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操り師
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「ごめん、二人共待たせたね」
「リーン様を待たせるとは何事ですか、恥知らずが」
「執事くんって俺の事、かなり嫌いだよね」
「リーン様以外は皆同じですが」
表情を変えずに淡々と言うゼスにトワは顔を引き攣らせていた。
ゼスに「トワ先生に失礼だよ」と言うと頭を下げて謝った。
それを見てトワはまだ顔を引き攣らせながら「いいよ、気にしてないから」と言っていた。
三人で家に向かって歩き出した。
二人は俺の大好きな人達だから仲良くしてほしいけど、無理させたくない。
二人の手を握ると、お互い握り返してくれた。
遠回りだけど、三人仲良くなったようで嬉しい。
でも、こうして見ると、俺は二人の子供みたいだな。
それを言うとまた喧嘩になりそうだから言わないけど。
今度は離れないようにと思ったが、あの時も離れていたわけではないとトワから聞いている。
俺視点だったらトワが離れているように見えたが、トワ視点は俺が突然消えたように見えた。
あの場所に入った瞬間からクロウのテリトリーだった。
気をつけていても、踏み込む危険はある。
人気のない家の近くに来て、足を止めた。
トワとゼスも足を止めて、俺の方を見た。
「どうした?リンちゃん」
「リーン様?」
「ちょっと待ってて、空間に歪みがないか確かめるから」
俺は糸を出して家まで続くトンネルを作り出した。
可笑しな空間があれば引っかかるはずだ。
意識を集中させて、ゆっくりと深呼吸した。
でも、空間の歪みや魔力は感じる事がなかった。
今日はいないみたいで良かった、これで安心して帰れる。
二人に大丈夫だと言って一歩前に出ると、ゼスは槍を手にしていた。
反対方向を見ると、トワは散弾銃を持って上を見ていた。
俺も上を見て、眩しい太陽の光に目を細めた。
小さく何かが光り、こちらに向かってくるのが見えた。
出した糸を盾のようにしようと動かすが、ゼスに腰を引かれてその場から離れた。
トワが向かってくるものを撃つと、杖は勢いがなくなりゆっくりと落ちてきた。
その杖の後ろには人のカタチがあり、杖を手にした。
杖からは渦を巻いている炎が出てきた。
トワは槍を振り下ろし、突き刺した地面から氷の壁が出現した。
炎は氷の壁に当たり、一秒もせずに貫通した。
俺の糸で二人を木の枝に吊るしたから、大惨事は免れた。
普通の人は杖がなくても魔法を使う事が出来る。
そもそもこの世界に、杖を使って魔法を使うという発想がない。
武器も杖を使う人はいない、居たとしても物理で殴るぐらいしか思いつかない人が多い。
あの魔力の強さは本人の力と杖の力が合わさって強力な魔法が出たような気がする。
俺がまだ自分が使いこなせていない力をゼスが上手く使ってくれている。
それでも破れるほど強い魔力、彼はクロウなのか?
顔が見えないほど深くフードを被っていて、ゆっくりと地面に降りた。
真っ黒なローブを着た人物は杖を俺達に向けていた。
糸を離して、俺達は地面に降りて向かい合う。
「貴方はいったい誰?どうして俺達を狙うの?」
「……」
「もしかして、クロウの仲間?」
俺達を狙う理由はクロウしか思いつかない。
クロウは生きているが、敵討ちをしに来たかもしれない。
そうだとしたら納得だ。
現実では全く繋がりがないから、ゲームの内容で目の前の人が誰か考える。
そもそもクロウって馴れ合いが好きじゃないし、クロノとしか話さないから分からない。
もしかして、ここでゲームではなかった新キャラ登場とか言わないよね。
とりあえず答える気がないなら、ここを通してもらうしかない。
俺は敵意がある人と出会うこの日のために練習してきたんだ。
思ったより早く来て、練習がし足りないのが不安だけど大丈夫。
俺達は熟練度ではなく、絆で繋がっているんだ。
視線をゼスに向けると、ゼスは小さく頷いた。
俺の糸はゼスの両手足を縛った。
「何やってるの?リンちゃん」
「俺は操り師だから」
トワにはそれだけを言い、指を動かした。
俺の結ばれた糸により、ゼスの魔力はより強くなっていく。
命令通り、ゼスは槍を振りローブを着た人は火の玉を出した。
さっきと違う事は、防げなかった火の玉を受け流す事が出来るようになっていた。
「リーン様を待たせるとは何事ですか、恥知らずが」
「執事くんって俺の事、かなり嫌いだよね」
「リーン様以外は皆同じですが」
表情を変えずに淡々と言うゼスにトワは顔を引き攣らせていた。
ゼスに「トワ先生に失礼だよ」と言うと頭を下げて謝った。
それを見てトワはまだ顔を引き攣らせながら「いいよ、気にしてないから」と言っていた。
三人で家に向かって歩き出した。
二人は俺の大好きな人達だから仲良くしてほしいけど、無理させたくない。
二人の手を握ると、お互い握り返してくれた。
遠回りだけど、三人仲良くなったようで嬉しい。
でも、こうして見ると、俺は二人の子供みたいだな。
それを言うとまた喧嘩になりそうだから言わないけど。
今度は離れないようにと思ったが、あの時も離れていたわけではないとトワから聞いている。
俺視点だったらトワが離れているように見えたが、トワ視点は俺が突然消えたように見えた。
あの場所に入った瞬間からクロウのテリトリーだった。
気をつけていても、踏み込む危険はある。
人気のない家の近くに来て、足を止めた。
トワとゼスも足を止めて、俺の方を見た。
「どうした?リンちゃん」
「リーン様?」
「ちょっと待ってて、空間に歪みがないか確かめるから」
俺は糸を出して家まで続くトンネルを作り出した。
可笑しな空間があれば引っかかるはずだ。
意識を集中させて、ゆっくりと深呼吸した。
でも、空間の歪みや魔力は感じる事がなかった。
今日はいないみたいで良かった、これで安心して帰れる。
二人に大丈夫だと言って一歩前に出ると、ゼスは槍を手にしていた。
反対方向を見ると、トワは散弾銃を持って上を見ていた。
俺も上を見て、眩しい太陽の光に目を細めた。
小さく何かが光り、こちらに向かってくるのが見えた。
出した糸を盾のようにしようと動かすが、ゼスに腰を引かれてその場から離れた。
トワが向かってくるものを撃つと、杖は勢いがなくなりゆっくりと落ちてきた。
その杖の後ろには人のカタチがあり、杖を手にした。
杖からは渦を巻いている炎が出てきた。
トワは槍を振り下ろし、突き刺した地面から氷の壁が出現した。
炎は氷の壁に当たり、一秒もせずに貫通した。
俺の糸で二人を木の枝に吊るしたから、大惨事は免れた。
普通の人は杖がなくても魔法を使う事が出来る。
そもそもこの世界に、杖を使って魔法を使うという発想がない。
武器も杖を使う人はいない、居たとしても物理で殴るぐらいしか思いつかない人が多い。
あの魔力の強さは本人の力と杖の力が合わさって強力な魔法が出たような気がする。
俺がまだ自分が使いこなせていない力をゼスが上手く使ってくれている。
それでも破れるほど強い魔力、彼はクロウなのか?
顔が見えないほど深くフードを被っていて、ゆっくりと地面に降りた。
真っ黒なローブを着た人物は杖を俺達に向けていた。
糸を離して、俺達は地面に降りて向かい合う。
「貴方はいったい誰?どうして俺達を狙うの?」
「……」
「もしかして、クロウの仲間?」
俺達を狙う理由はクロウしか思いつかない。
クロウは生きているが、敵討ちをしに来たかもしれない。
そうだとしたら納得だ。
現実では全く繋がりがないから、ゲームの内容で目の前の人が誰か考える。
そもそもクロウって馴れ合いが好きじゃないし、クロノとしか話さないから分からない。
もしかして、ここでゲームではなかった新キャラ登場とか言わないよね。
とりあえず答える気がないなら、ここを通してもらうしかない。
俺は敵意がある人と出会うこの日のために練習してきたんだ。
思ったより早く来て、練習がし足りないのが不安だけど大丈夫。
俺達は熟練度ではなく、絆で繋がっているんだ。
視線をゼスに向けると、ゼスは小さく頷いた。
俺の糸はゼスの両手足を縛った。
「何やってるの?リンちゃん」
「俺は操り師だから」
トワにはそれだけを言い、指を動かした。
俺の結ばれた糸により、ゼスの魔力はより強くなっていく。
命令通り、ゼスは槍を振りローブを着た人は火の玉を出した。
さっきと違う事は、防げなかった火の玉を受け流す事が出来るようになっていた。
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