52 / 62
6章 全ての始まりと終わり
51 家族
しおりを挟む「───ここに、レイ伯爵の次男ラストルと、サン侯爵家が次女イリス嬢の婚約を発表する!」
ホール全体が歓声でいっぱいになった。
…………え?
僕とイルが婚約?
いや、、嬉しいし恋人ではあるけど、婚約はイルをちゃんと護りきって、イルが安心して生活出来るようになってからにしようと……。
「ははは! 当事者であるお前にだけ黙っていてすまなかったな」
「い、いえ……」
………ん?
僕だけって………。
「勝手に進めてしまってゴメンね?」
バッとイルの方を向いたら笑顔で謝られた……。
「いや、すごく嬉しいんだけど、、本当にいいの?」
「もちろん! 私からお義父様にお願いしたの、、全てが終わるまで、待てなかったから」
「で、でも………」
「………ラスは私と婚約したくなかったの?」
「そんなわけないよ、スゴい嬉しいよ! ただ、僕が自分に自信を持てないだけなんだ………」
絶対、何があってもイルを護りきるつもりだけど、、僕と一緒に過ごすことがイルの幸せになるかどうかは分からないもん………。
「───ラストル、イリスちゃんのお願いをはね除けるの?」
「ラストルお兄様はイリスお義姉様を悲しませるのですか?」
「………いえ」
イルだけじゃあなくて、家族の総意でもあるのか、、
………いつか、カイル兄様も認めてくれるかな?
「───イル、、いや、イリス様ずっと貴女を想っていました。───どうか僕と婚約していただけますか?」
イルの正面で片膝をついて、改めてプロポーズする。
「えぇ、もちろんです! ……ラストル、、様?」
イルも僕に合わせて敬称を付けて僕を呼ぶ。
二人でついつい笑っちゃった。
「「「「ラストル様、イリス様おめでとうございます!」」」」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
皆に祝福してもらえるなんて嬉しいな。
イルも幸せそうで良かった……!
「────本来なら、多くの者を招いて祝うことではあるが、ある事情によりこういった形での発表になった、、その事情によりこの場に居ない者には内密に頼む。………カイルにもだ」
使用人達は戸惑っている感じもあったけど、理由は察しているのか、父様の言葉に頷いていた。
「これで、報告は以上だ。皆、仕事に戻ってくれ」
――――――――――――――
「───それにしても驚いたよ、、本当にありがとうイル」
「ふふっ、どういたしまして」
父様は執務室に、母様とオパールはそれぞれの部屋に戻って行って、僕とイルは廊下を移動中。
イルがドレスの試着をしたらまた家族皆で集まるけど、それまでに二人で話をしておけって。
「イルのドレス姿、楽しみだなぁ」
「もうっ……そんなに期待しないでって言ってるのに、、」
ははっ、イルったら照れちゃって。
言ったら怒られるから言えないけど、、
「は、早く行きましょう!」
「はいはい、わかったから逃げないで」
――――――――――――
「まぁ、お似合いですわ!」
「はい! イリス様の優しい雰囲気にぴったりです!」
「あ、ありがとうございます」
「サイズは大丈夫そうですね」
「はい、、素敵なドレスをありがとうございます」
イルがドレスに着替え終わるのを部屋の外で待っていたら、急にメイド達の興奮した声が聞こえてきた。
あっ、イルに付くメイドについては、グレンが信用出来る人を選んでおいてくれたから、当人達にすぐに伝えられた。
おかげで、ドレスの試着がスムーズに出来たよ。
────ガチャッ
「ラストル様、どうぞお入りください」
「───っっっ!」
「ど、どうかな?」
「…………」
「ラ、ラス?」
「……あっ、あぁ、、ゴメンね?あんまりにも綺麗だから見惚れちゃってた」
「もう、、またそんな事を言って」
「本当だよ?イル、すっごく似合ってる。綺麗、なんて言葉じゃあ言い表せないくらいだよ」
イルが着ていのは白い生地に銀と紫の糸で花の刺繍が施されたAラインのドレスなんだけど、黒髪と碧眼が引き立って、女神にも勝る程に綺麗……。
それに、かつていた世界のウェディングドレスの定番が白だったから、、
「僕の感動を語ってもいいなら、いくらでも聞かせてあげるよ?」
多分、丸1日あっても足りない……。
3日間話通しで何とか話終わるかなってくらい心が動かされたんだから!
────ガチャッ
赤面するイルを見つめているとドアが開くおとがした。父様達かな?
「わぁ!イリスお義姉様、とっても綺麗で女神様みたいです!」
「えぇ、本当に似合っているわね! こんなに可愛い義娘が出来るなんて嬉しいわ!」
母様もオパールもすごいはしゃいでるな……。
父様は何も言わないけど、顔はいつもより穏やかかな?
「ありがとうございます! お義母様、オパールちゃん」
こうしていると、3人は本当の家族みたいで微笑ましいな。
「………ラストル、3人じゃなくて5人だろ?」
えっ、、声に出てた?
父様、人の心読めるの!?
というか───
「父様、、拗ねてますか?」
「そんな事はない。私とお前を入れ忘れてると思ってな。ちなみに、人の心は読めない」
やっぱり読めるのか……。
人の心を読む人は基本「読めない」って言うもんな……。
うん、考えるのやめよう。
「父様、6人にしましょう。今は魔術で狂ってしまっていますが、カイル兄様も家族です」
「あぁ、そうだな」
父様が笑みを浮かべながら3人の方に向かうので僕も父様について行く。
さぁ、、準備は万端!!
建国記念パーティーで全てを終わらる!
0
あなたにおすすめの小説
なりゆきで妻になった割に大事にされている……と思ったら溺愛されてた
たぬきち25番
恋愛
男爵家の三女イリスに転生した七海は、貴族の夜会で相手を見つけることができずに女官になった。
女官として認められ、夜会を仕切る部署に配属された。
そして今回、既婚者しか入れない夜会の責任者を任せられた。
夜会当日、伯爵家のリカルドがどうしても公爵に会う必要があるので夜会会場に入れてほしいと懇願された。
だが、会場に入るためには結婚をしている必要があり……?
※本当に申し訳ないです、感想の返信できないかもしれません……
※他サイト様にも掲載始めました!
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
妹の身代わりだった私に「本命は君だ」――王宮前で王子に抱き潰され、溺愛がバレました。~私が虐げられるきっかけになった少年が、私と王子を結び付
唯崎りいち
恋愛
妹の身代わりとして王子とデートすることになった私。でも王子の本命は最初から私で――。長年虐げられ、地味でみすぼらしい私が、王子の愛と溺愛に包まれ、ついに幸せを掴む甘々ラブファンタジー。妹や家族との誤解、影武者の存在も絡み、ハラハラと胸キュンが止まらない物語。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
※後日談を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる