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憧れのお義姉様④ エド視点
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『白昼堂々の不貞行為を行なっていたからです。』
イオから発せられた予想外の言葉に僅かに残っていた眠気も吹き飛んでしまう。
「不貞行為⁉︎」
「はい!私は義妹に婚約者を寝取られました!」
それは、そんなに大きな声で言わなくてもいいのでは?
イオの侍女のアリーも驚いている。
そのイオも顔が真っ赤だ。
そもそも何でこんな話になったんだ?
最初はイオの憧れの姉ちゃんの話から…会いたいと言った後に…俺がなんで修道女になりたいか聞いて…それが婚約解消の話になって…で寝取られた?ダメだ俺の頭じゃ理解できない。
「イオ、俺の質問に戻すぞ。婚約解消を2回されたから修道女になるのか?」
「そうです…また同じことが起きたらお父様にご迷惑をお掛けしてしまいますから…それにお義母様やシャーロットの事を思うとレナイト家の人間でいる事自体が許されない事だと思ったので…」
「だからレナイト家の籍から抜けて修道女になる事に決めたと。」
「もう裏切られることも怖いので…だからお義姉様に私の気持ちを…お礼を言ったら心残りなく家族と別れられると思ったのです。」
イオに想い人が居なくても…結局それ以上に厄介なものを抱えているって事か…。
それにしてもイオが辛い思いをしてでも礼を言いたい姉ちゃんてどんな人物なんだ?
「イオがそこまで慕う姉ちゃんってどんな人?」
「お義姉様ですか?」
「そう。今んとこ俺は凛とした芯の強い姉ちゃんとしか分からないからな。イオの大切な姉ちゃんの事教えて。」
「そうですね…お義姉様のお名前はイザベル・レナイトと言いましてお年は18歳になられました。エド様も聞いた事があるかもしれませんがレナイト侯爵家の長女は美しいと評判なんです。」
「あぁ聞いた事あるかも。興味なかったから詳しいくは知らないけどな。」
「お義姉様は私と違ってスラッとしていてスタイルが良いんです。お顔立ちも大人っぽくてとても綺麗なんです。」
「高嶺の花ってやつ?でも婚約者がいるんだったな。…っつ、悪ぃ。」
「いえ。本当のことですから。それに本当にお義姉様は人気があるんです。実際に婚約するまでは、たくさんの貴族の方から婚約の打診を受けていたらしいのです。人気がるのに婚約者を作らなかったのは何故なのか不思議だったんですよね。」
非の打ち所がない令嬢ってところか?
確かにそんな女が婚約者を作らなかったのも、義妹の婚約者を奪るのも変な話だな。
「それから何と言ってもお義姉様は美しい黄緑の髪とエメラルドグリーンの瞳が本当に美しいんですよ。」
キラキラと瞳を輝かせながら姉ちゃんの話をするイオ…そのイオが発した言葉に思考が捕らわれる。
「黄緑の髪?」
「はい。」
俺が好きになった女の子の髪も黄緑色だった。
俺が覚えている彼女の特徴は黄緑の髪とあの言葉。
いや、黄緑の髪の女なんてそれなりにいる。
でもイオの姉ちゃんも彼女と同じような芯の強い女性だと思うと心臓がドキドキする。
何で今まで気づかなかったんだよ俺!
「イオが姉ちゃんと会う時、俺も会っていいか?」
「は、はい。もちろんです。」
勢いよく言う俺に最初は驚いていたイオは次第にニコニコと笑うから俺も笑っていた…が、ふと気付いてしまう。
イオの姉ちゃんは男からモテる事に…そして婚約者がいることに…
この事に気を取られた俺は、弟達にイオの想い人の件は俺の勘違いだったと伝えるのを忘れてしまうのだった。
イオから発せられた予想外の言葉に僅かに残っていた眠気も吹き飛んでしまう。
「不貞行為⁉︎」
「はい!私は義妹に婚約者を寝取られました!」
それは、そんなに大きな声で言わなくてもいいのでは?
イオの侍女のアリーも驚いている。
そのイオも顔が真っ赤だ。
そもそも何でこんな話になったんだ?
最初はイオの憧れの姉ちゃんの話から…会いたいと言った後に…俺がなんで修道女になりたいか聞いて…それが婚約解消の話になって…で寝取られた?ダメだ俺の頭じゃ理解できない。
「イオ、俺の質問に戻すぞ。婚約解消を2回されたから修道女になるのか?」
「そうです…また同じことが起きたらお父様にご迷惑をお掛けしてしまいますから…それにお義母様やシャーロットの事を思うとレナイト家の人間でいる事自体が許されない事だと思ったので…」
「だからレナイト家の籍から抜けて修道女になる事に決めたと。」
「もう裏切られることも怖いので…だからお義姉様に私の気持ちを…お礼を言ったら心残りなく家族と別れられると思ったのです。」
イオに想い人が居なくても…結局それ以上に厄介なものを抱えているって事か…。
それにしてもイオが辛い思いをしてでも礼を言いたい姉ちゃんてどんな人物なんだ?
「イオがそこまで慕う姉ちゃんってどんな人?」
「お義姉様ですか?」
「そう。今んとこ俺は凛とした芯の強い姉ちゃんとしか分からないからな。イオの大切な姉ちゃんの事教えて。」
「そうですね…お義姉様のお名前はイザベル・レナイトと言いましてお年は18歳になられました。エド様も聞いた事があるかもしれませんがレナイト侯爵家の長女は美しいと評判なんです。」
「あぁ聞いた事あるかも。興味なかったから詳しいくは知らないけどな。」
「お義姉様は私と違ってスラッとしていてスタイルが良いんです。お顔立ちも大人っぽくてとても綺麗なんです。」
「高嶺の花ってやつ?でも婚約者がいるんだったな。…っつ、悪ぃ。」
「いえ。本当のことですから。それに本当にお義姉様は人気があるんです。実際に婚約するまでは、たくさんの貴族の方から婚約の打診を受けていたらしいのです。人気がるのに婚約者を作らなかったのは何故なのか不思議だったんですよね。」
非の打ち所がない令嬢ってところか?
確かにそんな女が婚約者を作らなかったのも、義妹の婚約者を奪るのも変な話だな。
「それから何と言ってもお義姉様は美しい黄緑の髪とエメラルドグリーンの瞳が本当に美しいんですよ。」
キラキラと瞳を輝かせながら姉ちゃんの話をするイオ…そのイオが発した言葉に思考が捕らわれる。
「黄緑の髪?」
「はい。」
俺が好きになった女の子の髪も黄緑色だった。
俺が覚えている彼女の特徴は黄緑の髪とあの言葉。
いや、黄緑の髪の女なんてそれなりにいる。
でもイオの姉ちゃんも彼女と同じような芯の強い女性だと思うと心臓がドキドキする。
何で今まで気づかなかったんだよ俺!
「イオが姉ちゃんと会う時、俺も会っていいか?」
「は、はい。もちろんです。」
勢いよく言う俺に最初は驚いていたイオは次第にニコニコと笑うから俺も笑っていた…が、ふと気付いてしまう。
イオの姉ちゃんは男からモテる事に…そして婚約者がいることに…
この事に気を取られた俺は、弟達にイオの想い人の件は俺の勘違いだったと伝えるのを忘れてしまうのだった。
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