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イオの誕生日について③ ハル視点
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思わず抱きしめた俺の腕の中でイオが泣いている…
「約束したのに…何で…」
とっさに抱きしめたから嫌がられても仕方なかったのに俺の腕の中でイオは泣いた…
「それからも大切にしたい方達は私との約束を守って下さらないんです……私は約束なんて嫌いです……」
それはイオの悲痛な叫びだった。
どうして俺はイオと約束したんだろう…今更後悔しても遅いのは分かっているそれでも…いつか俺もイオとの約束を破らなければならない…。
俺は何も言えずただイオが落ち着くのを待った。
今の俺ではイオを支える事も、頼ってもらう事も出来ないから…今はただ側で勝手に守るだけだ…
「…っく…っひっく…」
落ち着かせたくて背中をポンポンと優しく叩き宥める。
それにしてもイオは今まで誕生日の度にこんな思いをしてきたのだろうか…1人でずっと?ただ耐えてきたのか?
俺はイオの事情を聞いたから、これから相手にする奴等を知っている。
イオをこんなに追い詰めた奴等を俺は絶対に許さない。
「ふっ…うぅ…ひっく…っく…ハ…ハル…様…ふっ…うっ…ごめ…ごめんなさ…」
「大丈夫だよ。大丈夫だから。落ち着くまでここに居るから。気の済むまで泣いていて良いから。」
イオの誕生日は大切な母親と最後に約束した日…イオがその約束を破られて1番傷ついたのは間違いないだろう。
現状では母親に殺されかけたんだ。
自分の誕生日を前向きに受け入れられないはずだ。
「ふぅぅ…うっ…あぁ……」
「大丈夫だ。大丈夫だから。」
イオが安心するまで俺はそう言い続けた。
イオの泣く声に俺まで泣きそうになる。
親父の言う通りだ。
イオを諦めるにしても想いを伝えるにしても相当な覚悟を決めないといけないんだ。
簡単な覚悟で妻にしたいなんて言った訳じゃないけど…俺の想いにイオが応えてくれるなら、俺はイオの人生を背負っていかなきゃいけないんだ…今までのイオも…これからのイオも…
そう考えると親父って凄いな…母さんの人生を背負う事を決めて結婚したんだよな。
それは母さんも同じか…
親父達が政略結婚じゃない事は知っていたけど、馴れ初め聞いてみても良いかもな。
それにしても親父は初めから知っていて俺達をイオに会わせたんだよな?
策士だよな本当に。
そんな事を考えていたら不意に腕の中のイオの重みが増した。
体を放して見てみたら泣いたまま寝てしまったようだ。
今まで我慢していたものを吐き出して疲れてしまったのだろう。
イオを起こさないように抱きかかえ寝室に向かいベッドに寝かせる。
髪留めを外しベッドサイドに置く。
イオの髪を撫でて離れた。
寝室から出てテーブルの上の本を簡単に片付ける。
部屋を出ようとしたところでアリーと会った。
「ハロルド様いらしてたんですか?」
「あぁイオと話したい事があってね。何を話したかは言えないけど、イオは泣き疲れて寝てしまったから起きたら果実水でも用意してあげて。」
「……………。」
「イオを傷つけるような事はいていないから安心して欲しい。」
「…畏まりました。」
「ありがとう。」
「ハロルド様がお嬢様を傷つける事はないと思ったまでです。」
「そうか。それでも、ありがとう。」
そう言い部屋を後にした。
「約束したのに…何で…」
とっさに抱きしめたから嫌がられても仕方なかったのに俺の腕の中でイオは泣いた…
「それからも大切にしたい方達は私との約束を守って下さらないんです……私は約束なんて嫌いです……」
それはイオの悲痛な叫びだった。
どうして俺はイオと約束したんだろう…今更後悔しても遅いのは分かっているそれでも…いつか俺もイオとの約束を破らなければならない…。
俺は何も言えずただイオが落ち着くのを待った。
今の俺ではイオを支える事も、頼ってもらう事も出来ないから…今はただ側で勝手に守るだけだ…
「…っく…っひっく…」
落ち着かせたくて背中をポンポンと優しく叩き宥める。
それにしてもイオは今まで誕生日の度にこんな思いをしてきたのだろうか…1人でずっと?ただ耐えてきたのか?
俺はイオの事情を聞いたから、これから相手にする奴等を知っている。
イオをこんなに追い詰めた奴等を俺は絶対に許さない。
「ふっ…うぅ…ひっく…っく…ハ…ハル…様…ふっ…うっ…ごめ…ごめんなさ…」
「大丈夫だよ。大丈夫だから。落ち着くまでここに居るから。気の済むまで泣いていて良いから。」
イオの誕生日は大切な母親と最後に約束した日…イオがその約束を破られて1番傷ついたのは間違いないだろう。
現状では母親に殺されかけたんだ。
自分の誕生日を前向きに受け入れられないはずだ。
「ふぅぅ…うっ…あぁ……」
「大丈夫だ。大丈夫だから。」
イオが安心するまで俺はそう言い続けた。
イオの泣く声に俺まで泣きそうになる。
親父の言う通りだ。
イオを諦めるにしても想いを伝えるにしても相当な覚悟を決めないといけないんだ。
簡単な覚悟で妻にしたいなんて言った訳じゃないけど…俺の想いにイオが応えてくれるなら、俺はイオの人生を背負っていかなきゃいけないんだ…今までのイオも…これからのイオも…
そう考えると親父って凄いな…母さんの人生を背負う事を決めて結婚したんだよな。
それは母さんも同じか…
親父達が政略結婚じゃない事は知っていたけど、馴れ初め聞いてみても良いかもな。
それにしても親父は初めから知っていて俺達をイオに会わせたんだよな?
策士だよな本当に。
そんな事を考えていたら不意に腕の中のイオの重みが増した。
体を放して見てみたら泣いたまま寝てしまったようだ。
今まで我慢していたものを吐き出して疲れてしまったのだろう。
イオを起こさないように抱きかかえ寝室に向かいベッドに寝かせる。
髪留めを外しベッドサイドに置く。
イオの髪を撫でて離れた。
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「あぁイオと話したい事があってね。何を話したかは言えないけど、イオは泣き疲れて寝てしまったから起きたら果実水でも用意してあげて。」
「……………。」
「イオを傷つけるような事はいていないから安心して欲しい。」
「…畏まりました。」
「ありがとう。」
「ハロルド様がお嬢様を傷つける事はないと思ったまでです。」
「そうか。それでも、ありがとう。」
そう言い部屋を後にした。
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