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ニコラス侯爵が疑う者② ネイオウミ視点
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会場の中がとても騒がしくなっていく中、私はどこか冷静にお父様を見ていました。
お父様はお母様をとても愛していらしたと聞いています。
先程お父様はイザベルお義姉様のお母様のことは疑っているのではなく聞きたいことを聞けなかった戦友と仰いました。
シャーロットのお母様のことは、夫婦だから疑っているふりをしていると仰ったように聞こえました。
だとしたらお父様が本当に疑っているのは私のお母様という事になります。
お父様はお母様を疑っていた。
つまり私はお父様の子供ではなかった…とお父様は思っていらっしゃる訳ですよね。
私がレナイト家で孤立することになったのはやっぱり当然という事で…お父様はイザベルお義姉様が自分の本当の子供ではなくとも生涯家族である事を決められたからジェダイナ公爵から守った訳で…
「お父様は…」
勇気を振り絞って出した声は会場の騒めきに消されてしまいました。
いいえ、そういうことにして呼ぶのを諦めてしまったんです。
だって、私がお父様と呼んで良いのか迷ってしまったから。
「大丈夫だよ。もう一度、侯爵に声をかけてごらん。」
そう優しくハロルド様が声をかけて下さいました。
「お…お父様…お、お父様!」
「…………………何だい?ネイオウミ。」
「お、お父様はお母様を疑っていらっしゃったのですか?」
「……………………………。」
「ニコラス侯爵、私の質問もまだ終わっていません。ネイオウミ嬢も聞きましたがパトリシア・レナイト侯爵夫人の事をう違っていらしたの?」
「はい。私はパティを疑っていました。」
私の質問には答えて下さらなかったお父様は夫人の質問にはすぐにお答えになりました。
私と話すのがそんなに嫌なのでしょうか?
「それは何故ですの?」
お父様はジェダイナ公爵夫人とお話を始められ私の方は一切見なくなりました。
「私がパティを愛していたのに疑っていたのは、彼女が私を裏切っていたからです。」
「裏切っていた?…そちらにいるネイオウミ嬢も貴方の子供ではないと言うのですか?貴方の子供はイザベルだけだと?」
「はい。私はそう思っています。」
「確たる証拠はないのね?貴方の子である可能性もあるのね?」
「いえ、証拠はあります。」
お父様は私がお父様の子供じゃないことの証拠まで持っていらしたんですね。
とても愛していたお母様の裏切りの子供である私の事をお父様はどんな気持ちで見ていたのでしょうか?
「その証拠とは?」
「それは…」
それまで淀みなく公爵夫人の質問に答えていたお父様はが口籠もりました。
「それは?」
夫人がお父様に先を促しますがお父様は中々その先を話されません。
暫くの沈黙の後漸くお父様は意を決したようにボソリと話されたのです。
「……ネイオウミの髪は………不敬かも知れませんが……………王家の方と同じ特徴をしていたからです。」
会場にいる人の目が一斉に私に向かうのを感じました。
「それはネイオウミ嬢に王家の血が流れているということ?」
「ではないかと…」
「そんなバカなことがあるか!不敬にも程があるぞ!」
ジェダイナ公爵がそう声を荒げられました。
私に王家の血が?お父様は私の髪を見てそう思ったと言いましたが、私の髪はハル様達のような綺麗なグラデーションではありません。
一体お父様は私の髪の何を見てそんな勘違いをされたのでしょうか?
お父様はお母様をとても愛していらしたと聞いています。
先程お父様はイザベルお義姉様のお母様のことは疑っているのではなく聞きたいことを聞けなかった戦友と仰いました。
シャーロットのお母様のことは、夫婦だから疑っているふりをしていると仰ったように聞こえました。
だとしたらお父様が本当に疑っているのは私のお母様という事になります。
お父様はお母様を疑っていた。
つまり私はお父様の子供ではなかった…とお父様は思っていらっしゃる訳ですよね。
私がレナイト家で孤立することになったのはやっぱり当然という事で…お父様はイザベルお義姉様が自分の本当の子供ではなくとも生涯家族である事を決められたからジェダイナ公爵から守った訳で…
「お父様は…」
勇気を振り絞って出した声は会場の騒めきに消されてしまいました。
いいえ、そういうことにして呼ぶのを諦めてしまったんです。
だって、私がお父様と呼んで良いのか迷ってしまったから。
「大丈夫だよ。もう一度、侯爵に声をかけてごらん。」
そう優しくハロルド様が声をかけて下さいました。
「お…お父様…お、お父様!」
「…………………何だい?ネイオウミ。」
「お、お父様はお母様を疑っていらっしゃったのですか?」
「……………………………。」
「ニコラス侯爵、私の質問もまだ終わっていません。ネイオウミ嬢も聞きましたがパトリシア・レナイト侯爵夫人の事をう違っていらしたの?」
「はい。私はパティを疑っていました。」
私の質問には答えて下さらなかったお父様は夫人の質問にはすぐにお答えになりました。
私と話すのがそんなに嫌なのでしょうか?
「それは何故ですの?」
お父様はジェダイナ公爵夫人とお話を始められ私の方は一切見なくなりました。
「私がパティを愛していたのに疑っていたのは、彼女が私を裏切っていたからです。」
「裏切っていた?…そちらにいるネイオウミ嬢も貴方の子供ではないと言うのですか?貴方の子供はイザベルだけだと?」
「はい。私はそう思っています。」
「確たる証拠はないのね?貴方の子である可能性もあるのね?」
「いえ、証拠はあります。」
お父様は私がお父様の子供じゃないことの証拠まで持っていらしたんですね。
とても愛していたお母様の裏切りの子供である私の事をお父様はどんな気持ちで見ていたのでしょうか?
「その証拠とは?」
「それは…」
それまで淀みなく公爵夫人の質問に答えていたお父様はが口籠もりました。
「それは?」
夫人がお父様に先を促しますがお父様は中々その先を話されません。
暫くの沈黙の後漸くお父様は意を決したようにボソリと話されたのです。
「……ネイオウミの髪は………不敬かも知れませんが……………王家の方と同じ特徴をしていたからです。」
会場にいる人の目が一斉に私に向かうのを感じました。
「それはネイオウミ嬢に王家の血が流れているということ?」
「ではないかと…」
「そんなバカなことがあるか!不敬にも程があるぞ!」
ジェダイナ公爵がそう声を荒げられました。
私に王家の血が?お父様は私の髪を見てそう思ったと言いましたが、私の髪はハル様達のような綺麗なグラデーションではありません。
一体お父様は私の髪の何を見てそんな勘違いをされたのでしょうか?
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