(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

奏直

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プレゼント①

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お義姉様はあの後、私が泣き止むまでずっと一緒にいて抱き締めていて下さいました。
泣き止んだ後お義姉様に言われてしまいました。

「修道女にはならないでね。サミュエル公爵様達が仰っていたようにジェダイナ公爵家の事が解決すれば私達は普通の姉妹のように過ごす事が出来るのだから。だから早まらないで…イオの好きな人の話は…」

「そんな人いません…」

「そうね…」

お義姉様は分かっていて私の気持ちを気遣って下さいました。
本当はハル様が好きな事にお義姉様も気付いていらっしゃるのでしょうが、知らないふりをして下さるということでしょう。
良かったです。
ハル様は私を好きになったりしないでしょうから…約束したのに私から破る事になったなんて知られたら…今、優しくして下さっているハル様をがっかりさせてしまいます。
それに先日、慰めて頂いた時に約束は嫌いだと…破られる約束が嫌いだと言ってしまいました。
なのにハル様を好きなんて言えません…この気持ちは無かった事にしなければ…
私が泣き止んだ後は、お義姉様とは一緒に居られることが当たり前に出来るようになったらしてみたい事を話したりしました。
早くそうなれたら良いなと思います。
そうなれたら私はサミュエル公爵家を出て行くことができます。
ハル様にこの気持ちが気付かれる前に離れなくては…
たくさんお義姉様とお話をして談話室に戻った時、エド様とダニー様にジッと見られました。

「何かありましたか?」

「「な、何でもない⁉︎」」

何でしょうか?私、何かしましたでしょうか?

「そうだイオ、晩餐の前にプレゼントを渡したいんだけど良いかしら?」

お義母様は今日から私の事をイオと呼んでくださいます。
嬉しいです。

「ありがとうございます。」

「私からは服をプレゼントするわ。ちょっと選びすぎちゃったから、今イオの部屋にクラレンスが運んでくれているから晩餐の前に気に入ったのを着て頂戴!」

今のお話ですと服は一着ではないのですか?

「あっ遠慮はしないでね?ほら、私には娘がいないから女の子の服を選んでみたかったのよ。楽しくてつい買っちゃったんだけどイオが来てくれなかったら無駄になっちゃうわ。だから遠慮なく着てね?今後も私とのお茶会の時とかに着てくれたら嬉しいわ。」

「あ、ありがとうございます。」

私が遠慮する事を知っていてお義母様が気遣ってくださったことが嬉しくて直ぐにお礼を言いました。

「私からは夜会用のドレスと必要な装飾を一式プレゼントするよ。今度、イオに合わせて仕立ててもらうから今日は渡せなくて申し訳ないんだけど…これも遠慮はいらないからね。なんせ私とレナイト侯爵からなんだからね。こうでもしないと彼はイオにプレゼント出来ないから。」

「ありがとうございます。」

公爵様からだけでも嬉しいのに、お父様からもだなんて…

「ほら貴方達も用意したのでしょう?」

お義母様がそう言うとエド様が私の前にいらっしゃいました。
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