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第22節 ~初めての仲間は反抗期~
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宿に戻ってきた俺は目の前からの重圧に必死に耐えていた。
目の前にはもちろんニーナがいる。
とくに抵抗することもなくニーナは宿までついてきたのだが、現段階で口は一切聞いてもらえていない。
まぁ、彼女の境遇を考えると自分以外誰も信じられないのは当たり前だと思うが。
牢屋の中では暗がりにいたのでよくわからなかったが、ニーナには猫耳が生えていた。
この世界における猫獣人と呼ばれる種族らしい。
猫の種類的に言えば三毛猫の猫獣人と言ったところだろうか。
セミロングの栗毛に猫耳がよく似合う。
服装は奴隷商が急いで用意した冒険者の初期装備一式を身に着けており、見た目より動きやすさ重視と言った感じなのだが、美少女が着ればただの冒険者装備一式でも可愛く見えてしまう。
スタイルもそこそこ良いから、余計だ。
そして、そんな美少女からガン見されて、同じように見つめ返せるほど俺の心は強く出来ていない。
「あのぉ・・・」
「・・・・・・」
「えっと・・・」
「・・・・・・」
無言のプレッシャー怖い!!
購入早々難題にぶつかった。いや、むしろスタートすら出来ていない。
視線に耐えきれなくなった俺は一度部屋から出ると店主の居る宿の受付へと向かった。
「すみません、宿に2人で泊まる事ってできますか?」
「ん?あぁ、坊主か。さっき連れてきた奴隷の子も泊まるのか?いいぞ。奴隷は銅貨2枚だ」
ふむ、奴隷はどうやら宿代も安いらしい。
俺が一泊銅貨8枚なので、4分の1だ。
「えっと、何で安いんですか?」
「ん?何でって、ベッドもいらないし食事もパンだけでいいだろ?それなのにこれ以上取ったら、あんたらが困るだろ」
店主が当たり前の様に言った言葉で、俺はある程度この世界における奴隷の立場を理解することが出来た。
この世界の常識なのでどうしようもないが、あまり好きになれる常識ではない。
「じゃあ、銅貨8枚追加で払うので俺と同じ食事をお願いします。あと、毛布でいいので、もう1枚いただけますか?」
「こっちは問題ないが、良いのか?」
「はい」
「わかった。毛布はそこにあるから勝手に持っていきな。食事はあとで部屋まで運ばせよう」
「お願いします」
店主に銅貨8枚を渡し入れ替わりに毛布を受け取ると、それを抱えたまま部屋へと戻った。
「失礼します」
部屋でしばらくニーナの視線に耐えていると、扉をノックする音と共に宿の女将さんの声が聞こえてきた。
待ってましたと言わんばかりに飛び上ると、俺は扉を開く。
予想通り食事を持ってきてくれたようだ。
女将さんが部屋のテーブルの上に料理を並べていく。
さすがのニーナも料理が気になるのか、俺から目線を外し料理に釘付けになっていた。
一通り並べ終えると女将さんが部屋を退出し、俺が料理の前へと腰掛ける。
ニーナは動こうとしなかったが、俺の手招きを見るとテーブルの向かい側に寄ってきた。
「そっち半分ニーナの分だから」
俺の言ったことが理解できなかったのか、ニーナは首を傾げる。
この世界の奴隷の食事は質素な事が当たり前のようなので、俺と同じメニューが並んでいることに戸惑っているようだった。
くぅ~。
言葉での返事はなかったが、俺の言葉に対してニーナのお腹が可愛く鳴った。
「食べていいよ」
なるべく優しく聞こえるように心がけながら俺がそう言うと、やっと理解してくれたのかオドオドとしながら食事に手を伸ばし始める。
一口、また一口と自分の口に料理を運んでいくニーナを見ながら俺も料理を口に運んだ。
焼いたロールパンに何の肉かはわからないステーキとサラダ、見た目コンソメスープの様なスープにフルーツが付いた俺からすれば普通の食事だったが、必死に食べるニーナを見る限り彼女にとっては贅沢な食事なのだろう。
ニーナの目の端に涙が見えたような気がしたが、俺は見なかったことにする。
今は目の前に食事を存分に味わってくれれば俺は満足だ。
ニーナの目の前にあった食事がどんどんと減っていくのを見ながら、俺は自分のステーキを半分だけニーナのお皿に移す。
自分に子供ができたらこんな気持ちなんだろうかと少し思いながら、減っていく料理達を見守った。
やがてテーブルの上から全ての料理がなくなる。
女将さんを呼び食器を片付けて貰うと、当たり前の様に床で寝ようとし始めたニーナを抱きかかえてベッドの上まで運ぶ。
少しニーナの警戒が強まった気がしたが、やましい気持ちがあるわけではないので許してほしい。
ベッドに寝させたニーナに無理矢理毛布をかけると、俺も自分の分の毛布を掴んで床に寝転がった。
「それじゃあ、おやすみニーナ」
会って一日で信じろと言われたところで無理な話なのは百も承知だ。
だから、時間はかかるかもしれないけれど俺の事をニーナに知ってもらうしか信頼を勝ち取る方法はない。
例えそれがどれだけ大変だろうと、俺に出来るのは1歩ずつ前に進む事だけだ。
夜風の音だけが聞こえる夜陰の中、その声は微かに発せられ、やがて夜風の音へと呑み込まれていく。
「ありがと」
これでやっと1歩目が踏み出せたんだと俺は思う。
目の前にはもちろんニーナがいる。
とくに抵抗することもなくニーナは宿までついてきたのだが、現段階で口は一切聞いてもらえていない。
まぁ、彼女の境遇を考えると自分以外誰も信じられないのは当たり前だと思うが。
牢屋の中では暗がりにいたのでよくわからなかったが、ニーナには猫耳が生えていた。
この世界における猫獣人と呼ばれる種族らしい。
猫の種類的に言えば三毛猫の猫獣人と言ったところだろうか。
セミロングの栗毛に猫耳がよく似合う。
服装は奴隷商が急いで用意した冒険者の初期装備一式を身に着けており、見た目より動きやすさ重視と言った感じなのだが、美少女が着ればただの冒険者装備一式でも可愛く見えてしまう。
スタイルもそこそこ良いから、余計だ。
そして、そんな美少女からガン見されて、同じように見つめ返せるほど俺の心は強く出来ていない。
「あのぉ・・・」
「・・・・・・」
「えっと・・・」
「・・・・・・」
無言のプレッシャー怖い!!
購入早々難題にぶつかった。いや、むしろスタートすら出来ていない。
視線に耐えきれなくなった俺は一度部屋から出ると店主の居る宿の受付へと向かった。
「すみません、宿に2人で泊まる事ってできますか?」
「ん?あぁ、坊主か。さっき連れてきた奴隷の子も泊まるのか?いいぞ。奴隷は銅貨2枚だ」
ふむ、奴隷はどうやら宿代も安いらしい。
俺が一泊銅貨8枚なので、4分の1だ。
「えっと、何で安いんですか?」
「ん?何でって、ベッドもいらないし食事もパンだけでいいだろ?それなのにこれ以上取ったら、あんたらが困るだろ」
店主が当たり前の様に言った言葉で、俺はある程度この世界における奴隷の立場を理解することが出来た。
この世界の常識なのでどうしようもないが、あまり好きになれる常識ではない。
「じゃあ、銅貨8枚追加で払うので俺と同じ食事をお願いします。あと、毛布でいいので、もう1枚いただけますか?」
「こっちは問題ないが、良いのか?」
「はい」
「わかった。毛布はそこにあるから勝手に持っていきな。食事はあとで部屋まで運ばせよう」
「お願いします」
店主に銅貨8枚を渡し入れ替わりに毛布を受け取ると、それを抱えたまま部屋へと戻った。
「失礼します」
部屋でしばらくニーナの視線に耐えていると、扉をノックする音と共に宿の女将さんの声が聞こえてきた。
待ってましたと言わんばかりに飛び上ると、俺は扉を開く。
予想通り食事を持ってきてくれたようだ。
女将さんが部屋のテーブルの上に料理を並べていく。
さすがのニーナも料理が気になるのか、俺から目線を外し料理に釘付けになっていた。
一通り並べ終えると女将さんが部屋を退出し、俺が料理の前へと腰掛ける。
ニーナは動こうとしなかったが、俺の手招きを見るとテーブルの向かい側に寄ってきた。
「そっち半分ニーナの分だから」
俺の言ったことが理解できなかったのか、ニーナは首を傾げる。
この世界の奴隷の食事は質素な事が当たり前のようなので、俺と同じメニューが並んでいることに戸惑っているようだった。
くぅ~。
言葉での返事はなかったが、俺の言葉に対してニーナのお腹が可愛く鳴った。
「食べていいよ」
なるべく優しく聞こえるように心がけながら俺がそう言うと、やっと理解してくれたのかオドオドとしながら食事に手を伸ばし始める。
一口、また一口と自分の口に料理を運んでいくニーナを見ながら俺も料理を口に運んだ。
焼いたロールパンに何の肉かはわからないステーキとサラダ、見た目コンソメスープの様なスープにフルーツが付いた俺からすれば普通の食事だったが、必死に食べるニーナを見る限り彼女にとっては贅沢な食事なのだろう。
ニーナの目の端に涙が見えたような気がしたが、俺は見なかったことにする。
今は目の前に食事を存分に味わってくれれば俺は満足だ。
ニーナの目の前にあった食事がどんどんと減っていくのを見ながら、俺は自分のステーキを半分だけニーナのお皿に移す。
自分に子供ができたらこんな気持ちなんだろうかと少し思いながら、減っていく料理達を見守った。
やがてテーブルの上から全ての料理がなくなる。
女将さんを呼び食器を片付けて貰うと、当たり前の様に床で寝ようとし始めたニーナを抱きかかえてベッドの上まで運ぶ。
少しニーナの警戒が強まった気がしたが、やましい気持ちがあるわけではないので許してほしい。
ベッドに寝させたニーナに無理矢理毛布をかけると、俺も自分の分の毛布を掴んで床に寝転がった。
「それじゃあ、おやすみニーナ」
会って一日で信じろと言われたところで無理な話なのは百も承知だ。
だから、時間はかかるかもしれないけれど俺の事をニーナに知ってもらうしか信頼を勝ち取る方法はない。
例えそれがどれだけ大変だろうと、俺に出来るのは1歩ずつ前に進む事だけだ。
夜風の音だけが聞こえる夜陰の中、その声は微かに発せられ、やがて夜風の音へと呑み込まれていく。
「ありがと」
これでやっと1歩目が踏み出せたんだと俺は思う。
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