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プロローグ
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ぼんやりと空に浮かぶ居待月を眺める。大学に進学してからは、忙しい日々が続いていたためこんな風にゆったりと空を見上げるなんて何時ぶりだろうか。
窓を開けていると、心地よい風を肌身に感じる。まだ暑く、じっとりとしているものの秋の始まりを感じさせるような香りもする。
ベランダで月光浴をして気分転換をした後、部屋に戻ろうとした時違和感を覚えた。
「うさぎ……?」
私の部屋には何故か、雪のように真っ白で見るからに柔らかそうな毛を持ったうさぎが一匹、ベッドの上に鎮座していた。
先程までは居なかったはずだ。そもそも私の住むボロアパートはペット禁止で、連れてくるようなことも無い。となると、この子が勝手に入ってきたことになるのだが……ここは二階、どうやってここに来たのだろうか。
「えっと……悪いんだけど、君はどこの子かな?」
なんとなく目の前にいる白うさぎに話しかけてみる。返事なんて来るはずも無いのだがこういう時、無言なのは少し気まずいのだ。
「うーん……こういう時は取り敢えず、保健所? もしくは警察……かな?」
探している人がいるかもしれないし、可哀想に捨てられてしまった可能性もある。なんにせよ、公的機関への連絡をした方が良いだろう。そう考え、携帯を取り出す。
「あの、すみませんが……何処かへ連絡するおつもりならやめて頂けませんか?」
電話をかけようと、液晶に手を滑らせ数字を打ち込もうとした所で、ダウナー気味の落ち着いた男性の声が正面から聞こえた。
驚いて、部屋の中に視線を送り確認するが目の前にいるうさぎと私以外、この部屋にはいない。
「ここです、ここ。俺です」
やはり正面の、うさぎがいる方から声が聞こえる。そちらに視線をやる。そこには当然白うさぎしかいない。
「この姿だと、余り興味を示して貰えないのでしょうか……?」
そんな言葉が聞こえた直後、部屋中が白い光に包まれた。眩しさに思わず、目を瞑る。
暫く経って、恐る恐る目を開ける。少しずつ瞼を持ち上げていくと、まず最初に視界に入ったのは作り物の人形のように左右対称な顔と純白の光彩を浴びているかと思う程の真っ白な髪。瞳にはトパーズが埋め込まれているみたいだ。
「これならば如何でしょう?」
先程と同じ声が聞こえる。途端にうさぎは姿を消し、美しい男性が姿を現した。
「え、えぇ? どういうことなの?」
一人、自分の部屋で見知らぬ男性を間近にして混乱する。理解が追いつかない。私の唇からは拍子抜けした声が漏れる。
「貴女にお願いがあります」
陶磁器のように白く、儚げな指が私の手を包み込む。下から覗き込むようにして黄金色の双眼が見据えてくる。
「明日から一週間、俺をここに置いて頂けないでしょうか?」
そう言い放った美しい男性は、真剣な顔で私を見た。私は何を言われているのか理解が出来ないまま、首を縦に振ってしまった。
窓を開けていると、心地よい風を肌身に感じる。まだ暑く、じっとりとしているものの秋の始まりを感じさせるような香りもする。
ベランダで月光浴をして気分転換をした後、部屋に戻ろうとした時違和感を覚えた。
「うさぎ……?」
私の部屋には何故か、雪のように真っ白で見るからに柔らかそうな毛を持ったうさぎが一匹、ベッドの上に鎮座していた。
先程までは居なかったはずだ。そもそも私の住むボロアパートはペット禁止で、連れてくるようなことも無い。となると、この子が勝手に入ってきたことになるのだが……ここは二階、どうやってここに来たのだろうか。
「えっと……悪いんだけど、君はどこの子かな?」
なんとなく目の前にいる白うさぎに話しかけてみる。返事なんて来るはずも無いのだがこういう時、無言なのは少し気まずいのだ。
「うーん……こういう時は取り敢えず、保健所? もしくは警察……かな?」
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「あの、すみませんが……何処かへ連絡するおつもりならやめて頂けませんか?」
電話をかけようと、液晶に手を滑らせ数字を打ち込もうとした所で、ダウナー気味の落ち着いた男性の声が正面から聞こえた。
驚いて、部屋の中に視線を送り確認するが目の前にいるうさぎと私以外、この部屋にはいない。
「ここです、ここ。俺です」
やはり正面の、うさぎがいる方から声が聞こえる。そちらに視線をやる。そこには当然白うさぎしかいない。
「この姿だと、余り興味を示して貰えないのでしょうか……?」
そんな言葉が聞こえた直後、部屋中が白い光に包まれた。眩しさに思わず、目を瞑る。
暫く経って、恐る恐る目を開ける。少しずつ瞼を持ち上げていくと、まず最初に視界に入ったのは作り物の人形のように左右対称な顔と純白の光彩を浴びているかと思う程の真っ白な髪。瞳にはトパーズが埋め込まれているみたいだ。
「これならば如何でしょう?」
先程と同じ声が聞こえる。途端にうさぎは姿を消し、美しい男性が姿を現した。
「え、えぇ? どういうことなの?」
一人、自分の部屋で見知らぬ男性を間近にして混乱する。理解が追いつかない。私の唇からは拍子抜けした声が漏れる。
「貴女にお願いがあります」
陶磁器のように白く、儚げな指が私の手を包み込む。下から覗き込むようにして黄金色の双眼が見据えてくる。
「明日から一週間、俺をここに置いて頂けないでしょうか?」
そう言い放った美しい男性は、真剣な顔で私を見た。私は何を言われているのか理解が出来ないまま、首を縦に振ってしまった。
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