156 / 215
私の意向に沿うように ロバート・サミュエル視点
しおりを挟む
「さて、それではどうしようかニコラス侯爵。」
「何をお望みですか?」
私はニコラス侯爵の意思を確認したかったのだが、こちらの言う事に従うということか…だがな…
「何を?意味がわからないな。私は貴殿の娘がしでかした事の責を問うているんだが?」
シャーロット嬢がニコラス侯爵の娘でなくとも世間的にはそうなのだから仕方ない。
「私自身にどう責任を取るか聞いているのですか?そうですね…イザベルでも嫁がせますか?」
イザベルにもエドに嫁いでもらうが、簡単に嫁がせるなどと…自分の子供をどう思っているのだろうな…しかも血の繋がらない子供であるシャーロット嬢のために…更にイザベルを嫁がせるなどと侯爵自身が責任を取るつもりがないのも腹立たしいな。
この男の場合シャーロット嬢が可愛いからという理由ではないだろうが、本当にどの子もどうでも良いのだろうな。
そんな男に親としての愛情を求めていたネイオウミが可哀想でならない。
何よりもニコラス侯爵が今までネイオウミを隠していたと思うしかないな。
キャサリン夫人が何も言わないのは自身の子であるシャーロットの処遇が気になるからか?それとも自身とニコラス侯爵の処遇が気になるからか?どちらにしても事の成り行きを静観しているというところかな?
「それは願ってもない事だな。だが私としては先にネイオウミ嬢について考えてもらいたいな。」
「あぁネイオウミを引き取れば良いですか?やはりご迷惑をお掛けしましたか?」
ネイオウミが迷惑を掛けたと思っているのか?ニコラス侯爵は何か思惑があってネイオウミを助けたいと私達に言ってきていた事を隠す気はないのか?
まぁ侯爵がその気なら遠慮は要らないな。
「何を言ってるんですか?私はネイオウミ嬢とあなた方の縁を切って頂きたいと言っているんですよ。」
「私達とネイオウミの縁を?」
「えぇ。」
「…………?」
「もしかして公爵様はイザベルを嫁がせるのにネイオウミの存在を疎ましく思って私たちと縁を切らせ修道院に送るつもりですか?」
やっと発言したかと思えば随分な理由を並べ立てるな。
自分に都合の良い解釈をするところも母娘ともに似ているな。
「貴方達とは縁を切って頂きたいのはハロルドとネイオウミのためですよ。ネイオウミを修道院に送ることなど考えてもいませんよ。もし本人にそのつもりがあったとしてもです。」
「それはつまりどういうことですの?」
キャサリン夫人も話を理解できない類の人ですか…まぁ良いだろう。
「理由は簡単だ。ネイオウミをハロルドを侮辱した者達の家族でいさせるわけにはいかないからだよ。」
「な!」
「私の話は以上です。明日以降にでも正式な手続きに移らせていただきます。それからイザベル嬢の婚約も解消しておいて下さい。」
「何故ですの?」
「うちの息子に嫁いでくれるんでしょう?それでは失礼するよ。」
私は軽快な足取りで部屋を後にする。
私が先程までいた部屋から叫ぶ声があがろうと私には何も聞こえない。
それに私達は真の敵にこれから向かわねばならないのだから。
「何をお望みですか?」
私はニコラス侯爵の意思を確認したかったのだが、こちらの言う事に従うということか…だがな…
「何を?意味がわからないな。私は貴殿の娘がしでかした事の責を問うているんだが?」
シャーロット嬢がニコラス侯爵の娘でなくとも世間的にはそうなのだから仕方ない。
「私自身にどう責任を取るか聞いているのですか?そうですね…イザベルでも嫁がせますか?」
イザベルにもエドに嫁いでもらうが、簡単に嫁がせるなどと…自分の子供をどう思っているのだろうな…しかも血の繋がらない子供であるシャーロット嬢のために…更にイザベルを嫁がせるなどと侯爵自身が責任を取るつもりがないのも腹立たしいな。
この男の場合シャーロット嬢が可愛いからという理由ではないだろうが、本当にどの子もどうでも良いのだろうな。
そんな男に親としての愛情を求めていたネイオウミが可哀想でならない。
何よりもニコラス侯爵が今までネイオウミを隠していたと思うしかないな。
キャサリン夫人が何も言わないのは自身の子であるシャーロットの処遇が気になるからか?それとも自身とニコラス侯爵の処遇が気になるからか?どちらにしても事の成り行きを静観しているというところかな?
「それは願ってもない事だな。だが私としては先にネイオウミ嬢について考えてもらいたいな。」
「あぁネイオウミを引き取れば良いですか?やはりご迷惑をお掛けしましたか?」
ネイオウミが迷惑を掛けたと思っているのか?ニコラス侯爵は何か思惑があってネイオウミを助けたいと私達に言ってきていた事を隠す気はないのか?
まぁ侯爵がその気なら遠慮は要らないな。
「何を言ってるんですか?私はネイオウミ嬢とあなた方の縁を切って頂きたいと言っているんですよ。」
「私達とネイオウミの縁を?」
「えぇ。」
「…………?」
「もしかして公爵様はイザベルを嫁がせるのにネイオウミの存在を疎ましく思って私たちと縁を切らせ修道院に送るつもりですか?」
やっと発言したかと思えば随分な理由を並べ立てるな。
自分に都合の良い解釈をするところも母娘ともに似ているな。
「貴方達とは縁を切って頂きたいのはハロルドとネイオウミのためですよ。ネイオウミを修道院に送ることなど考えてもいませんよ。もし本人にそのつもりがあったとしてもです。」
「それはつまりどういうことですの?」
キャサリン夫人も話を理解できない類の人ですか…まぁ良いだろう。
「理由は簡単だ。ネイオウミをハロルドを侮辱した者達の家族でいさせるわけにはいかないからだよ。」
「な!」
「私の話は以上です。明日以降にでも正式な手続きに移らせていただきます。それからイザベル嬢の婚約も解消しておいて下さい。」
「何故ですの?」
「うちの息子に嫁いでくれるんでしょう?それでは失礼するよ。」
私は軽快な足取りで部屋を後にする。
私が先程までいた部屋から叫ぶ声があがろうと私には何も聞こえない。
それに私達は真の敵にこれから向かわねばならないのだから。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる