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4章 学園〜対策〜
22 彼との再会
しおりを挟むイリス視点です
~~~~~~~~~~
ラス様とお会いした日からもう4年…………………
この4年間一度も会えてない。
好きな時に会いに行けるレイラ様が羨ましいな。
私はあの日から、姉様のことをレイラ様と呼ぶようにしてる。
自分なりに《貴方は姉ではないし、家族とも思わない》という意思表示をしているつもりなんだけど…………
レイラ様は私がそう呼んだことに気をよくしているみたい。
──────今でもレイラ様は私に八つ当たりしたり、ぶったりするけど、ラス様の存在が大きな支えになってくれてる。
一度しか会ったことがないのにね………!
レイラ様はこの間も、『ラストル様が私に落ちないっ!』と喚いてました。
ザマァ見ろって思っちゃう。
あと、この4年でレイラ様が前世のあの子だと確信した。
また、私を孤立させて殺すつもりなのかな…………
〈聖〉属性の魔術を使える人がいれば、レイラ様が使っている魔術は解けるだろうけど、、〈聖〉属性はとても珍しい上に難しい……………
それ以前にこの世界の人たちは魔術を知らないみたいだし…………………
今世は幸せに生きたいと思ったのに、また叶わないのかな?
ラストル様だけが私の希望…………!
彼は私を守ってくれるかしら…………?
─────他人本意ではダメだよね!
自分でも何とかしないと!!
そういえば、レイラ様はあの子が使っていたのと同じような魔術を使っていたから、『私も出来るかな?』って思ってやってみたら〈空間〉魔術が使えたの!
もしもの時はこの魔術で逃げられるよね?
レイラ様が魔力を封じる道具を作ってしまっていたら絶望的だけど…………………
────────!
──────?
あれ? 誰かの声が聞こえる?
普段、この部屋に近づく人はいないのに………
この屋敷で私は、皆の大切なレイラ様に迷惑を掛ける根暗女だから、誰も寄って来ない。
普通の侯爵令嬢なら付いているだろうメイドもいない。ご飯も残飯。
さすがにどうなのよ…………………
あっ、声が近づいてきた──
─────それ、本当なの?
─────えぇ、明日いらっしゃるって! レイラ様がはしゃいでいらしたわ!
─────〝神銀の紫水晶〟、どんな方かしら!?
─────私も一目見たいわ!!
!! 前にラス様は〝神銀の紫水晶〟と呼ばれてるってレイラ様が言ってた。
明日、ラス様が来られるの!?
私も会えるかしら?
フィアナ母様とキース父様に頼んで…………………無駄よね………二人ともすっかりレイラ様の魔術にかかってしまっているもの…………
どうにかして、お会いしたい……………!
──────バタンッ
急に部屋のドアが開いた音がして身をすくめちゃった………音もあるけど…この屋敷で、この部屋に来るのは────
「こんにちは、イリス」
やっぱり………しっかりしたいと思うのにレイラ様はどうしても怖い────前世で私を殺した、あの子だから────
「こ、こんにちは、レイラ様」
「ふふっ! もう聞きまして? 明日、ラストル様がわたくしに会いにこの屋敷にいらっしゃるのですわ! 私、もう嬉しくって………!」
「よ、よかったですね、レイラ様」
レイラ様にお会いするため?
それはないわ……この間の手紙も私を気遣ったもので、レイラ様への嫌悪が感じられたもの……………
「えぇ、ラストル様にもやっと、私の美しさが伝わりましたわ!」
「あ、あの………私もお会いすることは?」
「許可しましょう。ラストル様が私に迷惑を掛けている貴方に直接会いたいとおっしゃっていましたわ」
「は、はい」
「それでは明日、ラストル様をここにお連れしますわ!」
──────バタンッ
…………………風のように去って行くわね……
そんな事よりも、ラス様とお会いできるのね!
レイラ様に迷惑をかけた私に会いに来るって言っていたけど、私と会うための口実よね?
そう思っていいのよね……………?
ラス様はレイラ様に惑わされないって信じているけど、心のどこかで諦める準備が出来ている…………
前世で恋人だった彼でも一時は魔術にかかっていたんだもの…………まだ一度しか会ったことのだから、魔術にかかってしまう方が普通よね……………
------------
レイラ様が私の部屋に来た翌日、外が騒がしくなってきた…………ラス様が到着したのかな?
この部屋にはいつ来るのかな?
先にレイラ様と話さなきゃいけないだろうし、少し後だろうけど……………
そう言いつつも、髪の毛を撫でて整えてしまった。
─────こんなに心が弾むのはいつ振りだろう?
そして1時間後、部屋のドアがノックされた。
「イル…イリス様? ラストルです。入ってもよろしいですか?」
4年前より少し低くなった声………
早くお会いしたい!
「どうぞお入りください」
入ってきた中性的な美しさのある長髪の少年は背が高くて、記憶の中のラス様とは少し違っていた。
でも、私を優しく見つめてくれる紫の瞳は紛れもなく────
「イル! お久しぶりですねっ! ずっと、会いたかったです!」
紛れもなく、ラス様だ!
彼は、会えない間もずっと私を思っていてくれたのだ………!
「私も、お会いしたかったです! ラス様っ!」
私は頬を涙が流れるのを感じた────
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