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18.猫になった婚約者とねこ鍋
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「ライル様!」
「……テンション高いな。なんだ?」
手に持っていた大きめの鍋を床に置き、指さす。
「鍋です!」
「な、鍋なのは見れば分かるが……それがどうした?」
不思議そうに鍋と私を交互に見る。まさか、鍋と聞いて何も思いつかないのか?
猫と鍋。この二つが揃ったら思いつくことは一つしかない。
「ねこ鍋ですよ!」
「ね、ねこ鍋……?」
上目遣いのまま首を傾げる。どことなく不安そうだ。可愛い。これはあざとい。反則だ。
違う、そうじゃない。ねこ鍋について分かってない様子のライルに説明しなければ。
「ねこ鍋とは、鍋の中で丸くなって眠る猫の様子のことを言うんです」
「なるほど。てっきり猫を鍋で煮た料理のことかと思ったぞ……」
「違いますよ! なんてむごいことを考えるんですか!」
「い、いや……もしかして俺を食べるつもりなのかと思って……」
「そんなことしません!」
ああ、だから不安そうに見えたのか。鍋にされると思って怖かったのかもしれない。
ねこ鍋という単語を知らずに聞いたらそう思っても無理はない。基本、鍋は食べるものという認識であろう。
「ここに入って丸くなれば良いのだな」
ライルはそう言い、すぐさま動いた。足を踏み入れ流れるように丸くなる。顔だけひょこっと出して私を見た。
「これでいいのか?」
「ええ! かんっぺきですわ……っ!」
一度は見てみたかった、ねこ鍋……っ! ライルがこんなにすんなりしてくれるとは思ってなかったが、やってくれて良かった。
鍋とフィットしていて丸いフォルムが可愛い。取っ手部分に頭を乗せているのも良い。とても可愛い。
きっちりと尻尾を体にそって丸めているのもいい。ああ、でもほんの少し尻尾の先がぴこぴこ動いているのも可愛い。
「……またにやにやと、だらしのない顔をして……」
「失礼致しました。ライル様」
小言を言われてすぐさま顔を引き締める。これでも令嬢なのだ。あまり醜態を晒すのは良くない。
「いや別にいいのだが。……カレンは猫が好きなのか?」
「ええ、それはもう! 何よりも好きですわ。可愛いですし賢いですし、それになによりあのもふもふの体! ああ、でもそれだけではないですよ。他にも猫の好いところはたくさんありまして、例えば」
「も、もういい! 好きなのは分かった」
遮られてしまった。まだまだ全然説明できていないというのに。
「ま、まぁ……その、カレンが猫が好きというなら……たまには、お前のために何かしてやっても良いぞ」
「ほ、本当ですか!?」
「うむ。お前には世話になってるし……あ、でもたまにだからな!」
ライルは顔を鍋の中に埋めてしまった。中を見ると、手で顔を隠している。照れ隠しだろうか?
「ありがとうございます。ライル様」
心の底からのお礼だった。そして、微笑ましい気持ちと嬉しい気持ちから思わず顔が緩んでしまう。
これまでも色々好き勝手してきたつもりだったが、これからは堂々とお願いできる。ライルの可愛い姿を見ることができるのだ。
「……テンション高いな。なんだ?」
手に持っていた大きめの鍋を床に置き、指さす。
「鍋です!」
「な、鍋なのは見れば分かるが……それがどうした?」
不思議そうに鍋と私を交互に見る。まさか、鍋と聞いて何も思いつかないのか?
猫と鍋。この二つが揃ったら思いつくことは一つしかない。
「ねこ鍋ですよ!」
「ね、ねこ鍋……?」
上目遣いのまま首を傾げる。どことなく不安そうだ。可愛い。これはあざとい。反則だ。
違う、そうじゃない。ねこ鍋について分かってない様子のライルに説明しなければ。
「ねこ鍋とは、鍋の中で丸くなって眠る猫の様子のことを言うんです」
「なるほど。てっきり猫を鍋で煮た料理のことかと思ったぞ……」
「違いますよ! なんてむごいことを考えるんですか!」
「い、いや……もしかして俺を食べるつもりなのかと思って……」
「そんなことしません!」
ああ、だから不安そうに見えたのか。鍋にされると思って怖かったのかもしれない。
ねこ鍋という単語を知らずに聞いたらそう思っても無理はない。基本、鍋は食べるものという認識であろう。
「ここに入って丸くなれば良いのだな」
ライルはそう言い、すぐさま動いた。足を踏み入れ流れるように丸くなる。顔だけひょこっと出して私を見た。
「これでいいのか?」
「ええ! かんっぺきですわ……っ!」
一度は見てみたかった、ねこ鍋……っ! ライルがこんなにすんなりしてくれるとは思ってなかったが、やってくれて良かった。
鍋とフィットしていて丸いフォルムが可愛い。取っ手部分に頭を乗せているのも良い。とても可愛い。
きっちりと尻尾を体にそって丸めているのもいい。ああ、でもほんの少し尻尾の先がぴこぴこ動いているのも可愛い。
「……またにやにやと、だらしのない顔をして……」
「失礼致しました。ライル様」
小言を言われてすぐさま顔を引き締める。これでも令嬢なのだ。あまり醜態を晒すのは良くない。
「いや別にいいのだが。……カレンは猫が好きなのか?」
「ええ、それはもう! 何よりも好きですわ。可愛いですし賢いですし、それになによりあのもふもふの体! ああ、でもそれだけではないですよ。他にも猫の好いところはたくさんありまして、例えば」
「も、もういい! 好きなのは分かった」
遮られてしまった。まだまだ全然説明できていないというのに。
「ま、まぁ……その、カレンが猫が好きというなら……たまには、お前のために何かしてやっても良いぞ」
「ほ、本当ですか!?」
「うむ。お前には世話になってるし……あ、でもたまにだからな!」
ライルは顔を鍋の中に埋めてしまった。中を見ると、手で顔を隠している。照れ隠しだろうか?
「ありがとうございます。ライル様」
心の底からのお礼だった。そして、微笑ましい気持ちと嬉しい気持ちから思わず顔が緩んでしまう。
これまでも色々好き勝手してきたつもりだったが、これからは堂々とお願いできる。ライルの可愛い姿を見ることができるのだ。
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