【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる

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第1章

撃破

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 エルミナに示された、遺跡の地下深くへと続く階段。俺たちは覚悟を決め、その暗く、熱気を帯びた通路へと足を踏み入れた。一歩進むごとに空気の温度が上がり、壁からは地熱がじわりと伝わってくる。湿度は高く、硫黄のような刺激臭も混じり始め、呼吸が少しずつ苦しくなってきた。ここは、地上の穏やかな春の夜とは全く異なる、灼熱の世界への入り口だった。

 通路は天然の洞窟と、古代の技術で作られた石造りの回廊が複雑に入り組んでいた。エルミナから受け取った地図がなければ、間違いなく迷っていただろう。プルが常に先行し、その鋭敏な感覚で前方の危険を探ってくれる。
「ぷるっ! 前方、高熱の蒸気噴出口!」
「伏せろ!」

 プルの警告に、俺たちは咄嗟に地面に伏せる! 直後、壁の亀裂から灼熱の蒸気が猛烈な勢いで噴き出し、通路を満たした! 少しでも遅れていたら、大火傷を負っていただろう。
 このような古代の罠や、足元の脆い岩盤、隠された溶岩の亀裂などが、俺たちの行く手を何度も阻んだ。その度に、俺の機転、プルの索敵と水魔法、そしてリンドの頑丈さで、なんとか切り抜けていく。

 やがて通路は広くなり、溶岩が川のように流れる広大な空洞に出た。熱気はさらに強まり、鎧越しにも肌が焼けるようだ。そして、その灼熱の環境に適応した魔物たちが、俺たちを侵入者と見なし、襲いかかってきた!

「グルルルル!」
 炎を纏った巨大な狼、ヘルハウンドの群れが、溶岩の陰から飛び出してくる!
『我が行く!』

 リンドが咆哮し、覚醒した炎ブレスを放つ! 同じ炎属性のヘルハウンドには効果が薄いかと思われたが、リンドの炎はより純粋で強力なのか、ヘルハウンドの纏う炎を打ち消し、その身を焼いた!
 さらに、溶岩の中から、不定形の体を持つマグマスライムが出現する!
「プル、頼む!」
「ぷるしゅー!」

 プルの得意な水魔法が炸裂! 高熱のマグマスライムは、水に触れて激しく蒸気を上げながら動きを鈍らせる! 俺はその隙を見逃さず、『星穿』で核と思われる部分を貫いた!

 しかし、最も手強かったのは、通路の奥で待ち構えていた、全身が燃え盛る炎で構成されたフレイムゴーレムだった。物理攻撃はほとんど効かず、リンドの炎ブレスも吸収されてしまう。
『くっ…厄介な!』
「レント! あのゴーレム、冷気に弱いかも!」
 プルの助言を受け、俺は氷刃から得た知識(?)と『星穿』の魔力伝導性を利用し、剣に冷気を集中させるイメージを描いた! 完全ではないが、剣身がうっすらと白く輝く!
「これならどうだ!」

 冷気を纏った剣撃がゴーレムに触れると、ジュッと音を立てて蒸気が上がり、その動きが明らかに鈍った! そこへリンドが最大出力のブレスを叩き込み、ついにフレイムゴーレムを打ち砕くことに成功した!
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