君の悲劇を終わらせる〜廻る世界で再び出会う〜

夜野ヒカリ

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2章 謎の記憶

8 異変の原因

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 改稿のご報告です。
 前話までの夢の「少年」の記述を「青年」に変更しました。
 それに伴い、主人公が夢の彼に対して予想した年齢を「15歳」から「18歳」にいたしました。

 改稿が多くて申し訳ありませんm(__)m


~~~~~~~~~~~~~

 
 兄様の部屋を飛び出して、その足で、父様の執務室に向かう。
 
 ………兄様驚いちゃったかな?急に出てきちゃったし、、


---------------

 
─────バンッ

「父様!」

「ラストル、驚いてしまうから、ノックはしなさい」

「す、すいません……!」

 また、やってしまった…………
 急いでいたあまりノックもせずにドアを開けてしまったけど、 父様怒っていないみたいだ。
 よ、良かった………

 ───ニコッ
「ラストル様?もう一度、マナーの勉強を致しますか?」

「だ、大丈夫です!部屋に飛び込んでしまい申し訳ありませんでした。」

 グレンもいたのか……
 レイ伯爵家では、7歳になったらマナーについて勉強するんだけど、カイル兄様と僕はグレンに教えてもらって……………
 分かりやすくて、丁寧なんだけどね?

 やっぱり、小さい頃のトラウマ?がね…………

「ラストル様?」

「な、なんでもない!」

「……それで、突然どうしたんだ?」

 ………父様、笑ってましたよね?
 まぁ、いっか

「はい、昨日の話のことなのですが、先程カイル兄様とお話しして思ったことがあって……」

「その前に、カイルはどんな様子だった?」

「レイラ様から、お手紙をいただいたと、大変嬉しそうにしておりましたが、目が虚ろでした」

「そうか…………それで、思ったことというのは?」

「はい、まず父様とグレンはレイラ様と直接お会いしていませんよね?」

「あぁ」「はい」

「これ程多くの人を狂わせる方法は、昨日父様が説明してくださった魔術しかないと思うのですが、魔術をかけるためには、相手と直接会わなければならないのだと思います。……………………僕はなぜかかっていないのか分かりませんが……」

「そうか!おかしくなっていないのは、お前を除くと普段部屋に籠っている私とグレン。裏を返せば、おかしくなっているのは、レイラ嬢に会った者たちということか!」

 そう、レイラ様に直接会ったは、僕以外例外なく虚ろな目をして、レイラ様を褒め称えている。

「…………お前は、魔術耐性があるのかもしれないな」

「魔術耐性ですか?」

「あぁ、一度魔術にかかると、同じ魔術にかからなくなるらしい。……………だが、魔術耐性はその上でその魔術にかかりたくないという強い気持ちがないと顕れない」

 僕は魔術にかかったことがあるのか?
 そんなはずはない。僕は魔術の存在しないこの世界で生きてきたんだから………

「他にはあるか?」

「はい、確証はないのですが、屋敷の者たちにかかった魔術は完璧ではないかもしれません」

「本当か?」

「先程、カイル兄様の部屋に行ってきたのですが、僕が部屋に入った時はいつも通りの綺麗な瞳で、僕が兄様の様子について考え込んでいた時も、『大丈夫か?』と綺麗な瞳で心配してくれました」

「確かか?」

「はい、僕が『レイラ様について聞きたいことがある』と言うと、とたんに虚ろな瞳に変わり、イリス様の話をすると敵意を剥き出しにしておりました。何か、魔術発動の鍵があるのかと………」

「フム……話を聞く限りでは、レイラ嬢やサン侯爵家に関する言葉だろうな。レイラ嬢に直接会うことでかかり、ある条件で発動するのか…………」

「あの、父様…………別世界の記憶を持って生まれるということはあるのでしょうか?」

「………………この国には前列がないが、他の国には何人かいたと聞いている。
…………レイラ嬢が魔術の存在する世界での記憶を持っていると考えているのか?」

「はい、、、、」

 可能性は高いと思う。

「可能性はあるな、、調べてみよう。報告してくれてありがとう」

 父様は緊張の解ける優しい笑顔で微笑んだ。

「いえ、突然訪ねてしまい、申し訳ありませんでした。」

「ははは!そうだな」

 …………父様が声を出して笑うの、初めて見た!
 いつも笑顔を浮かべてはいるけど、落ち着いた雰囲気の人だから。

「私の方も少し調べてみよう。ここにいる3人は魔術にかからないように注意しなければ。…………………昨日は言い忘れてしまったが、ここでの話は誰にも言わないようにしてくれ」

「もちろんです!それでは、失礼します」

「あぁ」

 僕は父様の執務室のドアを静かに閉め、小さくため息をついた。

 ………………父様もグレンも、複雑な気持ちだろうに、それを僕に感じさせようとしない。
 自分の家族や仲間が〝魔術〟なんてゆうよく分からない力でおかしくなってしまっているのだ。

 僕だって、優しい家族や自分たちに尽くしてくれた使用人たちが虚ろな目をしているのを見るのが辛い………

 イルが理由もなく、悪く言われるのを聞くのも気分が悪いが、皆、自分の意志ではないはずだ。

 イルはどうしているだろう?

 辛くはないだろうか?
 いくら、聡明でしっかりしているとは言っても、彼女はまだ7歳だ。平気でいられるはずがない、、

 1回しか会えないまま、半年も経ってしまった………

 早く君に会いたいよ………イル。



〈──────彼女を守れ!〉



 あの声は消えることなく、僕の頭と心の中に残っている────────

 

~~~~~~~~~~~


読んでいただきありがとうございます("⌒∇⌒")


 次は、レイ伯爵(ラスの父)視点です。
 お楽しみください!

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