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第一章 新しい仲間とのストローク
第五話 始まる学校生活
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柊一君は教科書みたいに綺麗なフォームで泳ぐ人だった。特に飛びこむ時の姿勢が綺麗でかっこよかった。
今でも覚えている。初めてプールの見学に訪れた日のことを。水を怖がるウチのために、柊一君が泳いでいる様子を見せてくれたんだ。
確か、暦は十月。ウチがまだ五歳の頃だったと思う。見学する前はそこまで水泳に乗り気じゃなかったのに、柊一君の飛びこむ姿を見た途端、魅了されていた。
真っ直ぐ伸ばした腕も、ゴーグル越しに見えた瞳も、四方八方へと散る水飛沫も、なにもかも覚えている。あの時の光景が、ウチの目に焼き付いて離れない。
水中に入ってからも彼の美しさは健在だった。水の抵抗なんてないみたいに、すいすいと泳ぐものだから、簡単そうに見えてしまう。
「かっこよかったよ! すごいと思った! ウチも柊一君みたいに泳げるようになるかなぁ?」
見学席に座っているウチの元に、泳ぎ終えた柊一君がやってきた。ウチは興奮しながら彼に称賛と質問を投げかけていた。遅れてやってきた柊斗君が唇を噛みしめていたことにも気が付かずに。
「ああ、紗希ちゃんなら絶対になれるよ。だから、俺たちと一緒に水泳をやろうよ!」
「うんっ!」
柊一君から差し出された手をとって、ウチは立ち上がった。怖さを払拭できたわけじゃない。けれど、柊一君と柊斗君と一緒ならなんとかなる気がした。
「いてっ」
頭に痛みを感じて目を覚ました。額の上らへんを手で抑えながら周囲を見渡すと、くすくすと笑っているクラスメイトたちの姿が目に入った。そして、眼前に丸めた教科書を持っている数学教師と目が合った途端、朦朧としていた意識が一気に覚醒した。
「いきなり眠るとはいい度胸ですね、金井さん?」
「ご、ごめんなさい!」
授業中に眠ってしまったようだ。ウチは慌てて頭を下げる。
「今後、注意するように」
「はい」
黒板の前にある教卓へと先生が戻っていく。その後姿を見ながら、教室の入り口近くの壁に掛けられた時計を確認する。まだ九時過ぎだ。お昼ご飯を食べた後の授業で眠くなるならともかく、一時間目の授業中に寝落ちしてしまうとは。自分で自分にびっくりする。
ああ、そうだ。思い出した。いつもよりも早い時間に起きて朝練をしたんだった。それで眠いのか。
理由はそれだけじゃない。昨日は夜の十二時近くまで、柊一君に送る手紙の内容を考えるのに四苦八苦していたんだった。寝落ちの原因の大半はこっちのせいだろう。でも、長時間悩んだ甲斐あって手紙が完成した。今日、柊一君に送る予定だ。
「それにしても、懐かしい夢だったな」
小声で独りごちる。あの頃は柊一君と柊斗君がかっこよく見えていたのに、今は小さくて幼い二人が可愛らしく見えてしまう。
思わず口尻が上がってしまいそうになり、慌てて元に戻す。先生に怒られたばかりなのに、ニヤニヤしてたらおかしい人だと思われちゃうよ。
「ん?」
なんだか一瞬、窓のほうの席にいる璃子と目が合ったような気がするんだけど、気のせいかな? しかも、睨んでいたような。まさかね。もう一度璃子を見てみたけれど、忙しなく手を動かしてノートにメモをしていて、目が合うことはなかった。
それからほどなくして授業の終了を告げるチャイムが鳴り、自然と安堵の息が漏れた。人間とは不思議なもので、授業中はあんなに眠いくせに休み時間になると目が冴えてしまう。
トイレに行ったり、次の授業の準備をしたりしながら休み時間を過ごしていく。自然と誰が示し合わせたわけでもないのに、明るい性格の子と暗い性格の子、どちらでもない子、それぞれがそれぞれに合う仲間を見つけてグループを形成していた。
最近見ているドラマのこととか、最近聴いている音楽のこととか、当たり障りのない内容で話題を膨らませながら、皆がみんな知り合ったばかりの他人を推し量ろうとしている。長いものに巻かれるように、ウチも他愛のない言葉を出して「うんうん」と頷いて会話を紡いでいく。
ふと気が付けば、璃子を探していた。彼女がどのグループに所属しているのか気になったからだ。けれど、彼女は授業を受けていた時と同じように椅子に座ってノートになにかをメモしていた。誰とも関わらず一人で過ごすなんて寂しくないのかな。
そういえば、いつもそうだった。
璃子は孤高の存在で、自分の道を往く人だ。誰かと同じ歩幅で歩くことをしたがらない。そんな璃子の一人で生きる様が妬ましくもあり、羨ましくもあった。
感情がもろに行動に表れてしまうウチとは違って、常に落ち着き払っていて感情に結果が左右されない。それがとても羨ましい。
一方で、冷たい性格が好きじゃなかった。なんでも一人でこなせてしまうから、他人にも同程度の実力を求めてくる節がある。
そしてなにより、璃子が教科書みたいに泳ぐことが嫌だった。ウチが憧れた柊一君みたいな泳ぎを彼女がするんだ。その泳ぎをしたいのは、ウチなのになんであんたが。そう思った回数は一度や二度じゃない。
あいつに勝てないままの自分が、ふとした瞬間にあいつの泳ぎをかっこいいと思ってしまう自分が、大嫌いだった。
結局、璃子と仲が悪い理由を考えてみたけれど、断定できるような理由が思い浮かばないまま時が過ぎてしまった。
◇◆◇
柊一君からの手紙を寮母さんから受け取ったのは、まだ少し肌寒さが残る四月末日の夜のことだった。
風呂上がりに部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、寮母さんに話しかけられたのだ。手紙の差出人を見たウチは速やかに自室へと戻った。机の椅子に座ってはやる気持ちを抑えながら、ゆっくりと開封していく。
薄い水色の封筒から出てきた二枚の便箋。まず、右下に描かれたペンギンのイラストが目に留まり、それから「紗希ちゃんへ」と横書きで書かれた一番上の文字へと視線が動いていく。小学校の頃から変わらず手書きなところが嬉しい。
手紙には進級した高校のことを中心に書かれていた。彼の通う東京松風高等学校は中高一貫校で、校舎が変わったくらいで周りは見知った顔ばかり。だから、あまり目新しさはないみたいだ。
水泳部は男子部員がとても多く、優秀な選手がたくさんいるらしい。そんな彼らに負けないよう柊一君も柊斗君もインターハイ出場を目指して頑張っている。
「へぇ……全国大会が近付いてくると、海で強化合宿を行うんだ。さらに、最終日にはバーベキューまでやるの? すごいじゃん」
立清学園の水泳部に合宿を行うなんて話は聞いたことがない。もしかしたら祝勝会はやるのかもしれないけど、柊一君たちの学校のほうが面白そうだ。
お互い全国に行けるように頑張ろう。
そう締めくくられた最後の一文を読んで、天井を見上げながら「ふぅ~」と息を吐いた。
左手の甲を額に当てて顔を上げたまま目を瞑る。
「まずは地区大会や。そこを突破しないと話にならん」
地区大会が行われるのは一か月後。戦いはもう目前まで迫っている。今は皆で仲良く楽しみながら活動している水泳部も、六月になればピリピリとした空気に変わるだろう。
地区大会を通過しても、大阪の高校が一斉に集う中央大会が待っているし、中央大会を通過したら近畿大会が待っている。全国までの道のりは果てしなく遠い。
「練習で標準記録を越えてても意味ない。本番、実力を発揮して越さなくちゃ」
水泳部の皆が速いねって褒めてくれたり、顧問の先生が大丈夫だって言ってくれたりするけれど、安心はできない。常に自己ベストを更新する気持ちで挑まないと。
柊一君の手紙を読んだからか、気分が良くなってきた。
「よーし、打倒璃子を目標にして頑張るぞ~」
「紗希、あたしがなんだって?」
腕を伸ばしてやる気をチャージしていると、背後から声がした。恐る恐る振り返ると、腕を組んだ璃子が立っていた。
「あはは、お風呂から帰ってくるの思ったより早かったね」
「ええ。今日は早めに寝ようと思って」
璃子をよく見ると、薄紫色のパジャマと御揃いのナイトキャップを被っていることに気が付いた。寝る準備は万端のようだ。
「そ、そうなんだ。じゃあ電気消そう。うん。そうしよう」
苦笑いを浮かべるウチをしばらく見つめていた璃子だったが、「もう眠いから聞かなかったことにしてあげるわ」と言ってベッドへと向かってくれた。
胸中で安堵しながら部屋の電気を消す。机の灯りを消す前に、手紙を片付けようと便箋へと手を伸ばした。消さなくちゃいけないのに、ついつい文章を目で追ってしまう。彼の言葉を見るだけで、心に安らぎが訪れる。でも、璃子をイラつかせたくないから今日はここまで。
「ふふ……」
自然と笑顔が溢れてしまう。ただの文字なのに、好きな人が書いてくれただけで、こんなにも嬉しくなっちゃうなんて。
待っててね。柊一君。
宝箱にしまうみたいに、鍵付きの引き出しに封筒を入れて電気を消した。
今でも覚えている。初めてプールの見学に訪れた日のことを。水を怖がるウチのために、柊一君が泳いでいる様子を見せてくれたんだ。
確か、暦は十月。ウチがまだ五歳の頃だったと思う。見学する前はそこまで水泳に乗り気じゃなかったのに、柊一君の飛びこむ姿を見た途端、魅了されていた。
真っ直ぐ伸ばした腕も、ゴーグル越しに見えた瞳も、四方八方へと散る水飛沫も、なにもかも覚えている。あの時の光景が、ウチの目に焼き付いて離れない。
水中に入ってからも彼の美しさは健在だった。水の抵抗なんてないみたいに、すいすいと泳ぐものだから、簡単そうに見えてしまう。
「かっこよかったよ! すごいと思った! ウチも柊一君みたいに泳げるようになるかなぁ?」
見学席に座っているウチの元に、泳ぎ終えた柊一君がやってきた。ウチは興奮しながら彼に称賛と質問を投げかけていた。遅れてやってきた柊斗君が唇を噛みしめていたことにも気が付かずに。
「ああ、紗希ちゃんなら絶対になれるよ。だから、俺たちと一緒に水泳をやろうよ!」
「うんっ!」
柊一君から差し出された手をとって、ウチは立ち上がった。怖さを払拭できたわけじゃない。けれど、柊一君と柊斗君と一緒ならなんとかなる気がした。
「いてっ」
頭に痛みを感じて目を覚ました。額の上らへんを手で抑えながら周囲を見渡すと、くすくすと笑っているクラスメイトたちの姿が目に入った。そして、眼前に丸めた教科書を持っている数学教師と目が合った途端、朦朧としていた意識が一気に覚醒した。
「いきなり眠るとはいい度胸ですね、金井さん?」
「ご、ごめんなさい!」
授業中に眠ってしまったようだ。ウチは慌てて頭を下げる。
「今後、注意するように」
「はい」
黒板の前にある教卓へと先生が戻っていく。その後姿を見ながら、教室の入り口近くの壁に掛けられた時計を確認する。まだ九時過ぎだ。お昼ご飯を食べた後の授業で眠くなるならともかく、一時間目の授業中に寝落ちしてしまうとは。自分で自分にびっくりする。
ああ、そうだ。思い出した。いつもよりも早い時間に起きて朝練をしたんだった。それで眠いのか。
理由はそれだけじゃない。昨日は夜の十二時近くまで、柊一君に送る手紙の内容を考えるのに四苦八苦していたんだった。寝落ちの原因の大半はこっちのせいだろう。でも、長時間悩んだ甲斐あって手紙が完成した。今日、柊一君に送る予定だ。
「それにしても、懐かしい夢だったな」
小声で独りごちる。あの頃は柊一君と柊斗君がかっこよく見えていたのに、今は小さくて幼い二人が可愛らしく見えてしまう。
思わず口尻が上がってしまいそうになり、慌てて元に戻す。先生に怒られたばかりなのに、ニヤニヤしてたらおかしい人だと思われちゃうよ。
「ん?」
なんだか一瞬、窓のほうの席にいる璃子と目が合ったような気がするんだけど、気のせいかな? しかも、睨んでいたような。まさかね。もう一度璃子を見てみたけれど、忙しなく手を動かしてノートにメモをしていて、目が合うことはなかった。
それからほどなくして授業の終了を告げるチャイムが鳴り、自然と安堵の息が漏れた。人間とは不思議なもので、授業中はあんなに眠いくせに休み時間になると目が冴えてしまう。
トイレに行ったり、次の授業の準備をしたりしながら休み時間を過ごしていく。自然と誰が示し合わせたわけでもないのに、明るい性格の子と暗い性格の子、どちらでもない子、それぞれがそれぞれに合う仲間を見つけてグループを形成していた。
最近見ているドラマのこととか、最近聴いている音楽のこととか、当たり障りのない内容で話題を膨らませながら、皆がみんな知り合ったばかりの他人を推し量ろうとしている。長いものに巻かれるように、ウチも他愛のない言葉を出して「うんうん」と頷いて会話を紡いでいく。
ふと気が付けば、璃子を探していた。彼女がどのグループに所属しているのか気になったからだ。けれど、彼女は授業を受けていた時と同じように椅子に座ってノートになにかをメモしていた。誰とも関わらず一人で過ごすなんて寂しくないのかな。
そういえば、いつもそうだった。
璃子は孤高の存在で、自分の道を往く人だ。誰かと同じ歩幅で歩くことをしたがらない。そんな璃子の一人で生きる様が妬ましくもあり、羨ましくもあった。
感情がもろに行動に表れてしまうウチとは違って、常に落ち着き払っていて感情に結果が左右されない。それがとても羨ましい。
一方で、冷たい性格が好きじゃなかった。なんでも一人でこなせてしまうから、他人にも同程度の実力を求めてくる節がある。
そしてなにより、璃子が教科書みたいに泳ぐことが嫌だった。ウチが憧れた柊一君みたいな泳ぎを彼女がするんだ。その泳ぎをしたいのは、ウチなのになんであんたが。そう思った回数は一度や二度じゃない。
あいつに勝てないままの自分が、ふとした瞬間にあいつの泳ぎをかっこいいと思ってしまう自分が、大嫌いだった。
結局、璃子と仲が悪い理由を考えてみたけれど、断定できるような理由が思い浮かばないまま時が過ぎてしまった。
◇◆◇
柊一君からの手紙を寮母さんから受け取ったのは、まだ少し肌寒さが残る四月末日の夜のことだった。
風呂上がりに部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、寮母さんに話しかけられたのだ。手紙の差出人を見たウチは速やかに自室へと戻った。机の椅子に座ってはやる気持ちを抑えながら、ゆっくりと開封していく。
薄い水色の封筒から出てきた二枚の便箋。まず、右下に描かれたペンギンのイラストが目に留まり、それから「紗希ちゃんへ」と横書きで書かれた一番上の文字へと視線が動いていく。小学校の頃から変わらず手書きなところが嬉しい。
手紙には進級した高校のことを中心に書かれていた。彼の通う東京松風高等学校は中高一貫校で、校舎が変わったくらいで周りは見知った顔ばかり。だから、あまり目新しさはないみたいだ。
水泳部は男子部員がとても多く、優秀な選手がたくさんいるらしい。そんな彼らに負けないよう柊一君も柊斗君もインターハイ出場を目指して頑張っている。
「へぇ……全国大会が近付いてくると、海で強化合宿を行うんだ。さらに、最終日にはバーベキューまでやるの? すごいじゃん」
立清学園の水泳部に合宿を行うなんて話は聞いたことがない。もしかしたら祝勝会はやるのかもしれないけど、柊一君たちの学校のほうが面白そうだ。
お互い全国に行けるように頑張ろう。
そう締めくくられた最後の一文を読んで、天井を見上げながら「ふぅ~」と息を吐いた。
左手の甲を額に当てて顔を上げたまま目を瞑る。
「まずは地区大会や。そこを突破しないと話にならん」
地区大会が行われるのは一か月後。戦いはもう目前まで迫っている。今は皆で仲良く楽しみながら活動している水泳部も、六月になればピリピリとした空気に変わるだろう。
地区大会を通過しても、大阪の高校が一斉に集う中央大会が待っているし、中央大会を通過したら近畿大会が待っている。全国までの道のりは果てしなく遠い。
「練習で標準記録を越えてても意味ない。本番、実力を発揮して越さなくちゃ」
水泳部の皆が速いねって褒めてくれたり、顧問の先生が大丈夫だって言ってくれたりするけれど、安心はできない。常に自己ベストを更新する気持ちで挑まないと。
柊一君の手紙を読んだからか、気分が良くなってきた。
「よーし、打倒璃子を目標にして頑張るぞ~」
「紗希、あたしがなんだって?」
腕を伸ばしてやる気をチャージしていると、背後から声がした。恐る恐る振り返ると、腕を組んだ璃子が立っていた。
「あはは、お風呂から帰ってくるの思ったより早かったね」
「ええ。今日は早めに寝ようと思って」
璃子をよく見ると、薄紫色のパジャマと御揃いのナイトキャップを被っていることに気が付いた。寝る準備は万端のようだ。
「そ、そうなんだ。じゃあ電気消そう。うん。そうしよう」
苦笑いを浮かべるウチをしばらく見つめていた璃子だったが、「もう眠いから聞かなかったことにしてあげるわ」と言ってベッドへと向かってくれた。
胸中で安堵しながら部屋の電気を消す。机の灯りを消す前に、手紙を片付けようと便箋へと手を伸ばした。消さなくちゃいけないのに、ついつい文章を目で追ってしまう。彼の言葉を見るだけで、心に安らぎが訪れる。でも、璃子をイラつかせたくないから今日はここまで。
「ふふ……」
自然と笑顔が溢れてしまう。ただの文字なのに、好きな人が書いてくれただけで、こんなにも嬉しくなっちゃうなんて。
待っててね。柊一君。
宝箱にしまうみたいに、鍵付きの引き出しに封筒を入れて電気を消した。
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