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三十四
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「なんだか元気が出ました。ありがとうございます。」
ユグナの表情は晴々としている。
「お役に立てたなら良かったです」
「あぁそうだ…!市場の方に出かけてみませんか?」
「市場…?」
「はい。食べ物や小物…色んな物が売っています。私の知り合いも何人かいますし。」
「へぇ~行ってみたいです」
「それでは行ってみましょうか」
二人は湖畔を抜け、草道を歩いた。二手に別れる道がありユグナはこっちですよといい右の道を示した。
「左の道は遊園地になっています。今度皆さんで遊びに行きましょうね」
遊園地…楽しそう…!
右道に進むとレンガ造りの建物が並びパーティで見かけそうな三角の旗が吊るしてあった。
人通りも多い。
にぎやかでちょっと異世界っぽい
いやある意味異世界か
「おおユグナじゃないか!」
威勢のいい声で市場の人が話しかけてきた。
年は五十くらいだろうか?
こういう人をイケオジっていうのかな
ユグナも「バドさんこんにちは!お元気にされていましたか」と答える。
「元気さ!隣の若造は?」
「この子は私の主様です」
「そうか!おっとそれは失礼しました」
「いいえそんな…」
なんだか謙遜してしまう。
「紹介しますね。この方はヨークさんの父のバドさんです」
「え!そうなんですか」
「はい。バドさん、ヨークさんも主様の執事をしているんですよ」
「そうなのか!そりゃうちのバカ息子がすまんね」
バカ息子って…
「そんな事ないです!息子さんは心優しい俺の友達です!」
「そりゃいい事言ってくれるね!あの子に友達ができるなんて…一時期は親友を亡くしてからもう僕は友達を作らないっていってたのにな…
友達になってくれて本当に嬉しい限りだよ」
……そうだったんだ
「こちらこそありがとうございます!お礼は俺の方が言うべきなのに」
バドさんは少し涙ぐんでいるようにも見える。
「ちなみにここにきたのは何か用があってきたのか?」
「はい。主様に似合うペンダントを探していまして」
ペンダント?!そんなの聞いてないよ
「おおそれなら色々あるさ 見ていけよ」
「では失礼します」
「そうですね…凪様はいるだけで周りを癒してくれるので緑愛石のペンダントはどうでしょう」
「…………ユグナ……その石言葉知ってて買おうとしているのか?」
バドさんは目を見張って驚いている。
「はい。もちろんです。でも凪様には秘密ですよ」
「……ああ……分かった」
呆然と立ち尽くすバドさんを見て俺は石言葉の意味が気になってしょうがなかった。
「意味って何なんですか?」
「秘密です」
ユグナは口に人差し指を当てて微笑むだけで教えてくれない。
ああこの世界にスマホがあればぐぐれるのに
いやぐぐっても載ってないよな
ユグナの表情は晴々としている。
「お役に立てたなら良かったです」
「あぁそうだ…!市場の方に出かけてみませんか?」
「市場…?」
「はい。食べ物や小物…色んな物が売っています。私の知り合いも何人かいますし。」
「へぇ~行ってみたいです」
「それでは行ってみましょうか」
二人は湖畔を抜け、草道を歩いた。二手に別れる道がありユグナはこっちですよといい右の道を示した。
「左の道は遊園地になっています。今度皆さんで遊びに行きましょうね」
遊園地…楽しそう…!
右道に進むとレンガ造りの建物が並びパーティで見かけそうな三角の旗が吊るしてあった。
人通りも多い。
にぎやかでちょっと異世界っぽい
いやある意味異世界か
「おおユグナじゃないか!」
威勢のいい声で市場の人が話しかけてきた。
年は五十くらいだろうか?
こういう人をイケオジっていうのかな
ユグナも「バドさんこんにちは!お元気にされていましたか」と答える。
「元気さ!隣の若造は?」
「この子は私の主様です」
「そうか!おっとそれは失礼しました」
「いいえそんな…」
なんだか謙遜してしまう。
「紹介しますね。この方はヨークさんの父のバドさんです」
「え!そうなんですか」
「はい。バドさん、ヨークさんも主様の執事をしているんですよ」
「そうなのか!そりゃうちのバカ息子がすまんね」
バカ息子って…
「そんな事ないです!息子さんは心優しい俺の友達です!」
「そりゃいい事言ってくれるね!あの子に友達ができるなんて…一時期は親友を亡くしてからもう僕は友達を作らないっていってたのにな…
友達になってくれて本当に嬉しい限りだよ」
……そうだったんだ
「こちらこそありがとうございます!お礼は俺の方が言うべきなのに」
バドさんは少し涙ぐんでいるようにも見える。
「ちなみにここにきたのは何か用があってきたのか?」
「はい。主様に似合うペンダントを探していまして」
ペンダント?!そんなの聞いてないよ
「おおそれなら色々あるさ 見ていけよ」
「では失礼します」
「そうですね…凪様はいるだけで周りを癒してくれるので緑愛石のペンダントはどうでしょう」
「…………ユグナ……その石言葉知ってて買おうとしているのか?」
バドさんは目を見張って驚いている。
「はい。もちろんです。でも凪様には秘密ですよ」
「……ああ……分かった」
呆然と立ち尽くすバドさんを見て俺は石言葉の意味が気になってしょうがなかった。
「意味って何なんですか?」
「秘密です」
ユグナは口に人差し指を当てて微笑むだけで教えてくれない。
ああこの世界にスマホがあればぐぐれるのに
いやぐぐっても載ってないよな
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