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36.猫になった婚約者と真相
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「もったいぶらずに教えてくれ!」
ライルがへクセに言う。
逸る気持ちが抑えきれないらしい。へクセに乗っかるのは止めたものの、周りをうろうろしている。
「……えーと……何聞いても怒らない?」
イタズラをバレた時の子供のような、不安そうな顔をしている。
「怒らないから言え!」
「本当に怒らない……?」
「うむ。絶対に怒らないぞ!」
「カレンも……?」
「怒りませんわ」
本当は内容によると言いたいところだが、そんなことを言えば話してもらえなさそうだったため、承諾した。
へクセはお茶を飲み、一息ついた。置いてから、少し間を置いてようやく口を開いた。
「……じゃあ、話すよ……お、怒らないって言ったよね? 約束したよね?」
「うむ」
「ええ」
最後に確認をして、意を決したように私たちを見た。
青い瞳に照明の光が反射して、光った。
「……猫ちゃんに呪いをかけた魔女の正体は……へクセ=ソルシエール……つまり僕、なんだ」
へクセはそう告げた。
「お、お前が……俺を猫に変えた魔女!?」
「……魔女を知っていると言った時点で薄々そうではないかと思いましたけど……」
まさか、本当にへクセがライルを猫に変えた超本人だったなんて。
「というか貴方、魔女でしたの? そんな素振り今まで全然……」
「だ、だって……バレたらなんかあれかなぁ……って思って」
幼い頃から仲良くしていたへクセが魔女。それも婚約者を猫に変えた魔女。情報を得ようと探しても見つからず、助けを求めようとやって来たら、そこに目当ての魔女がいた?
世間はこんなにも狭いものなのか。あまりにもできすぎている。呆気ない。
それにしても、魔女だなんて明かされたらもっと驚くかと思っていた。しかし、へクセなら魔女でも違和感ないと納得してしまう辺り、へクセらしいというかなんというか……。
「お前が……よくも、よくも俺を猫に変えたな!」
シャーッとライルが怒った。
へクセの手をがぶがぶ噛んでいる。
「お、怒らないって言ったのに!」
手を噛まれながら、へクセが悲鳴をあげた。ライルが怒るのも無理ない。とはいえ、へクセも魔女であることやライルに呪いをかけたのが自分であることなど、言いにくいのによくこんなにもすんなり話してくれたものだ。
「……ライル様、やめて差し上げて」
「むう、いくらカレンでも流石に言うことを聞けん! これくらいしなくては腹の虫が収まらんぞ!」
「僕だって悪いとは思ってるよ! でもこれ以上噛まないでよ!」
やめる気配がないので、ライルを無理矢理へクセから引き剥がした。
へクセの手には噛み跡がたくさん残っており、血も滲んでいた。かなり痛そうだ。
ライルがへクセに言う。
逸る気持ちが抑えきれないらしい。へクセに乗っかるのは止めたものの、周りをうろうろしている。
「……えーと……何聞いても怒らない?」
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「怒らないから言え!」
「本当に怒らない……?」
「うむ。絶対に怒らないぞ!」
「カレンも……?」
「怒りませんわ」
本当は内容によると言いたいところだが、そんなことを言えば話してもらえなさそうだったため、承諾した。
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へクセはそう告げた。
「お、お前が……俺を猫に変えた魔女!?」
「……魔女を知っていると言った時点で薄々そうではないかと思いましたけど……」
まさか、本当にへクセがライルを猫に変えた超本人だったなんて。
「というか貴方、魔女でしたの? そんな素振り今まで全然……」
「だ、だって……バレたらなんかあれかなぁ……って思って」
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世間はこんなにも狭いものなのか。あまりにもできすぎている。呆気ない。
それにしても、魔女だなんて明かされたらもっと驚くかと思っていた。しかし、へクセなら魔女でも違和感ないと納得してしまう辺り、へクセらしいというかなんというか……。
「お前が……よくも、よくも俺を猫に変えたな!」
シャーッとライルが怒った。
へクセの手をがぶがぶ噛んでいる。
「お、怒らないって言ったのに!」
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