(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

奏直

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お茶会前のひととき①

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それから2日間はエド様と過ごす日でしたが、エド様はお茶会の準備をする為、私はアリーさんとお義母様に大事をとってゆっくり休むように言われました。
お義姉様に会えるのは楽しみなので私は大人しくベッドで寝ています。
ただ何もする事がないのでアリーさんをなんとか説得して本を読んでいたのですが…あまり落ち着いて読む事が出来ませんでした。

そして今日はお義姉様がいらっしゃる日です。
つまり私の誕生日…なのですがハル様にあの日、何度も"大丈夫だ"と言って頂いてから本当に大丈夫な気がするんです。
何が大丈夫かは分かりません。
でもハル様の言葉に支えられているんです。
それから今日はあの日以降、初めてハル様に会う日でもあります。
どんな顔をすれば良いのでしょうか?

「おはようございます。お嬢様、お支度をいたしましょう。ご気分はいかがですか?少しは落ち着かれましたか?」

「‼︎…えっ?」

「体調は大丈夫ですか?まだ気分が優れませんか?」

「だ、大丈夫です。」

びっくりした…アリーさんに私の気持ちを見抜かれたのかと思ってしまいました。
あの日、気付いた気持ちは間違いかもしれないと蓋をした。
今日お義姉様にこの感情がなんなのか聞いてみて、これから私がどうすれば良いか考えようと思っています。
私はいずれサミュエル公爵邸から出て行くのですから。
今は国王陛下の気が変わるまでの一時の時間なのだから。
アリーさんに着替えを手伝って貰い、ハル様から頂いた髪留めで髪を結って頂きます。
お義姉様が到着するまで動揺する心をなんとか落ち着かせ本を読んで過ごします。
暫くしてアリーさんが私を呼びに来ました。

「お嬢様。イザベル様が到着されました。」

本を閉じ深呼吸をして立ちます。

「はい。」

部屋を出て、お義姉様が待つ応接間に向かいます。
応接間に入るとイザベルお義姉様がいらっしゃいました。
久々に会うお義姉様はやっぱり美しいです。
ソファから立ち上がったお義姉様が私に声を掛けて下さいます。

「ネイオウミ、久しぶりね。」

「お久しぶりでございます、お義姉。本日はお忙しい中ですのに起こし下さりありがとうございます。」

「こちらこそ、ありがとう。少しだけ2人で話せるかしら?」

「はい。アリーさん良いですよね?」

「大丈夫です。私達は隣の部屋に控えておりますので。シーラこちらに。」

そうでしたアリーさんとシーラさんはレナイト邸で顔馴染みですのよね。
アリーさんの後にシーラさんがついていかれます。
2人が部屋を出たのを確認しソファに座りましたがお義姉様はまだ立ったままでした。
慌てて私も立ったのですが…

「ごめんなさいネイオウミ。」

一体どういうことでしょうか?
何故、お義姉様に私は謝られているのでしょうか?
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