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黒船と水平線に浮かぶ船
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36歳というのは特別な年齢だ。終身雇用が崩壊しても、労働者階級には35歳転職限界説というものがまことしやかに囁かれ続けている。新卒から勤め上げた今の会社に不満があるわけでもない。そして自分への評価に不当性を感じるわけでもなければ、他人の評価を妬んでもいない。
ただ、新卒入社で13年勤めたこの会社にこの先ずっと勤めるのだという実感を重く受け止める自分がいるのだ。36歳とはそういった現実を受け入れる年齢なのだと。
今日の執務室はやけに人が少ない。普段は朝確認する課員の日報を眺めるが、このままダラダラ残業しても仕方がないと席を立とうとする。その時に思い出した数値分析の抽出条件をセットして今日の仕事を終えた。
丁度フロアを出る時、すれ違いざまに最近転職してきたチーム員と軽く雑談をする。
この会社は所謂日用品メーカーだが、僕自身は間接部門のマーケティング担当だ。間接部門というのは首の挿げ替えができる分、入れ替わりが激しい。
しかし外海の荒波に揉まれたマーケターというのは優秀で、僕も負けじとセミナーや講習会はたまた交流会なるものに積極的に出かけ、度重なる黒船来襲に歯を食いしばって応戦し、そしてこの仕事に食らいついてきた。
そうしている間にこの年齢になった。
雑談を終え、黒船マーケターが自席に戻ったのを一瞥してフロアを後にする。フロアにはマーケティング部の隣に商品企画部がある。あっち側は電気が消えることがない不夜城だ。
入社当時は商品企画希望だった。今のこの仕事が嫌いなわけではない。興味がなかった入社当時から考えればこの仕事の面白味は十分に理解している。しかしなぜだろうか最近焦りを感じるのだ。
昔、小学校の校長先生が朝礼で言っていた。人間楽な時は坂道を下っているのだ、と。最近あの朝礼の気怠い雰囲気と共によくこの話を思い出す。入社13年でそこそこの役職もつき、スキルも人脈も折衝能力もついた。転職してきたマーケターの突き上げにも耐え、自身のスキルも磨いている。決して慢心なんかではないと自分には言い聞かせるが、最近どうしてだか不安なのだ。
その不安は何が起因しているのか、マーケターらしく調べればいいのに。それをしないということは自分の中である程度原因がわかっている。それを認めたくなくてただ不安なフリをしているのだ。
会社帰りは繁華街を通って帰る。駅ビルが立ち並ぶ通りを抜け駅に向かうが、最近帰り道を変えた。パッとしないサラリーマンにも少しの楽しみがある。
駅近くのビルは20時で閉店する。それを見計らって僕は会社を退勤し、近くの噴水に腰掛けるのが日課になっていた。だから今日も暗くなったショーウィンドウの前を抜け、噴水のほうに歩こうとした時に事件が起こった。
「ねぇ、帰り道変えたの?」
突然の問いかけに僕はあたりを見渡す。
「おじさんだよ、お、じ、さ、ん」
周りに僕しかいないことを確認してもなお、問いかけに応じる勇気がなく、視線を地面に落とす。
「見るくらいしてよ。こっちだって話しかけるの勇気いるんだから」
勇気、そう自分に足りないものを明確に指摘されたようで思わず顔をあげた。視線の先には自分が思っていたよりも何倍も柔らかな笑顔が待ち構えていた。
「おじさん、この辺に勤めてるの?」
「あ、はい。あそこのビルで働いてます」
僕の言葉にさらに彼の顔が緩んだ。
「なんで敬語なの、俺そんなに怖く見える?」
怖いといえば怖い。若者はみんな凶器のように鋭利で、迂闊に近づくことを憚られる。キラキラと眩しいのに、怖くて遠い。僕のような30過ぎの「おじさん」には遠い水平線で輝く船のようだ。
「おじさんよく俺の踊り見てるでしょ。たまには遠巻きじゃなくて、ちゃんと見てよ」
「う、うん。見る」
「急に素直だな。いつもの場所じゃないのに、もしかして俺を見るために帰り道変えたの?」
その問いには少々間をおいた。夜に閉まった店舗のショーウィンドウ前で踊る若者目当てに、帰り道まで変えたというのは気持ち悪いかもしれない。
「散歩ついでにウォーキングで」
「別に気持ち悪いとか思わないからさ。ちゃんと言ってよ」
その真っ直ぐな言葉に僕は困惑よりも快感を覚えた。
「うん、ごめん。君らがかけてる音楽でたまたま好きな曲があって。年代も違うのにすごいなと思って。それから君らのこと探すようになったんだ」
本当にやましい気持ちでやっていることではないと伝えたかった。だけどこれが彼の逆鱗に触れた。
「俺でも、踊りでもなく!? 好きな曲!? ちなみに何の曲だよ!」
急激な詰問にびっくりしてポロッと答えが口から溢れる。
「Rケリーの……」
「ああ、おっさん世代っぽいな……」
答えたら答えたでこの仕打ちである。気まずい沈黙が流れて話題を変えるために聞いた。
「今日は……みんなは?」
「おっさん、誰目当てなんだよ」
僕がここを通る理由も、選曲も気に食わなかったらしく彼はヘソを曲げてしまった。
「好きな曲が流れているだけじゃ、わざわざ回り道して通りかかったりしないよ。君らの踊りがなんか眩しくて。曲が生きてるみたいだったから」
「誰目当てなんだよ」
獲物を追い詰めるハンターのように、決して質問を変えない。社会人になると、こういう頑ななコミュニケーションもなくなったよな、と感じる。自分を突き通すほどの気概も信念も、皆なくなってしまうのだ。
「君だよ。僕はダンスとかよくわからないけど、君に1番、目がいくよ」
「今、会話終わらせようとしてるだろ」
そんなつもりもなかったが、日々そうやってうやむやに生きている。今この瞬間はそうじゃないとしても、概ねそうだと責められているみたいだった。
「今日はおっさんの好きな曲じゃねーけど、たまにはちゃんと見ていけよ」
そういうと、彼は音楽をかけて踊り出した。いつもはショーウィンドウを鏡にして踊るため後ろ姿しか見たことがなかったが、今日は僕の方を向いて、僕だけを見て踊ってくれる。ダボダボのラフな格好でもその踊りを支える筋肉は、昨日今日で鍛えられたものじゃないとわかる。人間は普通に生きていてこんなに美しく動けない。
踊りの合間に見せる彼の表情も然り。彼は自分の魅せ方を心得ていた。鍛錬で培われた緩急でダンスはよりダイナミックに、表情はより繊細に映えていた。
曲が終わり、彼の汗が地面に2、3滴落ちたら、思わず拍手をしてしまった。
「すごい、すごい! 正面から初めて見たけど、すごかった!」
「はは、まーな。おっさんのためだけに踊ったんだ。なんかご褒美くれよ」
急に低くなった彼の声を聞いて、さっきまでの夢から覚めた気がした。僕は慌てて鞄を漁り、財布を探す。若者と心が通いあったなんて甘い勘違いが恥ずかしくて、逃げ出したい焦燥感から財布をなかなか出せなかった。
その手を急に彼に握られる。
「おっさんさ、俺ってそんなに怖く見える?」
顔を覗き込まれた時、その若者特有のキラキラした目から視線を逸らせなかった。
「そう、俺のことだけ見て」
僕は近づいてくる彼だけを見た。そしてキスをされた瞬間から、彼しか見えなくなった。
ただ、新卒入社で13年勤めたこの会社にこの先ずっと勤めるのだという実感を重く受け止める自分がいるのだ。36歳とはそういった現実を受け入れる年齢なのだと。
今日の執務室はやけに人が少ない。普段は朝確認する課員の日報を眺めるが、このままダラダラ残業しても仕方がないと席を立とうとする。その時に思い出した数値分析の抽出条件をセットして今日の仕事を終えた。
丁度フロアを出る時、すれ違いざまに最近転職してきたチーム員と軽く雑談をする。
この会社は所謂日用品メーカーだが、僕自身は間接部門のマーケティング担当だ。間接部門というのは首の挿げ替えができる分、入れ替わりが激しい。
しかし外海の荒波に揉まれたマーケターというのは優秀で、僕も負けじとセミナーや講習会はたまた交流会なるものに積極的に出かけ、度重なる黒船来襲に歯を食いしばって応戦し、そしてこの仕事に食らいついてきた。
そうしている間にこの年齢になった。
雑談を終え、黒船マーケターが自席に戻ったのを一瞥してフロアを後にする。フロアにはマーケティング部の隣に商品企画部がある。あっち側は電気が消えることがない不夜城だ。
入社当時は商品企画希望だった。今のこの仕事が嫌いなわけではない。興味がなかった入社当時から考えればこの仕事の面白味は十分に理解している。しかしなぜだろうか最近焦りを感じるのだ。
昔、小学校の校長先生が朝礼で言っていた。人間楽な時は坂道を下っているのだ、と。最近あの朝礼の気怠い雰囲気と共によくこの話を思い出す。入社13年でそこそこの役職もつき、スキルも人脈も折衝能力もついた。転職してきたマーケターの突き上げにも耐え、自身のスキルも磨いている。決して慢心なんかではないと自分には言い聞かせるが、最近どうしてだか不安なのだ。
その不安は何が起因しているのか、マーケターらしく調べればいいのに。それをしないということは自分の中である程度原因がわかっている。それを認めたくなくてただ不安なフリをしているのだ。
会社帰りは繁華街を通って帰る。駅ビルが立ち並ぶ通りを抜け駅に向かうが、最近帰り道を変えた。パッとしないサラリーマンにも少しの楽しみがある。
駅近くのビルは20時で閉店する。それを見計らって僕は会社を退勤し、近くの噴水に腰掛けるのが日課になっていた。だから今日も暗くなったショーウィンドウの前を抜け、噴水のほうに歩こうとした時に事件が起こった。
「ねぇ、帰り道変えたの?」
突然の問いかけに僕はあたりを見渡す。
「おじさんだよ、お、じ、さ、ん」
周りに僕しかいないことを確認してもなお、問いかけに応じる勇気がなく、視線を地面に落とす。
「見るくらいしてよ。こっちだって話しかけるの勇気いるんだから」
勇気、そう自分に足りないものを明確に指摘されたようで思わず顔をあげた。視線の先には自分が思っていたよりも何倍も柔らかな笑顔が待ち構えていた。
「おじさん、この辺に勤めてるの?」
「あ、はい。あそこのビルで働いてます」
僕の言葉にさらに彼の顔が緩んだ。
「なんで敬語なの、俺そんなに怖く見える?」
怖いといえば怖い。若者はみんな凶器のように鋭利で、迂闊に近づくことを憚られる。キラキラと眩しいのに、怖くて遠い。僕のような30過ぎの「おじさん」には遠い水平線で輝く船のようだ。
「おじさんよく俺の踊り見てるでしょ。たまには遠巻きじゃなくて、ちゃんと見てよ」
「う、うん。見る」
「急に素直だな。いつもの場所じゃないのに、もしかして俺を見るために帰り道変えたの?」
その問いには少々間をおいた。夜に閉まった店舗のショーウィンドウ前で踊る若者目当てに、帰り道まで変えたというのは気持ち悪いかもしれない。
「散歩ついでにウォーキングで」
「別に気持ち悪いとか思わないからさ。ちゃんと言ってよ」
その真っ直ぐな言葉に僕は困惑よりも快感を覚えた。
「うん、ごめん。君らがかけてる音楽でたまたま好きな曲があって。年代も違うのにすごいなと思って。それから君らのこと探すようになったんだ」
本当にやましい気持ちでやっていることではないと伝えたかった。だけどこれが彼の逆鱗に触れた。
「俺でも、踊りでもなく!? 好きな曲!? ちなみに何の曲だよ!」
急激な詰問にびっくりしてポロッと答えが口から溢れる。
「Rケリーの……」
「ああ、おっさん世代っぽいな……」
答えたら答えたでこの仕打ちである。気まずい沈黙が流れて話題を変えるために聞いた。
「今日は……みんなは?」
「おっさん、誰目当てなんだよ」
僕がここを通る理由も、選曲も気に食わなかったらしく彼はヘソを曲げてしまった。
「好きな曲が流れているだけじゃ、わざわざ回り道して通りかかったりしないよ。君らの踊りがなんか眩しくて。曲が生きてるみたいだったから」
「誰目当てなんだよ」
獲物を追い詰めるハンターのように、決して質問を変えない。社会人になると、こういう頑ななコミュニケーションもなくなったよな、と感じる。自分を突き通すほどの気概も信念も、皆なくなってしまうのだ。
「君だよ。僕はダンスとかよくわからないけど、君に1番、目がいくよ」
「今、会話終わらせようとしてるだろ」
そんなつもりもなかったが、日々そうやってうやむやに生きている。今この瞬間はそうじゃないとしても、概ねそうだと責められているみたいだった。
「今日はおっさんの好きな曲じゃねーけど、たまにはちゃんと見ていけよ」
そういうと、彼は音楽をかけて踊り出した。いつもはショーウィンドウを鏡にして踊るため後ろ姿しか見たことがなかったが、今日は僕の方を向いて、僕だけを見て踊ってくれる。ダボダボのラフな格好でもその踊りを支える筋肉は、昨日今日で鍛えられたものじゃないとわかる。人間は普通に生きていてこんなに美しく動けない。
踊りの合間に見せる彼の表情も然り。彼は自分の魅せ方を心得ていた。鍛錬で培われた緩急でダンスはよりダイナミックに、表情はより繊細に映えていた。
曲が終わり、彼の汗が地面に2、3滴落ちたら、思わず拍手をしてしまった。
「すごい、すごい! 正面から初めて見たけど、すごかった!」
「はは、まーな。おっさんのためだけに踊ったんだ。なんかご褒美くれよ」
急に低くなった彼の声を聞いて、さっきまでの夢から覚めた気がした。僕は慌てて鞄を漁り、財布を探す。若者と心が通いあったなんて甘い勘違いが恥ずかしくて、逃げ出したい焦燥感から財布をなかなか出せなかった。
その手を急に彼に握られる。
「おっさんさ、俺ってそんなに怖く見える?」
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