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第57話 過去の夢(side:ライト/橘 光)
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その日俺は、久しぶりに懐かしい夢を見た。
夢の中での俺は前世の橘 光で、自室のベッドに寝そべりながら、これまた懐かしいスマホを弄っていた。
スマホの画面には、俺がこよなく愛した天下無双のドマイナーゲーム『ブレイブクライムオンライン』の一場面が映っている。
「げッ、何こいつ……この臨時討伐モンスター、物理も魔法も攻撃通らねぇじゃん、何で!?」
「ちょいと掲示板でイベント討伐情報見てくるか……」
「……え、何?こいつ、固定ダメしか通らない、だとぅ?」
「いやいやいやいや、ちょっと待て。待つんだ、待ってくれ……てことは、何か?まさか……」
「物理でも魔法でもない、固定ダメスキルを使わにゃならんの?」
「…………ぐおおおおッッッ!!」
光はベッドの上でゴロゴロとのたうち回る。
「俺、あんな固定ダメージ10しか出せないゴミスキルなんざ要らねーわ!とか思って、スキル取ってねーじゃん!」
「え、ウッソ、んじゃ何か、あの臨時討伐クリアするには、ファイパン取り直しに転職しなきゃなんねーってのか!?」
「ぐああああッ、ゴミスキルなんて馬鹿にせず、取れるもんは何でも取っときゃよかったぁーーーッ、ちくしょーーーッ!!」
散々喚いた後、しばらくうつ伏せのまま微動だにしない。
うつ伏せのまま、何やらブツブツと呟いている。
「うぁーーー、レベルリセットしたくねぇ……」
「カンストなるまでに、結構時間かかったってのに……」
「しかし、ファイパン取るためだけに『王者の覚醒』は使いたかねぇし……」
「はぁぁぁぁ……しゃあない、久々に転職するしかないかぁ……」
「ま、戦士系職業は4次職まで全部クリア済みだから、スキルを取ること自体は秒で終わるし」
渋々といった様子でのそのそと起き上がると、再びスマホを弄り始めた。
「はぁー、ディーノ村の転職神殿行くの、すんげー久しぶりだわー」
「熟練度上げの転生マラソンも、久しくやってねぇし」
「あー、この転職神殿の名も無き巫女さん、エルフっぽくて何気に可愛いわー」
「……んじゃ、諦めてサクッと転生しますか……ポチッとなー」
ゲーム内のレベル上限250に達した、いわゆるカンストと呼ばれる状態のキャラクターを、潔くリセットしてレベル1に戻した光。
そこから転職神殿と呼ばれる場所で職業を選び直し、改めてそれまで取得していなかったスキル『ファイターパンチ』をショップで購入し、習得する。
そして再び、冒険討伐をガンガンこなしてひたすらレベル上げをしていく。
そんな酷く懐かしい、過去の己の記憶の光景―――ライトはそれを、夢の中特有の俯瞰視点で眺めていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
どれだけの時間、懐かしい過去の夢をそうして見ていただろうか。
ライトとして再び目覚めた時、ふと窓の方を見ると外はもう明るかった。
目をこすりながら周りを見回してみると、自分はベッドに寝かされていたことに気づくライト。いつもいっしょに寝ているレオニスは、ベッドの中にはいない。
背伸びをしてのそのそとベッドから出て、まだ眠たい目をこすりながら食堂の方に向かうライト。
食堂にはレオニスがいて、ちょうど朝食の支度を終えたところだった。
「お、ライト、起きたか?」
ライトの方に素早く駆け寄り、ライトの額に手を当てて熱を計るような仕草をした。
「ん、とりあえず熱とかは出てなさそうだな」
「お前、昨夜急に倒れ込むようにソファに寝たから、心配したぞ?」
「昨日はよほど疲れたんだな」
「あんまり無理しても身体に良くないから、今日明日は鍛錬も外出も一切なしで休め」
「俺も今日は大剣の手入れとかしながら、一日家にいるから」
レオニスは、昨日のライトは疲れ過ぎて寝てしまったと思っているようだ。
ライトは疲労で寝ついたのではなく、おそらくは諸々のショックが強過ぎてガチ失神してしまったのだが。
実はライトの方も、あの後どうやって家に帰ってきたのか、全く覚えていない。レオニスによると、帰宅してソファに倒れ込むまでは自分の足で歩いて帰ってきたようだが、そこら辺全く思い出せないのだ。
しかし、超一流の冒険者で変に勘の鋭いレオニスが、果たしてそんなキニシナイ!的な勘違いをするかどうか、ライトは一瞬疑った。
普段どれほど己に関することには疎くても、ライトのこととなるとそれこそかーちゃん並みの察知能力を発揮させるというのに。
だが、もしも何かを勘づいた上で何も知らないふりをしてくれているなら、その方がありがたいのでライトも何も言わないことにする。
「うん、分かった、そうする。レオ兄ちゃん、心配かけてごめんなさい」
「いや、俺ももうちょい考えるべきだった。ラグーン学園の入学間近でいろいろ支度しなきゃいけないとはいえ、急ぎ過ぎてお前が倒れちゃ本末転倒だ」
「ううん、全部ぼくのためだもの、ぼくだってきちんと自分の支度しなくちゃ」
「ライトはいつも頑張ってて偉いな。でも、今日と明日くらいはきちんと休めよ?」
「分かってるよ。本でも読みながら、おうちの中でのんびり過ごすことにするよ」
「学園が始まるまで、あと四日ある。ラグナロッツァの家の周辺や通学路の案内は、天気次第だが明々後日の朝に晴れてたら行こうか」
「はーい、了解ー」
そんな会話を交わしながら朝食を済ませて、二人はそれぞれに行動を始める。
ライトは自室に戻り、ベッドの上に寝そべりながら昨日のことを考察することにした。
『本当にこの世界は、俺の知るブレイブクライムオンライン、なのか?』
『もしかしたら、偶然にも一部が似ているだけで』
『実は全く別物の世界、なのではないか?』
一旦そこまで考えて、やはり自身で否定する。
『いや、そんなはずはない……俺はレオ兄のことも、クレア嬢のことも前世で見知っている』
『前世のスマホの画面の中で散々遊んできた、馴染みの世界だ』
『この俺が、見間違うはずなどない』
レオニスやクレアなどの見知った顔以外にも、アクシーディア公国にカタポレンの森、ラグナロッツァやハイロマ王国他諸外国等々、地名にも見覚えのありまくる名詞がいくらでも溢れている。
『だとしても、この世界のジョブ……俺の知る職業システムとここまで違うとは……もはや完全なる別物のシステムと断言してもいい』
『だいたい何なんだ、神殿で適性判断?その上で、最も個人に適したジョブを選ぶ?しかも、スクロール授与は人生一度きり、だと?』
『こんな、ユーザー側に一切選択肢が与えられていないも同然の、窮屈極まりないジョブシステムなんて冗談じゃない』
『ふざけんな!俺は認めん、そんなもんは絶対に認めんぞ!!』
怒り心頭に発するライトは、手を握りしめながら震える。
ライトが知る職業システムは、ユーザーがやりたいと思えばいつでも変えられて、特定のスキルが欲しいと思えばいつでもやり直しの効く、柔軟性の高いものだった。
物理で殴るだけじゃ倒せないモンスターが出た!となればすぐにでも魔職に転職し、魔法は飽きたから今度は物理で殴り放題したい!と思えばいつでも変更できた。
その自由度の高さを知るライトからすれば、一生に一度きりしか職を選べないというのは信じ難い暴挙だ。心境的には籠の中の鳥と大差ない窮屈さである。
『…………しかし…………』
『いくら認めんと喚いたところで、俺一人でどうこうできるとは到底思えん』
『既に決まりきった、型枠に嵌った社会のシステムに俺個人がたった一人で抗うことは―――果たして可能なのか?』
『……いや、たとえその可能性がどれだけ低かろうと―――このまま座してジョブシステムに呑み込まれるのを待つ訳にはいかない』
一個人が社会全体を相手取り、その常識に立ち向かい抗うなど普通なら到底考えられないことだ。
だが、それでも、どうしても、ライトはこの世界のジョブシステムの型枠に嵌まることだけは、何としても受け入れられなかった。
たった一つの職しか選べず、以後はずっとそれに固定されて転職はおろか2次職3次職といった進化の道も歩めない。
進化によって職業を究めるでもなく、特定の一職に永久に縛られたままほんの僅かな寄り道さえも許されず、己を高めることもできない。
そんな単調極まりない人生など、真っ平御免だった。
『だが、そうなると……俺はどう動けばいいんだろうか』
『今のまま黙って無為に過ごせば、10歳になった時に神殿に連れてかれてジョブ選択させられるのがオチだ』
『そうなる前に、まず何としてでも職業システムを見つけださなきゃならんが……』
そこまで考えた時、ライトはふと昨晩見た夢を思い出した。
名も無き可愛らしいエルフ風巫女の、穏やかで無垢な笑顔が思い浮かぶ。
『……そうだ、ブレイブクライムオンラインで転職神殿があったのは―――ディーノ村だ』
『ディーノ村と一口に言っても、この世界のディーノ村のどこら辺にあるかまでは分からんが……』
『ディーノ村に行けば、転職神殿について何かしらの手がかりが得られるかも……』
『まずはディーノ村に行って、この目とこの耳で確かめなきゃ話にならん』
『とはいえ、学園が始まったらいつ行けるか分からんな……』
『学園が始まる前に―――そうだな、レオ兄には散策と称して明後日あたり連れてってもらうか』
ライトは一人、策を練り続けるのであった。
====================
固定ダメージスキル『ファイターパンチ』通称ファイパン、別名ファイターおぱんつ。
「固定ダメージスキル」とは、その名の通りどんな相手に対しても一定量のダメージを与えられるスキル。
同様の効果を持つスキルは他にもいくつかあり、その量は10だったり20だったり50だったりします。
HP何万何十万何百万のモンスター相手では、ダメージ10など文字通り雑魚スキルですが、物理攻撃も魔法攻撃も通らない完全無効の特殊タイプには有効なのです。
そして、さすがにその手の特殊タイプモンスターのHPは3桁台なので、本来雑魚な固定ダメージ10でも50回も連打すりゃ勝てる、という仕様なのです。
夢の中での俺は前世の橘 光で、自室のベッドに寝そべりながら、これまた懐かしいスマホを弄っていた。
スマホの画面には、俺がこよなく愛した天下無双のドマイナーゲーム『ブレイブクライムオンライン』の一場面が映っている。
「げッ、何こいつ……この臨時討伐モンスター、物理も魔法も攻撃通らねぇじゃん、何で!?」
「ちょいと掲示板でイベント討伐情報見てくるか……」
「……え、何?こいつ、固定ダメしか通らない、だとぅ?」
「いやいやいやいや、ちょっと待て。待つんだ、待ってくれ……てことは、何か?まさか……」
「物理でも魔法でもない、固定ダメスキルを使わにゃならんの?」
「…………ぐおおおおッッッ!!」
光はベッドの上でゴロゴロとのたうち回る。
「俺、あんな固定ダメージ10しか出せないゴミスキルなんざ要らねーわ!とか思って、スキル取ってねーじゃん!」
「え、ウッソ、んじゃ何か、あの臨時討伐クリアするには、ファイパン取り直しに転職しなきゃなんねーってのか!?」
「ぐああああッ、ゴミスキルなんて馬鹿にせず、取れるもんは何でも取っときゃよかったぁーーーッ、ちくしょーーーッ!!」
散々喚いた後、しばらくうつ伏せのまま微動だにしない。
うつ伏せのまま、何やらブツブツと呟いている。
「うぁーーー、レベルリセットしたくねぇ……」
「カンストなるまでに、結構時間かかったってのに……」
「しかし、ファイパン取るためだけに『王者の覚醒』は使いたかねぇし……」
「はぁぁぁぁ……しゃあない、久々に転職するしかないかぁ……」
「ま、戦士系職業は4次職まで全部クリア済みだから、スキルを取ること自体は秒で終わるし」
渋々といった様子でのそのそと起き上がると、再びスマホを弄り始めた。
「はぁー、ディーノ村の転職神殿行くの、すんげー久しぶりだわー」
「熟練度上げの転生マラソンも、久しくやってねぇし」
「あー、この転職神殿の名も無き巫女さん、エルフっぽくて何気に可愛いわー」
「……んじゃ、諦めてサクッと転生しますか……ポチッとなー」
ゲーム内のレベル上限250に達した、いわゆるカンストと呼ばれる状態のキャラクターを、潔くリセットしてレベル1に戻した光。
そこから転職神殿と呼ばれる場所で職業を選び直し、改めてそれまで取得していなかったスキル『ファイターパンチ』をショップで購入し、習得する。
そして再び、冒険討伐をガンガンこなしてひたすらレベル上げをしていく。
そんな酷く懐かしい、過去の己の記憶の光景―――ライトはそれを、夢の中特有の俯瞰視点で眺めていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
どれだけの時間、懐かしい過去の夢をそうして見ていただろうか。
ライトとして再び目覚めた時、ふと窓の方を見ると外はもう明るかった。
目をこすりながら周りを見回してみると、自分はベッドに寝かされていたことに気づくライト。いつもいっしょに寝ているレオニスは、ベッドの中にはいない。
背伸びをしてのそのそとベッドから出て、まだ眠たい目をこすりながら食堂の方に向かうライト。
食堂にはレオニスがいて、ちょうど朝食の支度を終えたところだった。
「お、ライト、起きたか?」
ライトの方に素早く駆け寄り、ライトの額に手を当てて熱を計るような仕草をした。
「ん、とりあえず熱とかは出てなさそうだな」
「お前、昨夜急に倒れ込むようにソファに寝たから、心配したぞ?」
「昨日はよほど疲れたんだな」
「あんまり無理しても身体に良くないから、今日明日は鍛錬も外出も一切なしで休め」
「俺も今日は大剣の手入れとかしながら、一日家にいるから」
レオニスは、昨日のライトは疲れ過ぎて寝てしまったと思っているようだ。
ライトは疲労で寝ついたのではなく、おそらくは諸々のショックが強過ぎてガチ失神してしまったのだが。
実はライトの方も、あの後どうやって家に帰ってきたのか、全く覚えていない。レオニスによると、帰宅してソファに倒れ込むまでは自分の足で歩いて帰ってきたようだが、そこら辺全く思い出せないのだ。
しかし、超一流の冒険者で変に勘の鋭いレオニスが、果たしてそんなキニシナイ!的な勘違いをするかどうか、ライトは一瞬疑った。
普段どれほど己に関することには疎くても、ライトのこととなるとそれこそかーちゃん並みの察知能力を発揮させるというのに。
だが、もしも何かを勘づいた上で何も知らないふりをしてくれているなら、その方がありがたいのでライトも何も言わないことにする。
「うん、分かった、そうする。レオ兄ちゃん、心配かけてごめんなさい」
「いや、俺ももうちょい考えるべきだった。ラグーン学園の入学間近でいろいろ支度しなきゃいけないとはいえ、急ぎ過ぎてお前が倒れちゃ本末転倒だ」
「ううん、全部ぼくのためだもの、ぼくだってきちんと自分の支度しなくちゃ」
「ライトはいつも頑張ってて偉いな。でも、今日と明日くらいはきちんと休めよ?」
「分かってるよ。本でも読みながら、おうちの中でのんびり過ごすことにするよ」
「学園が始まるまで、あと四日ある。ラグナロッツァの家の周辺や通学路の案内は、天気次第だが明々後日の朝に晴れてたら行こうか」
「はーい、了解ー」
そんな会話を交わしながら朝食を済ませて、二人はそれぞれに行動を始める。
ライトは自室に戻り、ベッドの上に寝そべりながら昨日のことを考察することにした。
『本当にこの世界は、俺の知るブレイブクライムオンライン、なのか?』
『もしかしたら、偶然にも一部が似ているだけで』
『実は全く別物の世界、なのではないか?』
一旦そこまで考えて、やはり自身で否定する。
『いや、そんなはずはない……俺はレオ兄のことも、クレア嬢のことも前世で見知っている』
『前世のスマホの画面の中で散々遊んできた、馴染みの世界だ』
『この俺が、見間違うはずなどない』
レオニスやクレアなどの見知った顔以外にも、アクシーディア公国にカタポレンの森、ラグナロッツァやハイロマ王国他諸外国等々、地名にも見覚えのありまくる名詞がいくらでも溢れている。
『だとしても、この世界のジョブ……俺の知る職業システムとここまで違うとは……もはや完全なる別物のシステムと断言してもいい』
『だいたい何なんだ、神殿で適性判断?その上で、最も個人に適したジョブを選ぶ?しかも、スクロール授与は人生一度きり、だと?』
『こんな、ユーザー側に一切選択肢が与えられていないも同然の、窮屈極まりないジョブシステムなんて冗談じゃない』
『ふざけんな!俺は認めん、そんなもんは絶対に認めんぞ!!』
怒り心頭に発するライトは、手を握りしめながら震える。
ライトが知る職業システムは、ユーザーがやりたいと思えばいつでも変えられて、特定のスキルが欲しいと思えばいつでもやり直しの効く、柔軟性の高いものだった。
物理で殴るだけじゃ倒せないモンスターが出た!となればすぐにでも魔職に転職し、魔法は飽きたから今度は物理で殴り放題したい!と思えばいつでも変更できた。
その自由度の高さを知るライトからすれば、一生に一度きりしか職を選べないというのは信じ難い暴挙だ。心境的には籠の中の鳥と大差ない窮屈さである。
『…………しかし…………』
『いくら認めんと喚いたところで、俺一人でどうこうできるとは到底思えん』
『既に決まりきった、型枠に嵌った社会のシステムに俺個人がたった一人で抗うことは―――果たして可能なのか?』
『……いや、たとえその可能性がどれだけ低かろうと―――このまま座してジョブシステムに呑み込まれるのを待つ訳にはいかない』
一個人が社会全体を相手取り、その常識に立ち向かい抗うなど普通なら到底考えられないことだ。
だが、それでも、どうしても、ライトはこの世界のジョブシステムの型枠に嵌まることだけは、何としても受け入れられなかった。
たった一つの職しか選べず、以後はずっとそれに固定されて転職はおろか2次職3次職といった進化の道も歩めない。
進化によって職業を究めるでもなく、特定の一職に永久に縛られたままほんの僅かな寄り道さえも許されず、己を高めることもできない。
そんな単調極まりない人生など、真っ平御免だった。
『だが、そうなると……俺はどう動けばいいんだろうか』
『今のまま黙って無為に過ごせば、10歳になった時に神殿に連れてかれてジョブ選択させられるのがオチだ』
『そうなる前に、まず何としてでも職業システムを見つけださなきゃならんが……』
そこまで考えた時、ライトはふと昨晩見た夢を思い出した。
名も無き可愛らしいエルフ風巫女の、穏やかで無垢な笑顔が思い浮かぶ。
『……そうだ、ブレイブクライムオンラインで転職神殿があったのは―――ディーノ村だ』
『ディーノ村と一口に言っても、この世界のディーノ村のどこら辺にあるかまでは分からんが……』
『ディーノ村に行けば、転職神殿について何かしらの手がかりが得られるかも……』
『まずはディーノ村に行って、この目とこの耳で確かめなきゃ話にならん』
『とはいえ、学園が始まったらいつ行けるか分からんな……』
『学園が始まる前に―――そうだな、レオ兄には散策と称して明後日あたり連れてってもらうか』
ライトは一人、策を練り続けるのであった。
====================
固定ダメージスキル『ファイターパンチ』通称ファイパン、別名ファイターおぱんつ。
「固定ダメージスキル」とは、その名の通りどんな相手に対しても一定量のダメージを与えられるスキル。
同様の効果を持つスキルは他にもいくつかあり、その量は10だったり20だったり50だったりします。
HP何万何十万何百万のモンスター相手では、ダメージ10など文字通り雑魚スキルですが、物理攻撃も魔法攻撃も通らない完全無効の特殊タイプには有効なのです。
そして、さすがにその手の特殊タイプモンスターのHPは3桁台なので、本来雑魚な固定ダメージ10でも50回も連打すりゃ勝てる、という仕様なのです。
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