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実 version
噂
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練習終了のホイッスルが校庭に鳴り響いた。
時間は午後五時。
いつもより早い終了なのは、明日から春休みに入るからだ。
加えて、那岐高校の慣習として長期休暇の初日の部活動は休みになっている。
それはもちろんサッカー部も例外ではなく、そこかしこで歓声が上がっていた。
篠崎実(シノザキミノル)は着ていたTシャツで額の汗を拭きながら、明日の休みの事を考えていた。
ここのところ部活三昧の毎日で、双子の兄、篠崎誠(マコト)とすれ違いの日々が続いていたのだ。
ただでさえ誠とは通う学校が違う。
この機会に少しでも誠との距離を縮めておきたかった。
「篠崎!」
一人、他の一年生とは別メニューの練習をしていた実の元に、小走りでやってきたのは本間靖之(ホンマヤスユキ)。
一年生のチームリーダーで、次期主将候補の男だ。
何かとまとわりついてくるので、実としては鬱陶しくて仕方ない。
「なぁなぁ、明日、暇?
暇なら映画でも行かねぇ?
チケット、もらったんだ!」
「…………本間、顔、赤ぇぞ? 熱あんじゃねぇの?」
顔を赤らめて、些か興奮気味にまくしたてる靖之を一瞥した実は、見たままを口にした。
「ぅおっ! 何? 心配してくれてんの? 嬉しいなぁっ、」
後片付けをしている最中も、靖之はそんな調子で実のそばを離れようとしないので、いい加減うんざりしていた。
そんな実のうんざり感に、更に追い打ちをかけたのは、シャワールームに置かれたボディーソープである。
那岐高サッカー部と言えば、全国大会の常連校。
活躍している部活動の設備は充実しているが、消耗品は各自の持ち寄りだ。
ボディーソープも誰かが持ってきたモノを使っている。
「誰だよ、こんなの持ってきたヤツはっ!!」
女物の、甘ったるい匂いのするソープだった。
「あ、俺ぇ。姉貴が歳暮に持ってきたけど、家じゃ誰も使わねぇからさぁ!」
ギャハハと笑ったのは島田徹也(シマダテツヤ)だ。
実とはクラスが違うし、あまり接点もないのでよく知らないが、お調子者で通っているらしい。
実は身体中にまとわりつく甘ったるい匂いに顔をしかめながら、シャワーを切り上げた。
時間は午後五時。
いつもより早い終了なのは、明日から春休みに入るからだ。
加えて、那岐高校の慣習として長期休暇の初日の部活動は休みになっている。
それはもちろんサッカー部も例外ではなく、そこかしこで歓声が上がっていた。
篠崎実(シノザキミノル)は着ていたTシャツで額の汗を拭きながら、明日の休みの事を考えていた。
ここのところ部活三昧の毎日で、双子の兄、篠崎誠(マコト)とすれ違いの日々が続いていたのだ。
ただでさえ誠とは通う学校が違う。
この機会に少しでも誠との距離を縮めておきたかった。
「篠崎!」
一人、他の一年生とは別メニューの練習をしていた実の元に、小走りでやってきたのは本間靖之(ホンマヤスユキ)。
一年生のチームリーダーで、次期主将候補の男だ。
何かとまとわりついてくるので、実としては鬱陶しくて仕方ない。
「なぁなぁ、明日、暇?
暇なら映画でも行かねぇ?
チケット、もらったんだ!」
「…………本間、顔、赤ぇぞ? 熱あんじゃねぇの?」
顔を赤らめて、些か興奮気味にまくしたてる靖之を一瞥した実は、見たままを口にした。
「ぅおっ! 何? 心配してくれてんの? 嬉しいなぁっ、」
後片付けをしている最中も、靖之はそんな調子で実のそばを離れようとしないので、いい加減うんざりしていた。
そんな実のうんざり感に、更に追い打ちをかけたのは、シャワールームに置かれたボディーソープである。
那岐高サッカー部と言えば、全国大会の常連校。
活躍している部活動の設備は充実しているが、消耗品は各自の持ち寄りだ。
ボディーソープも誰かが持ってきたモノを使っている。
「誰だよ、こんなの持ってきたヤツはっ!!」
女物の、甘ったるい匂いのするソープだった。
「あ、俺ぇ。姉貴が歳暮に持ってきたけど、家じゃ誰も使わねぇからさぁ!」
ギャハハと笑ったのは島田徹也(シマダテツヤ)だ。
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