(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

奏直

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憧れのお義姉様② エド視点

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ちょっと待て。
今イオは何て言った?
ここ最近、睡眠不足だったから幻聴でも聞いたか?
…ってそんな訳ないだろ。
落ち着け俺…思い出せ俺…イオは何と言ってた?

『それで…そう、お義姉様なんですが素敵な方なんです。前にエド様が話して下さった方がいますよね?エド様の想い人の方。あの方に似ている私の憧れの人とはお義姉様の事なんです。』

そうだ…

『エド様の想い人の方。あの方に似ている私の憧れの人とはお義姉様の事なんです。』

そうだよ…

『憧れの人はお義姉様なんです。』

イオの想い人って…イオの姉ちゃんかよ‼︎
だってイオは…

『私が憧れている人にエド様のお話しされた女性の方が似ていると思ったからかもしれません。』

『憧れている人?』

『はい。私が一方的に慕っている人です。』

って言ってたけど…あ~俺の勘違いか?
イオが慕ってるからって恋愛感情とは限らないもんな…
はっ!ヤバい…俺アイツらに話したぞ…
だって慕ってる人って聞いたらそういう相手だと思うだろ!俺の好きな女の話しをした後だし!
大体にして何でイオは修道女になりたいんだよ!
意味が分からないんだが⁉︎

「……!………様!………ド様!……エド様!大丈夫ですかエド様‼︎」

「‼︎‼︎おっ…おぉイオ…そんなに慌ててどうした?」

「どうしたって…急に倒れられたから心配したんですよ!」

「倒れた?」

「はい。急に起き上がったと思ったらそのまま倒れられたんです。」

そうか…夢か!
俺は夢を見ていたのか…最近寝てなかったしな。
悩みすぎてありもしない夢を見たのか…

「そうだったのか。心配かけて悪かったな。確かイオの姉ちゃんの話をしてたんだよな。」

「はい。私の憧れの人がお義姉様だとお伝えしたら突然エド様は起き上がられたかと思うと倒れられたんです。」

夢じゃなかった…ってかもう眠気も吹っ飛んだぞ…

「イオは姉ちゃんを慕っているのか?」

「はい。お義姉様には義妹とは思って頂けてないと、嫌われていると分かってます。ですが私はお義姉様が好きなんです。」

「何でそんなに好きなんだよ。」

「そうですね…私がお義母様達に叱られた後はいつもお部屋に呼んでくださっていたんです。お義姉様にとっては使用人の代わりだったとしても、気まぐれだったとしても私は嬉しかったんです。私を気遣って下さる優しい方だと思いました。そしてお側でお義姉様を見ていてお強い方だと思いました。凛としてるんです。物理的に強いとかではなく…その…芯が通っている…そんな強さなんです。」

「確かに俺が惚れてる女に似てるな。」

「やっぱりそう思いますか?」

「あっ…あぁ。」

「あの…お義姉様の都合が良ければ…私お義姉様に会いたいんです。会ってお礼を言いたいんです。」

「何で?嫌われてると思ってるのに何で会いたいんだ?会わなければ好きなままでい続けられるかもしれない。でも会ったら嫌な事を言われるかもしれない。なのに何で?」

これは俺が俺自身に問い続けた事だ。
惚れた女を想い続けても会った時には彼女に相手がいるかもしれない、気持ち悪いと言われるかもしれない。
探さず今のままの方が幸せだと…でも同じ様な状況でもイオは会いたいと思っている。
その答えに興味が沸いた。
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