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53.人に戻った婚約者とへクセの過去
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「気味が悪い……と言われましたの?」
へクセを伺うように見る。
へクセは俯いていて、髪で顔が影になって隠れてよく見えない。
「まぁ、そんなとこ。……カレンと会う前、魔女の力も存在も僕がよく知らなかった本当に幼い時だし、そんな大したことでもないけど」
声はいつも通りの調子に戻っていた。
だが、雰囲気は普段通りではなく、どこか寂しげだった。
「……人に言うべき言葉ではなかったな。悪かったソルシエール」
「あっ大丈夫だよ! でもちょっと悲しいから、今度は思っても言わないで欲しいな~」
「へクセ……」
にこっとして、雰囲気も口調もいつも通りのへクセに戻った。
「うー、こんな変な空気にさせてごめんね! 僕が急に態度変えちゃったからだよね」
完全にあのへらへら笑って本音の見えないへクセに戻っていた。
魔女……か。
魔女は人間離れした力を持つ。人を助けることも貶めることもできる。普通の人間からしたら理解できない存在。
救いに感じることもあれば恐ろしいと感じることもあるだろう。
「もう、そんな目で見ないでよ~! あれだよ? 昔、仲良かった子を助けたくてちょっと力をね、無意識にバンバン使っちゃってさ。それで、えっ……なにそれ……って引かれたっていうだけの話! なんか、地雷踏んじゃったみたいな顔しなくていいから!」
手を空中でバタバタさせながら、一息でまくし立てるように言い切った。
そんな目をしないでと言われても、へクセが可哀想というか、そんな過去があったのか……と親近感? というか。
情が湧いてしまったとでもいうのか? 率直に言えば、へクセも人間なんだなぁという感じか。
今までが笑顔の印象が強い分、新鮮だし、守りたくなった。庇護欲……が一番近い。
「ソルシエール……今度からは迂闊に傷つけるようなことは言わないからな」
「私もですわ。もし、何か嫌なことがあればいつでも言ってくださいね」
「もうやめてよ~っ! この空気感、めっちゃ苦手! 軽いノリで接してくれていいから!」
へクセは顔を赤くしていた。目が泳いでいる。
珍しい。へクセの照れた顔なんてこれまで一度も見たことがなかった。
「僕、心配されるの苦手なの! 本当に大丈夫だから!」
両手を顔を前に持ってきて隠すようにしている。
だが、隙間から赤くなっている顔が見える。耳まで真っ赤だ。
心配されるのが苦手とはいえ、ここまで照れるものなのか?
そもそも、心配されるの苦手という人は珍しい気がする。
「大丈夫なら良いが……何かあれば相談するのだぞ!」
「わ、分かったから!」
へクセは恥ずかしいのを誤魔化すように、まだたくさん残っている紅茶を一気に飲み干した。
へクセを伺うように見る。
へクセは俯いていて、髪で顔が影になって隠れてよく見えない。
「まぁ、そんなとこ。……カレンと会う前、魔女の力も存在も僕がよく知らなかった本当に幼い時だし、そんな大したことでもないけど」
声はいつも通りの調子に戻っていた。
だが、雰囲気は普段通りではなく、どこか寂しげだった。
「……人に言うべき言葉ではなかったな。悪かったソルシエール」
「あっ大丈夫だよ! でもちょっと悲しいから、今度は思っても言わないで欲しいな~」
「へクセ……」
にこっとして、雰囲気も口調もいつも通りのへクセに戻った。
「うー、こんな変な空気にさせてごめんね! 僕が急に態度変えちゃったからだよね」
完全にあのへらへら笑って本音の見えないへクセに戻っていた。
魔女……か。
魔女は人間離れした力を持つ。人を助けることも貶めることもできる。普通の人間からしたら理解できない存在。
救いに感じることもあれば恐ろしいと感じることもあるだろう。
「もう、そんな目で見ないでよ~! あれだよ? 昔、仲良かった子を助けたくてちょっと力をね、無意識にバンバン使っちゃってさ。それで、えっ……なにそれ……って引かれたっていうだけの話! なんか、地雷踏んじゃったみたいな顔しなくていいから!」
手を空中でバタバタさせながら、一息でまくし立てるように言い切った。
そんな目をしないでと言われても、へクセが可哀想というか、そんな過去があったのか……と親近感? というか。
情が湧いてしまったとでもいうのか? 率直に言えば、へクセも人間なんだなぁという感じか。
今までが笑顔の印象が強い分、新鮮だし、守りたくなった。庇護欲……が一番近い。
「ソルシエール……今度からは迂闊に傷つけるようなことは言わないからな」
「私もですわ。もし、何か嫌なことがあればいつでも言ってくださいね」
「もうやめてよ~っ! この空気感、めっちゃ苦手! 軽いノリで接してくれていいから!」
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