寂しいからそばにいて（仮）【『無冠の皇帝』スピンオフ】

砲撃のパラディン大佐隊編（【05】の裏）

62【異動編11】訓練一日目：その日のパラディン大佐

【パラディン大佐隊・執務室】

パラディン
「今日の訓練、やっぱり私もついていけばよかった！」

モルトヴァン
「十一班と十二班の訓練ですか？」

パラディン
「モルトヴァン……おまえ、わかっていて言っているだろう……」

モルトヴァン
「もちろんです。今日の訓練はどちらも大佐の前ではやりにくいそうですから、大佐は明日に備えて粛々と事務仕事を消化してください。大佐もエリゴール中佐の護衛なしに外は出歩きたくないでしょう？」

パラディン
「はっ、そうだった。さすがに宇宙からエリゴール中佐は呼び出せない。……うう、寂しいからまたあの通信映像見よう……」

モルトヴァン
「そんなことしてるから仕事が溜まっていくんですよ。どうしてもエリゴール中佐を見たいなら、せめて写真にしてください」

パラディン
「ほう……エリゴール中佐……何時間でも見ていられる……」

モルトヴァン
「やっぱり、写真も禁止です。一時間だけ集中して仕事をしてください。そうしたら、一回だけ通信映像を見るのを許可します」

パラディン
「よし、頑張る……って、どうして副官のおまえに許可されなければならないんだ？」

モルトヴァン
「大佐が仕事をサボるからです」

パラディン
「くっ……エリゴール中佐！　一時間だけ待っていて！」

モルトヴァン
「別に一時間じゃなくても、何時間でも待っていてくれますよ、そのエリゴール中佐は……」