【本編完結】嫌味な男と婚約させられた令嬢ですが、ある日その婚約者が猫になっていました

翠月 歩夢

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番外編

ライルとカレンの痴話喧嘩2(へクセ視点)

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 ほっといてもなんとかなりそうだけど、こじれると面倒だ。ちょこっとアドバイスくらいはしておこうかな。


「猫ちゃん、可愛いなんて男らしくない! って思ってるんじゃない?」
「別に男らしさなんて求めてないのですけど」
「それ伝えてあげたら? 猫ちゃんって一応王子だから、男らしくあるべきみたいな教育受けたんじゃない?」
「……確かに、その可能性はありますわね」


 ちょっと落ち着いてきたっぽい。顎に手を当てて考える素振りをしている。なにか思い当たることでもあるのかな。


「ライル様って、割とこうあるべきとかこうでなければならないという考え方をするんですよね……」
「ああ、なんかわかる」
「だから、可愛いの価値観も私と違うのかもしれません」
「うんうん。性別も違うし、そこでも意外と価値観って変わるしね」
「一度話し合ってみますわ」


 カレンはにこりと笑った。完全にいつもの感じに戻ったみたいだ。これなら仲直りできそうかな。

 猫ちゃんはカレンのこと好きだから、きっと今頃後悔してるだろうし。カレンから話そうって言ったら応じてくれそう。……多分、可愛い禁止って言ったの、照れ隠しだろうからね。


「話聞いてくれてありがとう、へクセ」
「どういたしまして~」


 これくらいなら可愛いもんだ。そもそも、僕の力がなくても解決しそうな問題だったけど。


「ところでへクセ」
「なに?」
「へクセは……可愛いって言われるの嫌だったり、します?」
「へ?」


 急にどうしたんだろう。もじもじして聞いてくるなんて、らしくないな。

 ……あ。昔、僕に可愛いって言いまくってたから気にしてるのかな? 今でもたまに言ってくるけど。


「うーん、僕はそんなに嫌じゃないかなぁ。悪い気はしないよ」
「そうなんですね、良かったですわ」


 安心したって顔してる。当たってたのかな? 


「あの、へクセ」
「ん?」
「嫌じゃないなら、これからも可愛いとか言っても大丈夫かしら?」
「うん。いいよ」


 わざわざ許可とるんだ。真面目だなぁ。まぁ、そういうところが気に入ってるからカレンといるんだけどね。


「じゃあさっそく、来た時から思っていたのですが……その洋服とても可愛いですわ! 黒の無地かと思ったら薄く、小さく猫が描かれていて。へクセによく似合っていて、可愛いです!」
「あ、ありがと……」


 すごい勢いと熱量で褒められた。僕に向かってというより服に向かって言っている気がするんだけど……許可とったのってこれ言いたかったからなのかな。

 カレン、本当に猫好きだなぁ。
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