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花畑
風景
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一面の花畑。
その幻想的な風景に私は飲み込まれた。
色とりどりの花。
そのどれもが普通の花とは色も形も違っていた。
ぐにゃぐにゃとした輪郭は子どもの落書きのようで、極彩色に染まっていた。
空は赤く、太陽と月は点滅を繰り返している。
飛ぶ鳥は、果たして鳥と言っていいものか、鼠の様な馬の様な、まるででたらめな姿をしていた。
あれが鵺という化け物だろうか。
私はしゃがんで花をじっくりと観察した。
葉の様な花弁の様な、不思議な形をした花は、時折花粉を宙に撒き散らした。
花畑の夢なら何十回と渡り歩いたが、この夢はそれらとは似ているようで違っていた。
ちぐはぐで、でたらめで、大雑把な夢。
だがこんな夢に私は惹かれるのである。
きっとこの夢を見ている彼若くは彼女は、気難しい芸術家なのだろう。
自らの思考や感覚を形にする芸術家。
気難しいと思ったのは、ちぐはぐなだけでなく、ある種の規則性をこの花畑から感じたからである。
咲き誇る花々は、小さい花を先頭に順序良く並んでいて、空に輝く星は、太陽を中心に同心円を描くように配置されている。
空を飛ぶ鳥も一列に並んでいた。
成る程、これは面白い。
この夢の主はどんな人なのだろう。
その事に興味が湧いた。
私は花畑を進んで夢の主を探した。
しかし、周囲を見渡しても人の形をしたものは何処にも見当たらなかった。
透明な姿をした主には会ったことがあるが、姿が見えなくてもその存在は感知出来た。
だが、今いる夢の主は、透明どころか存在すら感知出来なかった。
これはつまり、この夢を見ているであろう人は、自分自身を認識出来ていない、自分にとっての「自分」は存在しないと思っているのだろう。
さてどうしたものか。
私は少し考えてある事を思いついた。
夢の世界にいないのなら、眠っている肉体がある人間の世界で探せばいいのだ。
夢見は夢の世界だけではなく、人間の世界へも行くことが出来る。
但し、人間に夢見は見えず、夢見は人間世界に干渉出来ない。
幽霊の様な存在になるということだ。
それでも私は知りたかった。
この奇妙な夢を見ている不思議な人を。
人間の世界へ行くには、夢を見ている人間の特別な欠片を取り込む必要がある。
欠片は、或いは生き物(しかし夢の世界の生き物に命は宿っていない)であったり、或いは夢を見ている人間の大切な宝物であったり、種類は様々である。
この広い花畑で欠片を探すのは中々大変だろうと私は思った。
しかしそれもまた夢を渡る楽しみである。
私は花畑をゆっくりと歩いた。
花々は風もないのにゆらゆらと首を振る。
此方を向いては花粉を舞い散らせ、彼方を向いては太陽にお辞儀をする。
君達は随分と忙しいのだな。
私はそう言って笑った。
その中に一つだけ、動かない花があった。
花畑の中で一際小さく、そしてその花だけは見覚えのある形をしていた。
太陽に向かって優雅に立つ、それは正に向日葵だった。
その幻想的な風景に私は飲み込まれた。
色とりどりの花。
そのどれもが普通の花とは色も形も違っていた。
ぐにゃぐにゃとした輪郭は子どもの落書きのようで、極彩色に染まっていた。
空は赤く、太陽と月は点滅を繰り返している。
飛ぶ鳥は、果たして鳥と言っていいものか、鼠の様な馬の様な、まるででたらめな姿をしていた。
あれが鵺という化け物だろうか。
私はしゃがんで花をじっくりと観察した。
葉の様な花弁の様な、不思議な形をした花は、時折花粉を宙に撒き散らした。
花畑の夢なら何十回と渡り歩いたが、この夢はそれらとは似ているようで違っていた。
ちぐはぐで、でたらめで、大雑把な夢。
だがこんな夢に私は惹かれるのである。
きっとこの夢を見ている彼若くは彼女は、気難しい芸術家なのだろう。
自らの思考や感覚を形にする芸術家。
気難しいと思ったのは、ちぐはぐなだけでなく、ある種の規則性をこの花畑から感じたからである。
咲き誇る花々は、小さい花を先頭に順序良く並んでいて、空に輝く星は、太陽を中心に同心円を描くように配置されている。
空を飛ぶ鳥も一列に並んでいた。
成る程、これは面白い。
この夢の主はどんな人なのだろう。
その事に興味が湧いた。
私は花畑を進んで夢の主を探した。
しかし、周囲を見渡しても人の形をしたものは何処にも見当たらなかった。
透明な姿をした主には会ったことがあるが、姿が見えなくてもその存在は感知出来た。
だが、今いる夢の主は、透明どころか存在すら感知出来なかった。
これはつまり、この夢を見ているであろう人は、自分自身を認識出来ていない、自分にとっての「自分」は存在しないと思っているのだろう。
さてどうしたものか。
私は少し考えてある事を思いついた。
夢の世界にいないのなら、眠っている肉体がある人間の世界で探せばいいのだ。
夢見は夢の世界だけではなく、人間の世界へも行くことが出来る。
但し、人間に夢見は見えず、夢見は人間世界に干渉出来ない。
幽霊の様な存在になるということだ。
それでも私は知りたかった。
この奇妙な夢を見ている不思議な人を。
人間の世界へ行くには、夢を見ている人間の特別な欠片を取り込む必要がある。
欠片は、或いは生き物(しかし夢の世界の生き物に命は宿っていない)であったり、或いは夢を見ている人間の大切な宝物であったり、種類は様々である。
この広い花畑で欠片を探すのは中々大変だろうと私は思った。
しかしそれもまた夢を渡る楽しみである。
私は花畑をゆっくりと歩いた。
花々は風もないのにゆらゆらと首を振る。
此方を向いては花粉を舞い散らせ、彼方を向いては太陽にお辞儀をする。
君達は随分と忙しいのだな。
私はそう言って笑った。
その中に一つだけ、動かない花があった。
花畑の中で一際小さく、そしてその花だけは見覚えのある形をしていた。
太陽に向かって優雅に立つ、それは正に向日葵だった。
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