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2章 謎の記憶
9 屋敷の異変と息子に思うこと
しおりを挟むライル(ラストルの父)視点です。
~~~~~~~~~~~~~
私はレイ伯爵家当主、ライル・レイ。
今は私付きの執事であるグレンと仕事をしている。
私の仕事は領地に関することで、領地を持つ貴族家当主なら、誰でもすることであるが、我が伯爵家は普通の領地よりも広大で、領民も多いのだ。
それ故に仕事が多く、日中は仕事詰めになってしまう………ここ数年、妻や子供達との時間がほとんど取れていない。
─────ん? 外が騒がしいな。
「グレン、今日は何かあるのか?」
「今日は奥様のお友達のサン侯爵夫人とご令嬢、イリス様がいらっしゃると聞いておりますが………御二人は先程いらっしゃったようなので別のことでしょう。少し確認して参ります」
────パタン
グレンは部屋を出て行ったが………………何で、侯爵夫人とご令嬢がいらっしゃったと分かったんだ?
私と一緒にずっとこの部屋にいたはずなのに………………
─────ガチャッ
もう戻ってきたのか、、早いな…………
「どうやら、予定になかったサン侯爵家のもう一人のご令嬢、レイラ様がいらっしゃったようでございます」
「急にやってきたのか?」
「そのようです」
いくら我が家よりも爵位が高いとはいえ、非常識ではないか?
……………レイラ嬢は13歳で今は学園にも通っているはずだから、マナーや常識は心得ているはずなのに、、
--------------
───────あの日から半年、
レイラ嬢は時々思い付いたように突然来訪しているが、イリス嬢はあれっきり来ていないようだ。
………………あの噂は本当だったのだろうか?
実は、サン侯爵家には姉ばかりを可愛いがり、妹を、罵っているという噂があったのだ。
妻ローズの友人のいる家だし、ただの噂だと思っていたが、姉レイラ嬢のあの自由奔放な様子と誰もそれを窘めず繰り返している様子を見るに、本当のことのようだ。
だが───数日前、ローズが「レイラ嬢はとても美しく、優しいご令嬢なのですよ」と言っていた。
その時のローズの目はどこか虚ろで、様子がおかしかった。
───
「グレン、最近、屋敷の雰囲気がおかしくないか?」
「はい、奥様やカイル様、オパール様を含めたラストル様以外、全員がレイラ様をどこか惚けたような表情で見て褒め称え、イリス様を貶しております」
…………ずっと私に付いているのに何でそんなに詳しく知っているんだ?
まぁ、それはいいとして、
「ラストルはおかしくなっていないのか?」
「ラストル様だけはまともでございます」
フム……ラストルから話を聞いてみるか、、
-------------
少し前に私の執務室で、ラストルから話を聞いたのだが、ラストルの私と同じ紫の瞳はしっかりと輝いていた。
…………私がグレンに対して思ったことと同じことを思っていいた。
グレンが、ラストルの言ったことに対して、私達が分かっていることをラストルに伝えると共に確認してくれたのだが、ラストルの顔に「結構把握できているじゃないか」と書いてあった。
やっぱり驚くよな~
それにしても、ラストルが魔術という言葉を知っているとは………………意味は理解していないようだったが、魔術に関することは全て秘されているのに。
私は父から当主の仕事を引き継ぐ時に魔術について教えてもらったが、別世界の存在にも、不思議な力の存在も当時は信じられなかった。
まぁ、ちゃんとした記録が残っているから信じるしかないのだが、、、、
───────この度の屋敷の異変は魔術によるものだろう。身近でなかったために考えつかなかったが、魔術のせいだと考えると説明のつくことも多い。
「────グレン、ラストルと話していて魔術のせいだと考えるのが自然だと感じたのだが、お前はどう思う?」
「私も同じ考えでございますが、レイラ様がどうして魔術を使えるのか、どのような発動条件があるのか、という疑問が残ります」
「他の国には、別世界の記憶を持って生まれる者が稀にいるらしいが………」
「おそらく、明日にでもラストル様が報告を持ってきてくださるでしょう」
「明日は早くないか?」
「年寄りの勘でございます」
二人で笑ったが、今回の件は思った以上に大事かもしれない……………
場合によっては国王陛下にご報告しなければ、、、、
───ラストルの人生は大変なものになる気がする………
父として息子には辛い思いをしてほしくないし、よく分からない力のせいでおかしくなってしまった妻や子供達を見るのは心が痛む
早く解決して元の屋敷に戻したいものだ………
………もう一度、魔術に関する記録書を読んでおくとしよう。
-----------
─────その日の夜、記録を読んで〝魔術耐性〟について知り、翌日のラストルの話を聞いて屋敷で起こっている異変の全貌が見え始めた。
………………ラストルがグレンの予想通り、次の日には異変の原因の鍵を掴んでくるとはな、、、、
年の功か?
〝魔術耐性〟………ラストルには、自分でも気が付いていない秘密があるのだろう。
私は父として、息子を護りきれるだろうか?
………いや、あの子にはもう、私の守護が必要ないだろう、、、、その代わりに必要なものは『支え』だろう。
困難になるであろうあの子の人生を父として支えていこうじゃないか!
~~~~~~~~~~~
読んでいただきありがとうございます("⌒∇⌒")
次は少し時が流れて、ラストルが学園に入学します!
やっと序章が終わった(o・・o)/~
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