乙女ゲームで強悪役な俺が人外攻略達とハーレムになりました

鮎田

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助っ人

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「じ、ジークス先生はお尻に指入れた事ありますか?」

「あるわけないだろ」

「…普通はそうですよね」

ジークスは当然の事のように否定した。

普通はそんな事しないよな、好奇心でちょっと試す人はいそうだけど何故ゼスは自分じゃなく俺で試すんだ?

ゼスに触られるまで、そんな好奇心すら俺はなかったのに…

ジークスは真剣な眼差しで「…入れたのか?」と聞いてきた。
自分から言ったのに、今更恥ずかしい会話だと下を向いた。

恥ずかしくてもちゃんと質問に答えるように小さく頷いた。

やっぱり、ゼスが指を入れたとか言えない…大問題になりそうだ。
俺のただの好奇心という事にすれば、俺一人だけ恥ずかしい思いで終われる。

「違和感って痛いのか?」

「痛みはないです、でもお腹の下らへんがムズムズするというか」

「そうか、これは…どうしたらいいのか」

ジークスも俺と同じく、どうすれば良いのか分からず悩んだ。
薬を塗れば治るかな、でもどんな薬?

就任して間もないのに、こんな性の悩みをぶつけられたらジークスも困るよな。

「大丈夫なので、今のは忘れて下さい!」と言って立ち上がろうとした。
そのタイミングとほとんど同時に部屋の扉が開き、誰かが来た。

それはジークスと同じく就任してきた副団長のトワだった。

ジークスの顔があからさまに嫌そうな顔に歪んでトワを追い出そうと扉の近くまで歩いた。

「お前は呼んでないんだから、空気読め!今、大事な話し中だ」

「えー、可愛い教え子連れ込んで何してるのかからかいに来たのにー」

「帰れ!」

「俺だって先生したいんだよ」

しゃがんでジークスの脇を通り抜けて、部屋の中に入ってきた。

俺をジッと見つめるトワに、目を逸らす事が出来ずに見つめ返す。

ジークスは真面目な性格だが、トワは英雄と呼ばれているのに女好きの遊び人という噂がある。
そういう人だから、俺の悩みも分かるかもしれない。
ジークスには申し訳ないけど、こういうのに適任なのがトワだ。

話した事がないから、どうしたらいいのか分からず声が出なかった。
せっかくヒントが貰えそうだったのに、ここで人見知りを発動するなんて…

一生懸命同じ質問を言おう頑張ってみたら、人差し指を向けられて金魚のようにパクパク動いていた口を閉ざす。

「話は廊下で聞いてたから、内容は分かった」

「ここの壁は分厚いはずだが」

「俺の耳を人間の雑魚聴力と一緒にしないでくれよ、ジークス」

トワは誇らしげに、俺の肩を掴んで一緒にソファーに座った。

テーブルの上に置いてあったポットを掴み、使っていないカップに勝手に注ぎ出した。
空のカップを見て、俺にも注いでくれると言ってくれたが「お腹いっぱいです」と断った。

遠慮ではなく、本当に腹がいっぱいだ。
でも、西洋茶でではなく自分の恥ずかしい質問で何も飲む気力にならない。

また同じお尻の話はしなくていいんだと思うと、それだけでホッとした。

ジークスもトワを追い出すのを諦めて、俺の横に座った。

向かいにソファーがあるのに、俺が座るソファーだけぎゅうぎゅう詰めだ。
幸いな事に、三人用ソファーだから押し潰される事はない。
大の大人二人に挟まれたら、さすがに暑苦しい。

「それで、お尻の悩みだっけ…リンちゃん」

「リンちゃ…?」

「君、リーンって名前でしょ…親しみを込めて俺はリンちゃんって呼ぶね」

そんな呼び方をされるのは初めてだった。

ジークスは「止めろ」と言っていたが、親しみを込めた呼び名なら俺は構わない。
これがバカにするものだったら、さすがに悲しいけど…

「俺はその呼び名でも良いですよ」と言うとトワは目を輝かせて俺に抱き付いてきた。
まるで、ご主人様に褒められた犬のように尻尾がブンブン震える幻覚も見える。

…いや違う、トワに大きな耳と尻尾が実際に生えていた。

ゲームでも、絶滅危惧種と呼ばれている狼一族の生き残りだったからトワの正体は知っている。

この国ではジークスと一緒で隠していないから、見つかったとしても慌てる事はない。
ジークスの腕が俺の後ろを通り、トワの頭を叩いた。

「だらしがないな、耳と尻尾出てるぞ」

「いってーな、俺は生徒と親交を深めようとだな」

「自分のクラスの生徒とやれ」

トワは不満そうに頬を膨らませて一瞬で、耳と尻尾を消した。

あれ、トワって確か女の子好きだったのは有名な話だ。
特定の一人は作らずに、いつも遊び歩いていた。

それと同時に、かなりの男嫌いだったはずだ。

幼馴染みのジークスとは嫌味を言いつつ、名コンビになる。
でも、他のキャラクターが近付くと敵意むき出しで話そうとしない。

さっきみたいに俺に抱き付くなんて、それこそあり得ない。

ゲームでリーンとトワが仲良い話なんてないし、ルナと会ってからはトワも女遊びは止めて愛に一途になったんだ。

横にいるトワを見ると、特に変わったところがなく俺と目が合った。

「リンちゃんって、ド変態なんだなって思ったんだよ」

「ど、どど…!?」

「おい、トワ」

「だってそこに指入れるとか、男とそういう事したいんでしょ?」

トワはそう言って、俺の腰に腕を回して引き寄せた。
ジークスは止めるように怒っていたが、全く腰を触る手の力を緩めなかった。

そういう事…指以外になにがあるって言うんだ?

頭がグルグルパニックになりながらも必死に考える。
ダメだ、分からない…そもそも異物を入れるところじゃないんだ…他になにがあるんだ。
またふりだしに戻るしかないのか。

答えが分からない俺にトワはクスクス笑っていた。

俺にも分かりやすいように短い単語で教えてくれた。

「セックス」と…
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