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父と息子達
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談話室に行くとエドとダニーが待っていた。
「ハル、ピ………」
ん?エドが話し始めたかと思うと急に止まる。
「あ~あの子どうなった?」
「ネイオウミ嬢は目を覚まして今は診察を受けている。それから階段から突き落とされた事は覚えていない。」
「それで?ハル兄は本当の事を言ったの?」
「言ってない。目覚めたばかりなんだ。今は言わなくてもいいだろう。いずれ自分で思い出すかもしれないんだ。別に今、伝える必要はないだろう。」
「ハル…お前でも他人に優しくする事なんてあるんだな。」
「ハル兄も人間だったんだね。」
エドもダニーも失礼な事を言っているが、実際に今までの俺の言動の全てがそう思わせているのだから否定できない。
実際に今回のことがなかったらネイオウミ嬢への接し方は今までと変わる事はなかっただろうしな。
「それで親父。今後の事なんだけど、ネイオウミ嬢を保護したならもう俺たちの婚約の話はなかった事にしていいよな。」
「何を言ってる。保護する話もしていたが婚約の件についても偽りはないと言っただろう。」
「じゃあ…婚約の話は続行というわけか?」
エドは不服そうに確認する。
「そう言ってるだろう!」
「どうしてそこまで彼女にこだわるの?」
ダニーが俺達が抱いていた疑問について確認する。
「兄さんたっての希望だからだよ。」
親父は知っているのにはぐらかそうとしているな。
彼女に何があるんだ?
この国の王が気にかける女か…。
「伯父に直接聞けと?」
「聞いても兄さんは話さないと思うぞ。私も詳細は教えてもらえなかったんだ。」
「親父は詳細を知らないのに俺達の婚約者にしようとしているのか?」
「エド…お前が想っている女性を連れてくればこの話はなかったことにするんだがな?」
「なんだよエド。恋人がいるなら連れて来いよ。それでこの話は終わるんだから。」
「何だハルは知らなかったのか?」
「俺もエド兄にそんな人がいるなんて知らなかったんだけど。」
「や…それが…」
「何だよエド。」
「し…知らな…いん…だ…」
小さい声でモゴモゴと何を言ってるか分からない。
「何て言ったんだ?」
「知らないんだよ!どこの誰なのかも、今どこに居るのかも何にも知らないから連れてくるのは無理なんだよ!」
「知らない?」
「名前も?居場所も?」
「知らない。」
「な、凄いだろう?こんな状態なのに『俺には心に決めた人が居るから他の女とは結婚しない!』何て言うんだよ。長男なのにどうしたものかと頭を抱えた私の気持ちも理解してほしいね。」
「じゃあエド兄が原因で今回の話になったの?」
「エドだけじゃない。ハルもダニーも良い人を見つけもしなければ連れてくる気配もない。息子が3人いて1人もその気配がないんだ。この話を兄さんから聞いて受ける以外の選択肢が私にはなかったんだよ。なのにお前達は…イオもだが婚約しない約束をするんだもん。これからどうしたものかな…」
「うっ…」
「いや…」
「俺だけのせいじゃない訳だな。っていうかイオって誰?」
「イオはネイオウミ嬢の事だよ。未来の義娘になるんだから愛称で呼ぼうと思ってね。だから今回の婚約話は継続だ。イオが療養中は彼女の看病を交代でしろ。いいな。」
「イオか…呼びやすくていいな。」
エドは何か言っているし、俺とダニーが返事をしないでいると親父に念を押される。
「いいな。私に可愛い息子との縁を切らせないでくれよ。」
まさかこの話って俺とダニーのために仕組まれたのか?勘弁してくれ…
こうして婚約話は続行することとなった。
「ハル、ピ………」
ん?エドが話し始めたかと思うと急に止まる。
「あ~あの子どうなった?」
「ネイオウミ嬢は目を覚まして今は診察を受けている。それから階段から突き落とされた事は覚えていない。」
「それで?ハル兄は本当の事を言ったの?」
「言ってない。目覚めたばかりなんだ。今は言わなくてもいいだろう。いずれ自分で思い出すかもしれないんだ。別に今、伝える必要はないだろう。」
「ハル…お前でも他人に優しくする事なんてあるんだな。」
「ハル兄も人間だったんだね。」
エドもダニーも失礼な事を言っているが、実際に今までの俺の言動の全てがそう思わせているのだから否定できない。
実際に今回のことがなかったらネイオウミ嬢への接し方は今までと変わる事はなかっただろうしな。
「それで親父。今後の事なんだけど、ネイオウミ嬢を保護したならもう俺たちの婚約の話はなかった事にしていいよな。」
「何を言ってる。保護する話もしていたが婚約の件についても偽りはないと言っただろう。」
「じゃあ…婚約の話は続行というわけか?」
エドは不服そうに確認する。
「そう言ってるだろう!」
「どうしてそこまで彼女にこだわるの?」
ダニーが俺達が抱いていた疑問について確認する。
「兄さんたっての希望だからだよ。」
親父は知っているのにはぐらかそうとしているな。
彼女に何があるんだ?
この国の王が気にかける女か…。
「伯父に直接聞けと?」
「聞いても兄さんは話さないと思うぞ。私も詳細は教えてもらえなかったんだ。」
「親父は詳細を知らないのに俺達の婚約者にしようとしているのか?」
「エド…お前が想っている女性を連れてくればこの話はなかったことにするんだがな?」
「なんだよエド。恋人がいるなら連れて来いよ。それでこの話は終わるんだから。」
「何だハルは知らなかったのか?」
「俺もエド兄にそんな人がいるなんて知らなかったんだけど。」
「や…それが…」
「何だよエド。」
「し…知らな…いん…だ…」
小さい声でモゴモゴと何を言ってるか分からない。
「何て言ったんだ?」
「知らないんだよ!どこの誰なのかも、今どこに居るのかも何にも知らないから連れてくるのは無理なんだよ!」
「知らない?」
「名前も?居場所も?」
「知らない。」
「な、凄いだろう?こんな状態なのに『俺には心に決めた人が居るから他の女とは結婚しない!』何て言うんだよ。長男なのにどうしたものかと頭を抱えた私の気持ちも理解してほしいね。」
「じゃあエド兄が原因で今回の話になったの?」
「エドだけじゃない。ハルもダニーも良い人を見つけもしなければ連れてくる気配もない。息子が3人いて1人もその気配がないんだ。この話を兄さんから聞いて受ける以外の選択肢が私にはなかったんだよ。なのにお前達は…イオもだが婚約しない約束をするんだもん。これからどうしたものかな…」
「うっ…」
「いや…」
「俺だけのせいじゃない訳だな。っていうかイオって誰?」
「イオはネイオウミ嬢の事だよ。未来の義娘になるんだから愛称で呼ぼうと思ってね。だから今回の婚約話は継続だ。イオが療養中は彼女の看病を交代でしろ。いいな。」
「イオか…呼びやすくていいな。」
エドは何か言っているし、俺とダニーが返事をしないでいると親父に念を押される。
「いいな。私に可愛い息子との縁を切らせないでくれよ。」
まさかこの話って俺とダニーのために仕組まれたのか?勘弁してくれ…
こうして婚約話は続行することとなった。
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