った弾丸は【イグナイトストライク】に接触し起動がズレた様に見えたが、偽DOSの頭部を一撃で吹き飛ばし決着した。
軌道がズレる事も計算に入れて頭部破壊をしたのだろう、凄く計算された射撃精度に改めて驚かされる。
流石に全員が無傷とはいかなかったが私達は勝利した。
DOSは咲耶に怪我を治して貰い、ドロップアイテムとして【シャランガーナ】を回収した。
元愛機を眺めるDOSの横顔は無表情ながらも、私には嬉しそうに見えた。
約1日を掛けて約3000体以上の機械兵を破壊し、青紫色に輝くクリスタルタワーの階段下まで到着した。
なるべく戦闘を回避出来るルートを探しながら迂回したせいで無駄に時間を費やしてしまった。
量産されたドローン型空戦機械兵と戦闘を繰り広げながら長い長い階段を登り切ると、頂上のクリスタルタワー付近には大量の冒険者と衛兵達の死体と機械兵の残骸の山が積み上げられていた。
余りに酷い光景に思わず嘔吐する。
この戦いが終わり次第、ミカさんの持つ「ヒルドルの盾」で蘇生が出来るはずだ。
深呼吸と精神統一を行い立ち上がる。
「・・・ごめん、もう大丈夫だから。」
「乱戦だったのでござろう。仇は必ず取るでござる。」
既に破壊され開放された正面入り口からクリスタルタワー内部へと侵入する。
内部も敵勢反応で真っ赤に染まっておりダンジョン構造となっている通路内は多数の機械兵で埋め尽くされていた。
直線通路ではDOSの武器特性の「貫通」が活き、一撃の弾丸で40体以上の機械兵を一気に破壊すると言う効率的な戦闘を繰り広げ下層まで降りて行った。
アルラト以外の全員の揃った「深紅の薔薇」の強さと連携は凄まじく、以前潜入し苦戦した時よりも強化された複数の量産型の守護機械兵を次々に薙ぎ倒し最下層手前の開けたフロアへと到着した。
私達はそこで恐ろしい光景を目にする。
そこには3体の赤いカラーリングのDOSそっくりの機械兵が待機していた。
戦闘エリアに侵入して無いせいか、未だ襲って来る素振りは無かった。
「以前アビスダンジョンでは5体出て来ましたよね。」
アビスダンジョン20階層でのアルラト戦、第一形態がDOSのコピー5体だった。
その後アルラトが仲間になったんだっけ?
何だか懐かしい。
アルラトは今、何を思っているのだろう。
「今回は3体でござるな。ミカエルも居るし楽勝だろう。」
「アビスダンジョンで5体出たのですか?」
「そうか、ミカさんは知らないよね。アルラトと初めて戦った時にDOSの能力をコピーした5体と私達は戦った事が有るんだよ。それとクリスタルタワーで操られた本物のDOSと戦ったのもこのフロアだったね。」
「ええ、あの時は不覚だった。今回は対機械操作系ジャミング装備を着けているので特殊技能は効かないので安心してくれ。それよりも・・・皆、油断するなヤツの武器を見ろ。」
DOSが偽物の3体を親指で指差し説明する。
なんと3体共に以前DOSが主力武器として装備していた長銃【シャランガーナ】を装備していた。
「偽者の中央のは以前私が使っていた強化カスタマイズされた本物だ。脇の2人はコピー品だろう。しかし、以前のアルラト戦と違い全員が【イグナイトストライク】を使えるかも知れない。」
中央の司令官的なポジションの偽DOSの装備は公営競売場に出品し落札された超強化【シャランガーナ】に間違いないらしい。
両脇のはコピー品だとしても素の攻撃力は長銃の中でも2番目の攻撃力を誇る程のレア装備だ。
しかもアビスダンジョンでは【イグナイトストライク】を使う事が出来ない状態のDOSをコピーしていた為、使われる事は無かったが今回は使える事を想定した方が良いと釘を刺した。
アビスダンジョンのヤツよりも確実に強いと断言していた。
DOSが元自身の武器を装備した中央の偽者を引き受けると宣言し、電撃系の特殊技能の使える暗黒神ハーデスと咲耶をメインに私達がフォローすると言う作戦で戦う事となった。
「マザーブレインの従者が購入していたとはな、全く皮肉な物だ。共に戦って来たあの武器は私がこの手で回収します。皆もくれぐれも気を付けてくれ。」
DOSが少しだけ気合を入れた様に見えた。
表情は変わらないけど、口調の強さで伝わって来る。
「分かりました、任せましたよ。皆も最強の特殊技能はマザーブレインまで温存して下さい。」
「視覚外から最強の流れ弾が飛んでくる可能性が有るのが怖いですね。」
「【イグナイトストライク】はミカさんなら耐えれそうだけど、ヘッドショットを喰らったら多分良くて瀕死だからね。気を付けないと。」
私達は武器を構え、ゆっくりと前進する。
部屋の中央に近付くと前方の偽DOSの3体が一斉に機動したのか眼部が怪しく光る。
私達が戦闘エリアへの侵入したのを確認し銃を構える。
暗黒神ハーデスが電撃系最強の極大攻撃魔法【マジクアンダイン】を発動し先制攻撃を仕掛ける。
それを回避する為に3体の偽DOSがバラけると同時に戦闘が開始された。
私は何度かの攻撃を受け実感する。
偽DOSの身体能力は、恐らくDOS本人よりも高い。
サクラの通常攻撃程度なら素手で受け止める防御力を持ち、1番素早さの高い私の攻撃を簡単に回避出来る素早さを保有している。
しかし連携と言う面で劣るのは明白で遠距離装備のスナイパーに対して近距離連携攻撃を仕掛ける私達の敵ではない。
ミカさんが【セイクルレイ】で牽制し咲耶が【雷槌ミョルニル】の電撃打撃で目標地点に追い込み、サクラの【十文字刹那・極】で大ダメージを与える。
もう1体の制御は私と暗黒神ハーデスの役目だ。
私が分身体と連続攻撃で戦っている所に、私ごと【マジクアンダイン】を当てて貰うと言う強引で変則的な作戦だ。
魔法防御力の高い防具のお陰で実現する力技である。
回避をしないので結構痛いんだけどね、最初から喰らうと覚悟をしている分耐える事は出来る。
1体が深手を負った状態の時に2体同時に【イグナイトストライク】を放ってきた。
咲耶の掛けた二重の物理防壁を軽く貫通し破壊。
1発が私の左腕の肩を貫通し、もう1発が暗黒神ハーデス腹部に直撃し瀕死の状態となる。
焼ける様な痛みが左腕全体を襲う。
痛みも有るが忍者最強防具の【神衣カヴァーチャ】をあっさり貫通する威力に驚く。
即座に咲耶が暗黒神ハーデスに回復魔法を掛け体制を立て直す。
大技を放った瞬間に大きな隙が出来る。
ミカさんが深手をを負った偽DOSの後方から胸を剣で貫き、正面からサクラが首を跳ねて倒した。
【イグナイトストライク】を撃ち終えた残り1体に対して私達は5人は連携と言う圧倒的戦力差を持って倒した。
DOSの方は身体能力の差を自身のプレイヤースキルで埋め、武器攻撃力の圧倒的な差で無傷で戦っている様だった。
私達も参加しようとしたがDOSがそれを退け、一騎打ちをすると言った。
自分のコピーが秘密裏に作られていた事と自分の武器を装備させると言う悪趣味な事をしていたのが彼の逆鱗に触れたのかも知れない。
彼の攻撃は偽DOSの四肢を削ぐ様に少しずつ部位破壊している。
不意に偽DOSが距離を詰めたかと思った瞬間、敵の【イグナイトストライク】が発動した。
その瞬間に合わせる様にDOSの長銃【アグネイヤ】からも銃弾が発射される。
互いの銃弾が交差する様にギリギリで擦れ違いレーザーの様に見える銃弾の軌跡がDOSの右肩を破壊。
DOSの放った弾丸は【イグナイトストライク】に接触し起動がズレた様に見えたが、偽DOSの頭部を一撃で吹き飛ばし決着した。
軌道がズレる事も計算に入れて頭部破壊をしたのだろう、凄く計算された射撃精度に改めて驚かされる。
流石に全員が無傷とはいかなかったが私達は勝利した。
DOSは咲耶に怪我を治して貰い、ドロップアイテムとして【シャランガーナ】を回収した。
元愛機を眺めるDOSの横顔は無表情ながらも、私には嬉しそうに見えた。
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