久遠寺調査事務所事件ファイル

桃子

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1章 寝取られ惣助

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 惣助は、小窓から部屋を覗く自分自身の姿に驚いて、結奈の乳房を握っていた右手に力を込めた。

「ひゃああんっ」

 急に乳首を握り潰されて、結奈が悲鳴を上げる。けれど、その痛みが刺激となったのか、止まっていた結奈の腰が、また擦りつけるように動き始めた。

「ふああん、ああっ、ああん」

 その、結奈の腰の動きに合わせるように、惣助も自然に抽送を再開する。

「ああん、いいっ、いいよぉ、もっと、もっと、きてぇ」

 視線を上げて室内の時計を見ると、13時40分を回っている。あの日、リビングで結奈の情事を見た、あの時間だった。

「ふふ、ふはは、ははははは」

 無性に可笑しくなって、低く笑い声を漏らす。
 笑いながら、結奈の身体から、肉棒を引き抜いた。

「あんっ、やあ」

 クルリと結奈を返して、向かい合わせに跨らせる。すぐには挿入せず、亀頭でクリトリスをゴリゴリと擦れば、結奈はそれに合わせて、腰を回した。

「なあ、ホントに浮気とかしてないんだな?」
「ああん、してない、してないよう」
「俺のチンポが一番?モップや人参より気持ちいい?」
「うん、うん」

 惣助の肉棒を欲して腰を動かす結奈を焦らしながら、乳首を摘み上げる。

「ねえ、俺のが一番って、言って、おねだりしてよ。そしたら結奈のエロマンコにチンポ入れてやるから」

「あなたの、あなたのおチンポが、一番ですぅ。おねがい、結奈の、えっちなオマンコにおチンポ入れてくださいっ」

 一月前に聞いたのと、全く違わぬ言葉だった。惣助の胸に、幸福感が広がっていく。
 惣助は、結奈に深く口づけた。舌を差し入れると、結奈も舌を絡めてくる。口づけたまま、惣助は、結奈の腰に、自分の肉棒を突き入れた。

「むぐっ、はあっ、ああっ、ああん」

 口づけを解いて、結奈が体を仰け反らせた。向かい合っての挿入は、さっきまでよりも深く、惣助の亀頭は子宮口まで届いた。

「ああん、いい、いい、奥までくるよう」

 目の前で、結奈の豊満な乳房が揺れている。その片方の乳首を口に含んでコロコロ舌で転がすと、結奈の秘裂がギュッと締め付けてきた。
 子宮口をゴンゴンとノックされ、結奈の限界が近づいてくる。

「いい、いい、いく、いく、いっちゃうよぅ」
「ああ、俺も、もう、出そうだ」
「出して、せーえき、いっぱい出して、ああん、いくッ、いくぅーッ!」

 結奈は高い声を出して仰け反ると、秘部をギュウギュウと惣助に押し付けてきた。ドクン、ドクンと膣壁が痙攣して惣助のモノを締め付ける。その、強い刺激に、惣助の肉棒もぶわっと質量を増したかと思うと、どびゅ、どびゅと、蠕動しながら大量の精液を吐き出した。

「ああん、アナタのが、びくびくしてるよぅ」

 惣助の射精にまた刺激を受けたのか、結奈の膣壁は、ギュッ、ギュッと中に引き込むように痙攣を続ける。
 最後に、ギュウウと強く締め付けたかと思うと、結奈の身体から力が抜けた。

「はあああ。……すっごく、気持ちよかったよぅ」

 結奈が、惣助にもたれかかってくる。そんな結奈に、口づけて、軽く抱き寄せた。

「うん、俺も、すごく気持ちよかった」

 しばらく、二人で、お互いの鼓動を静かに聞く。

「ねえ、あなた、私が浮気してるかもって疑ってたの?ホントに?」
「いや、まあ、その」
「ひっどーい」
「だって、最近、全然してなかっただろ。結奈はそれでも平気そうにしてるし、かと思えは、激しく一人エッチしてるし」
「あ、あれは、その」

 結奈がバタバタと慌てて手を振る。

「週に三回もあんなことしてたの?」
「あうううう」
「結奈が、こんなにエッチだなんて、全然知らなかった」
「ふええええ」

 結奈は羞恥に半泣きで惣助の胸に顔を伏せてしまった。
 そんな、結奈の頭を、惣助は柔らかく撫でる。

「いや、本当に、俺たち、セックスについて、全然話したこと無かっただろ。まあ、結奈が恥ずかしがるからなんだけどさ」
「ううううう」
「でも、もうちょっと、話しとくべきだったなって思ったよ。どこがいいとか、どうして欲しいとか」

 そうっと顔を上げた結奈に、惣助は笑いかけた。

「エッチしたいとか、仕事が忙しくても、なんか、もうちょっと、できたよなぁって。そういうの、できなくても、本当はしたいんだってお互いわかってたら、もっと不満も少なかったかもなって」

 結奈が、小さく頷いた。

「あと、まあ、結奈が苛められると興奮するなんて、全然知らなかった!」
「やだ、そんな」
「すごく、感じてたもんな。普段からもうちょっと工夫しないとなぁ」
「工夫って、何するのよ、もう!」

 顔を膨らませる結奈から、笑いながら体を離すと、少し力をなくした惣助のペニスが、ぬるっと結奈の体内から出てきた。続いて、ぽたり、と白い精液が結奈の割れ目から零れ落ちる。

「でも、いっぱい出しちゃったな。これは、デキたかもな。そしたら暫くできないな」
「え、そんなことないよ」

 結奈が俯く。いつもはそんなそぶりは見せないが、結婚して4年、子どもが出来なかったのを気に病んでいたのだ。
 けれど、今回こそは、できているだろう。惣助はそれを知っているのだ。

「結奈のオマンコ、子宮の奥までゴクゴク精液飲み込んでたからな。これは来るぞ」
「やだもう!でも、そうだね、できるといいなぁ」

 惣助は立ち上がって、軽く拭くと、手早くボクサーパンツとズボンを履いた。

「じゃあ、俺、会社戻るから」
「え?帰ってきたんじゃなかったの?」
「時間が空いたから、一時帰宅。まだ、今日は夜まであると思う。あと、同僚に誘われて飲んで帰るかもしれない」
「お夕飯いらない時は、連絡してね」

 連絡はしないのだ。それを知っていた。けれど、

「わかった」

 そう答えるしかない。

「またあと1か月くらいは忙しいと思う」
「そうかー。無理しないでね」

 惣助を見送るために、ふらふら立ち上がろうとする結奈を止める。

「ちょっと休んでろよ。ガクガクしてるぞ。だいたい、裸で見送りできないだろ」
「ううううう」
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」



 リビングのドアをバタンと閉める。翔子から渡された腕時計を見ると、遡行時間終了5分前だった。
 急いで洗面所で手を洗うと、納戸の扉を開けてくぐった。
 開いた扉の向こうが明るい。目をすがめて後ろ手に扉を閉める。明るさに慣れた目で見まわせば、そこは久遠寺調査事務所の受付だった。
 部屋の隅のスツールに、最初と同じように翔子が足を組んで腰かけている。
 戻ってきた惣助を見て、にっこり笑うと、立ち上がった。

「遡行調査、終了しました。お疲れ様です」
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