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明かされる真実 ハル視点

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「お前達が知らされていないのか、王家もニコラス・レナイト侯爵に騙されているか…どちらだろうな?」

アイザック・ジョセフは何を言っているんだ?
俺達が知らされていない可能性はあるが…もし、ニコラス・レナイト侯爵が王家をも騙しているとすれば何が考えられる?
一体何が?

「シャーロット・レナイトとヴィンセント・レナイトの父親はニコラス・レナイト侯爵だと言う話か?」

突然エドがそんな事を言い出した。
そうか…白い結婚が王家についた嘘だとしたら2人は侯爵の子供でもおかしくない。
でもだとすれば侯爵はイオの母親がいながらキャサリン夫人と関係を持った事になる。
つまり不貞の証拠がシャーロット・レナイトになる。
アイザック・ジョセフの反応を見るが特に表情を変える事はなかった。
イオは…無表情だった。
驚きも悲しみもなく、ただその話を受け止めていた。

「何だ…知っていたのか。」

「いや。知らなかった。でも、王家を騙すような話ならその位かなと思っただけだ。だが、その話自体に真実味があるかは分からないな。お前の妄想かもしれないからな。」

エドはやっぱり凄いな…俺はイオの父親を無意識に疑いたくなかったからその可能性を考えないようにしていたんだろうな。

「妄想?事実だ。」

「それはキャサリン・レナイト夫人が言ったからか?」

アイザック・ジョセフはグッと手のひらを握りしめている。

「キャサリン・レナイト夫人が言った事なんだろう?」

アイザック・ジョセフは唇を噛み締め悔しそうにした。
やはりキャサリン・レナイト夫人が言ったからそう信じているだけなんだろう。

「そうであれば良かったが…シャーロット様とヴィンセント様がニコラス・レナイト侯爵の子供だと侯爵本人が言ったんだ。」

…………⁉︎
侯爵本人が言った?

「お父様がそう言ったのであれば本当なのでしょう。」

「イオ?」

「以前から気になっていたんです。いえ、そう願っていただけなのかもしれませんが…もし私と義姉が父の本当の子供でシャーロットとヴィンセントがそうでなければ私は父の本当の子供なのに愛されなかった事になります。でもそうでないのであれば、私だけが父に愛されなかっただけという事です。父の子供の中で私だけが…」

愛されていなかったと思う?
何故イオだが愛されなかった?
イオの母親を愛していたのに?
そうだとしたら何かおかしくないか?

「それはおかしくないか?」

俺の言葉にイオは首を傾げる。

「何がだ?」

アイザック・ジョセフは何がおかしいのか分からないでいる。

「明らかにおかしいな。」

だがエドは分かったらしい。

「イオの母親は父親の最愛の人だったなら、どうして裏切る必要があった?」

「あぁそのことか。簡単だよ。先に裏切ったのがパトリシア夫人だったのだから。」

「つまりイオがニコラス・レナイト侯爵の娘ではないということか?」

「その通りだ。」

「何故そう思う?それも侯爵が言っていたのか?」

「あぁ・パトリシア夫人には他に男の影があったとな。」

「イオ、侯爵に詳しく話を聞く必要がありそうだな。恐らくことの発端は侯爵の誤解にある可能性が高い。全てを正そう。」

もし俺が思った通りなら、イオの父親は…ニコラス・レナイトは何て可哀想な人なんだろうな。
そしてジェダイナ公爵はそれを利用したんだろうな。
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