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黒い鎧の少年と出会う
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目の前の殿方は……松明を掲げておられるわ。よく見れば、結構若い? よく見れば……背丈は有るけれど、成人男性よりもかなり……12、3歳くらいかしら。ヒョロっとした少年だわ。
格好は……よく見え辛いけれど、滅茶苦茶時代遅れな黒い鎧に、黒い髪に黒い瞳……かしら。顔に小さな傷が痛々しいわね。
しかし、何故鎧。まさか、ご親族のお古とかを着ているのかしら?
図書館の地下に古書の研究室みたいなものが併設されていると聞いたから……。研究者の助手的な立場かしらね。
でも、図書館で働いている割に埃っぽさが……少年冒険者みたいな風体? 本での知識のみで、リアルでは見たことはないけれど。
いえ、図書館で冒険者はないわね? そんな訳無いわよね。
研究の為にコスプレしてるだけよね、きっと。
しかし、こんな少年が図書館で働いているとは……。
「あの、はじめまして?」
「……と、囚われの姫君……てヤツ?」
「囚われ……。
じ、自主的に歩いて参りましたが」
何なら図書館の裏に馬車を待たせているし。
……でも、何だか……図書館だと思えないくらい湿っぽいわ。
何時の間にか立入禁止の地下に迷い込んだのかしら?
しかし、滅茶苦茶見てくるわね、この子。そんなに私ってば不審者かしら……。
立入禁止の場に迷い込んだのだったら、確かに不審よね。どうしましょう。どう誤魔化したものかしら。
「あの、この場に迷い込んで本当に申し訳御座いません。怪しいものでは御座いません。アミエッテと申します」
「あ、ヴァンです。いや、ココ俺の家じゃないし……」
上司に指示を仰ごうか迷われている感じかしら……。
困ったわね……。
無理矢理隙をついて抜け出してきたから、怒られるのは困るわ……。
何かこう、誤魔化せそうなアイテムは持っていたかしら。袖の下的な……。
ああ駄目だわ。小銭入れを置いてきてしまったわ。
ポシェットを探っても、ハンカチに手鏡、他は何も……あっ!
「あ、あの……此処で何してんすか?」
「え、あ、あの! 本当に私、怪しいものでは!」
ええい、何かこう……良いものではないけれど! さっき手に触れた紙で手を切った用の傷薬位しかないわ!
貝の細工のあるコンパクトタイプの女性物だけど、きっと図書館の人なら役立てる筈!
見逃して貰い用の小銭か焼き菓子でも持ち歩くべきだったわ! 明日からそうしましょう!
「あの、これ差し上げますから、私のことは黙っていらして!! 単なるドジで迷い込んだだけですの!」
「は、はあ? え、ココってドジで来れるものか? まさか、アンタは魔女姫……」
「ま、魔女!? 私が!? とんでもない!」
私が魔女って……そんなエリート職業に就けるような魔力持ちじゃないわよ! 昔の小説なんかでは悪さしてたみたいだけれど、今は国家公務員だものね。
でも、まさか此処ってそんなに魔術関連の厳重な所なの!? ど、どうしましょう! 私の魔力なんて底辺だと鑑定されているのに! まさか、変に底辺なせいで防犯魔術の誤作動!?
ああ、面倒な事になってしまったわ! こういうセキュリティに何故か昔からよく引っかかるのよ!
「こ、コレ、お詫びに差し上げます!
あなたのお顔に負われたような小さな傷によく効きますのよ! 大きな傷は……微妙な安全な薬ですわよ! あ、無理なさらず治癒師かお医者にお掛かりになってね!」
胡散臭い科白だったけれど丸め込むのに精一杯で、手甲越しの手に押し付けてしまったわ。背丈はヒョロいけれど、まだまだ華奢な手ね。
しかし、細かいコスプレだわ……。随分実用的な物なのね。きっと名のある研究対象な鎧なんだわ。知らないけれど。
「えっ、あ、あの!」
「ご機嫌よう!!」
もと来た道を、速やかに戻る! それできっと帰れる!
裾をからげて踏みそうになりながらも、走って走ったら……。
「えっ、お嬢様……」
「あら?」
「お早いお戻りですね。5分と経っておりませんが。託けて頂ければ、お迎えに参りましたのに」
目の前がう明るくなったと思ったら。
目の前にはメイドのニニと、御者のサニーが馬車の前で不思議そうに私を見ていたの。
そう、此処は……。……玄関を出て、5分程グルっと回らないと着かない図書館専用の馬車停。
……あの、地下は何処に繋がっていたのかしら?
格好は……よく見え辛いけれど、滅茶苦茶時代遅れな黒い鎧に、黒い髪に黒い瞳……かしら。顔に小さな傷が痛々しいわね。
しかし、何故鎧。まさか、ご親族のお古とかを着ているのかしら?
図書館の地下に古書の研究室みたいなものが併設されていると聞いたから……。研究者の助手的な立場かしらね。
でも、図書館で働いている割に埃っぽさが……少年冒険者みたいな風体? 本での知識のみで、リアルでは見たことはないけれど。
いえ、図書館で冒険者はないわね? そんな訳無いわよね。
研究の為にコスプレしてるだけよね、きっと。
しかし、こんな少年が図書館で働いているとは……。
「あの、はじめまして?」
「……と、囚われの姫君……てヤツ?」
「囚われ……。
じ、自主的に歩いて参りましたが」
何なら図書館の裏に馬車を待たせているし。
……でも、何だか……図書館だと思えないくらい湿っぽいわ。
何時の間にか立入禁止の地下に迷い込んだのかしら?
しかし、滅茶苦茶見てくるわね、この子。そんなに私ってば不審者かしら……。
立入禁止の場に迷い込んだのだったら、確かに不審よね。どうしましょう。どう誤魔化したものかしら。
「あの、この場に迷い込んで本当に申し訳御座いません。怪しいものでは御座いません。アミエッテと申します」
「あ、ヴァンです。いや、ココ俺の家じゃないし……」
上司に指示を仰ごうか迷われている感じかしら……。
困ったわね……。
無理矢理隙をついて抜け出してきたから、怒られるのは困るわ……。
何かこう、誤魔化せそうなアイテムは持っていたかしら。袖の下的な……。
ああ駄目だわ。小銭入れを置いてきてしまったわ。
ポシェットを探っても、ハンカチに手鏡、他は何も……あっ!
「あ、あの……此処で何してんすか?」
「え、あ、あの! 本当に私、怪しいものでは!」
ええい、何かこう……良いものではないけれど! さっき手に触れた紙で手を切った用の傷薬位しかないわ!
貝の細工のあるコンパクトタイプの女性物だけど、きっと図書館の人なら役立てる筈!
見逃して貰い用の小銭か焼き菓子でも持ち歩くべきだったわ! 明日からそうしましょう!
「あの、これ差し上げますから、私のことは黙っていらして!! 単なるドジで迷い込んだだけですの!」
「は、はあ? え、ココってドジで来れるものか? まさか、アンタは魔女姫……」
「ま、魔女!? 私が!? とんでもない!」
私が魔女って……そんなエリート職業に就けるような魔力持ちじゃないわよ! 昔の小説なんかでは悪さしてたみたいだけれど、今は国家公務員だものね。
でも、まさか此処ってそんなに魔術関連の厳重な所なの!? ど、どうしましょう! 私の魔力なんて底辺だと鑑定されているのに! まさか、変に底辺なせいで防犯魔術の誤作動!?
ああ、面倒な事になってしまったわ! こういうセキュリティに何故か昔からよく引っかかるのよ!
「こ、コレ、お詫びに差し上げます!
あなたのお顔に負われたような小さな傷によく効きますのよ! 大きな傷は……微妙な安全な薬ですわよ! あ、無理なさらず治癒師かお医者にお掛かりになってね!」
胡散臭い科白だったけれど丸め込むのに精一杯で、手甲越しの手に押し付けてしまったわ。背丈はヒョロいけれど、まだまだ華奢な手ね。
しかし、細かいコスプレだわ……。随分実用的な物なのね。きっと名のある研究対象な鎧なんだわ。知らないけれど。
「えっ、あ、あの!」
「ご機嫌よう!!」
もと来た道を、速やかに戻る! それできっと帰れる!
裾をからげて踏みそうになりながらも、走って走ったら……。
「えっ、お嬢様……」
「あら?」
「お早いお戻りですね。5分と経っておりませんが。託けて頂ければ、お迎えに参りましたのに」
目の前がう明るくなったと思ったら。
目の前にはメイドのニニと、御者のサニーが馬車の前で不思議そうに私を見ていたの。
そう、此処は……。……玄関を出て、5分程グルっと回らないと着かない図書館専用の馬車停。
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