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第一章 噂
➁
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どれくらい沈黙が続いただろう。
視界に職員室を示すプレートが入ってきた。
「失礼します」
ドアを開けた瞬間、異様な空気が森山の心臓をかすめた。
職員室は、いつもと何ら変わりない。
それなのに、まるで景色が違って見える。
「変な噂」という情報の為ではなく。
中に踏み込み、足を進める度、正体不明の不安が渦巻く。
それはまるで警告のように、森山の胸の奥を叩いた。
「会長、どうかしました?」
「へ? なにが?」
自分の顔を心配そうに覗き込む副会長に、慌てて笑顔を向ける。
「お、来たか」
先ほどまで体育の先生と話していた学年主任が、こちらの存在に気付いた。
「ほら。あれが転校生だ」
彼が視線を向けたその先には、所在なげに窓の外を眺める女子生徒。
グレーアッシュの長い髪が、二人の目には珍しかった。
「柊、来なさい」
(……ひいらぎ?)
柊と呼ばれた彼女はゆっくりとこちらを振り向いた。
いや「ゆっくり」だと、そう感じたのは森山だけだったのかもしれない。
揺れる髪、明らかになる顔……。
波打つ心臓は最終警告を発していた。
病弱そうに見える白い肌と、その反面どこか気の強そうな印象を与える、大きな猫目……。
「……あ」
記憶の中の少女が、はっきりと重なる。
「柊 莉子(ひいらぎ りこ)……」
森山は、その記憶から浮かび上がる名前を、音にしてなぞった。
まさか転校生というのが、彼女のことだったとは。
驚きのあまり目を見開き、彼はそこに立ち尽くした。
「会長、お知り合いですか……?」
副会長と学年主任が、不思議そうに森山を見る。
しかし彼は、何も答える事が出来なかった。
彼女の声が耳に入らなかった訳ではない。
その質問に肯定するべきか、否定するべきか、それがわからなかった。
果たして自分と彼女は「知り合い」と言えるだろうか。
ただ、「変な噂」。
適当に聞き流したはずの言葉が、具体的な形を成していく。
「……っ!!」
すると、さっきから怪訝そうに彼を見ていた柊が、突然息を呑んだ。
同じように目を見開き、恐る恐る、口を開く。
「まさか……、森山 有(もりやま ゆう)……?」
彼女の口から自分の名前が出て来た事により、確信はさらに絶対となり、記憶の中の感情が森山を支配した。
大切なものを失くした虚無感、憎しみ。
一度溢れ出したら止まらない。
それこそが、今の彼の原点。
「かいちょ……」
「え、ああ、ごめん。このヒト同じ中学出身なんだよね。ほら、ミナミ中学校。いきなり再会したもんだから驚いちゃってさ」
森山は、電池を入れ替えられた時計の針のように、またいつもの口調で柔らかく笑う。
副会長は彼のその態度に何かしらの違和感を抱いたが、それを言葉には出来なかった。
「会長さん、おーはーよー」
「……なに」
翌日の朝。
教室のドアを開けた途端、十人ほどのクラスメイトに囲まれる。
その中には、オサムやユウタも居る。
「なにってなに?」
「いや、君ら怪しすぎ。俺リンチでもされるの?」
「会長、発想が物騒だな」
「まったくだ。リンチして欲しいならしないでもないけど」
いや、やめてくれ。森山は苦笑した。
「じゃなくてさあ。転校生だよ、転校生!」
「今日来るんでしょ? 女の子なの?」
「美人らしいじゃん」
「……ああ、そういうこと」
納得して頷く。
好奇心の塊が、自分に向けられているのだ。
「まあ綺麗な子だとは思うよ。どうせ、この後の全校集会で紹介されるし。でも……」
「でも、なに?」
「……いや。てか、二年生だし君ら関わりないと思うよ」
「まじかあ」
自分の席に向かうため、入り口を塞ぐ人の壁を押しのける。
しかし彼らは、金魚のフンのようにあとをついてきた。
鬱陶しいが、なんだか可笑しいので好きにさせておく。
「あ、誰か今日の英語の宿題……」
「じゃあさ、会長が紹介してくれればいいじゃん」
「は?」
オサムが名案とばかりに笑みを浮かべる。
「紹介? なにを」
「流れでわかんだろ。転校生ちゃんだよ」
「なんで俺?」
「面識あるんじゃねえの? 昨日も会ったんだろ」
「会ったって、本当に会っただけだし。紹介できるほどの間柄じゃないからね」
それより英語の宿題なんだけど。
「なあんだ。面白くねえの」
「会長使えなーい」
「……ごめんなさいね」
全く失礼なクラスメイトだ。気軽でいい。
毎週火曜日に開かれる全校集会は、生徒会主体で行われる。
毎回、千人ほどの生徒が体育館に詰め込まれる。
はじめの挨拶を済ませた森山は、生徒会役員席で会の進行を見守った。
檀上の真下にあるその席は、他の生徒と向かい合う形で設置してある。
床に座らされている全校生徒の、その全ての視界に自分が映りこんでいる気がして、どうも落ち着かない。
「では次に転校生を紹介します」
放送委員長の言葉を皮切りに、生徒がざわつきだす。
「静かに」と、冷たく言い放つのは副会長。
「……はじめまして。柊 莉子です。えーと……よろしくお願いします」
マイクを渡された柊は、俯きながら、簡単な自己紹介をする。
自己紹介と言っても、名前しか言ってないが。
「緊張してんのかなあ……」
小さく呟いて、森山はその様子を眺めた。
「あ」
ポトリと落とした声に、副会長が振り返った。
「どうしました?」
「あ、いや、なんでもない」
「……そうですか」
怪訝そうな顔のまま、副会長はまた前を向いた。
(目が合ったな……)
だから何って感じだけど。
森山は苦笑した。
「変な噂」の意味は、既に理解できていた。
「なにしてるの、あのひと」
ぽつりと呟くその声は、誰に届くわけでもない。
少しクセのある黒髪を、目にかかるほど伸ばして。
中性的な顔立ちと、男のわりに華奢な体。
三年前と、なにも変わっていない。
それなのに、すぐに彼だと気づけなかったのは……。
転校生である自分を紹介する、担任の声は上の空だった。
柊は指定された席から、ただ漠然と新しいクラスメイトを眺めていた。
無意識に思考が働く。
彼を森山 有だと気づけなかった理由。
それは紛れも無くあの表情だ。
中学時代とはまるで違う。
あの頃の彼は、害の無さそうな顔の造形に反して、どこか冷たい印象があった。
何にも興味を示さない、そんな印象が。
今の森山には、それが見えない。
穏やかで、明るい雰囲気。
その上、生徒会長だなんて。
「あれじゃあ、まるで……」
まるで、千愛(ちあ)だ。
「ひーらぎさんっ」
「へっ!?」
まぬけな声が出た。
かなり長い間自分の世界へワープしていたらしい。
気づけば転校して来てはじめてのホームルームは終わっていた。
「私に何か……」
目の前には、女子生徒が二人。
教室にいることを考えると、クラスメイトなのだろう。
期待が滲み出たその笑顔に悪意は感じられない。
柊はひそかに胸をなでおろした。
「はじめましてー、サツキです」
「ユリでーす。よろしく、柊さん」
差し出された手をおずおずと握り返す。
これが意味するのは、「友達になろうよ」だろうか。そう解釈していいのだろうか。
「う、よ、よろしく」
……しまった、どもった。情けない。
「せっかく同じクラスになった訳だし、仲良くしてね」
「莉子って呼んでいい? ライン教えて?」
自分に向けられる純粋な笑顔。
それがあまりにも非現実的で、今になって「新しい環境」に対する緊張が沸き起こる。
「うん、うん……!!」
柊は力いっぱい頷いた。
嬉しくて、心臓が震えた。
涙が出そうになるのを、我慢した。
私はここで新しい人生を始めるのだ。そう信じて疑わなかった。
視界に職員室を示すプレートが入ってきた。
「失礼します」
ドアを開けた瞬間、異様な空気が森山の心臓をかすめた。
職員室は、いつもと何ら変わりない。
それなのに、まるで景色が違って見える。
「変な噂」という情報の為ではなく。
中に踏み込み、足を進める度、正体不明の不安が渦巻く。
それはまるで警告のように、森山の胸の奥を叩いた。
「会長、どうかしました?」
「へ? なにが?」
自分の顔を心配そうに覗き込む副会長に、慌てて笑顔を向ける。
「お、来たか」
先ほどまで体育の先生と話していた学年主任が、こちらの存在に気付いた。
「ほら。あれが転校生だ」
彼が視線を向けたその先には、所在なげに窓の外を眺める女子生徒。
グレーアッシュの長い髪が、二人の目には珍しかった。
「柊、来なさい」
(……ひいらぎ?)
柊と呼ばれた彼女はゆっくりとこちらを振り向いた。
いや「ゆっくり」だと、そう感じたのは森山だけだったのかもしれない。
揺れる髪、明らかになる顔……。
波打つ心臓は最終警告を発していた。
病弱そうに見える白い肌と、その反面どこか気の強そうな印象を与える、大きな猫目……。
「……あ」
記憶の中の少女が、はっきりと重なる。
「柊 莉子(ひいらぎ りこ)……」
森山は、その記憶から浮かび上がる名前を、音にしてなぞった。
まさか転校生というのが、彼女のことだったとは。
驚きのあまり目を見開き、彼はそこに立ち尽くした。
「会長、お知り合いですか……?」
副会長と学年主任が、不思議そうに森山を見る。
しかし彼は、何も答える事が出来なかった。
彼女の声が耳に入らなかった訳ではない。
その質問に肯定するべきか、否定するべきか、それがわからなかった。
果たして自分と彼女は「知り合い」と言えるだろうか。
ただ、「変な噂」。
適当に聞き流したはずの言葉が、具体的な形を成していく。
「……っ!!」
すると、さっきから怪訝そうに彼を見ていた柊が、突然息を呑んだ。
同じように目を見開き、恐る恐る、口を開く。
「まさか……、森山 有(もりやま ゆう)……?」
彼女の口から自分の名前が出て来た事により、確信はさらに絶対となり、記憶の中の感情が森山を支配した。
大切なものを失くした虚無感、憎しみ。
一度溢れ出したら止まらない。
それこそが、今の彼の原点。
「かいちょ……」
「え、ああ、ごめん。このヒト同じ中学出身なんだよね。ほら、ミナミ中学校。いきなり再会したもんだから驚いちゃってさ」
森山は、電池を入れ替えられた時計の針のように、またいつもの口調で柔らかく笑う。
副会長は彼のその態度に何かしらの違和感を抱いたが、それを言葉には出来なかった。
「会長さん、おーはーよー」
「……なに」
翌日の朝。
教室のドアを開けた途端、十人ほどのクラスメイトに囲まれる。
その中には、オサムやユウタも居る。
「なにってなに?」
「いや、君ら怪しすぎ。俺リンチでもされるの?」
「会長、発想が物騒だな」
「まったくだ。リンチして欲しいならしないでもないけど」
いや、やめてくれ。森山は苦笑した。
「じゃなくてさあ。転校生だよ、転校生!」
「今日来るんでしょ? 女の子なの?」
「美人らしいじゃん」
「……ああ、そういうこと」
納得して頷く。
好奇心の塊が、自分に向けられているのだ。
「まあ綺麗な子だとは思うよ。どうせ、この後の全校集会で紹介されるし。でも……」
「でも、なに?」
「……いや。てか、二年生だし君ら関わりないと思うよ」
「まじかあ」
自分の席に向かうため、入り口を塞ぐ人の壁を押しのける。
しかし彼らは、金魚のフンのようにあとをついてきた。
鬱陶しいが、なんだか可笑しいので好きにさせておく。
「あ、誰か今日の英語の宿題……」
「じゃあさ、会長が紹介してくれればいいじゃん」
「は?」
オサムが名案とばかりに笑みを浮かべる。
「紹介? なにを」
「流れでわかんだろ。転校生ちゃんだよ」
「なんで俺?」
「面識あるんじゃねえの? 昨日も会ったんだろ」
「会ったって、本当に会っただけだし。紹介できるほどの間柄じゃないからね」
それより英語の宿題なんだけど。
「なあんだ。面白くねえの」
「会長使えなーい」
「……ごめんなさいね」
全く失礼なクラスメイトだ。気軽でいい。
毎週火曜日に開かれる全校集会は、生徒会主体で行われる。
毎回、千人ほどの生徒が体育館に詰め込まれる。
はじめの挨拶を済ませた森山は、生徒会役員席で会の進行を見守った。
檀上の真下にあるその席は、他の生徒と向かい合う形で設置してある。
床に座らされている全校生徒の、その全ての視界に自分が映りこんでいる気がして、どうも落ち着かない。
「では次に転校生を紹介します」
放送委員長の言葉を皮切りに、生徒がざわつきだす。
「静かに」と、冷たく言い放つのは副会長。
「……はじめまして。柊 莉子です。えーと……よろしくお願いします」
マイクを渡された柊は、俯きながら、簡単な自己紹介をする。
自己紹介と言っても、名前しか言ってないが。
「緊張してんのかなあ……」
小さく呟いて、森山はその様子を眺めた。
「あ」
ポトリと落とした声に、副会長が振り返った。
「どうしました?」
「あ、いや、なんでもない」
「……そうですか」
怪訝そうな顔のまま、副会長はまた前を向いた。
(目が合ったな……)
だから何って感じだけど。
森山は苦笑した。
「変な噂」の意味は、既に理解できていた。
「なにしてるの、あのひと」
ぽつりと呟くその声は、誰に届くわけでもない。
少しクセのある黒髪を、目にかかるほど伸ばして。
中性的な顔立ちと、男のわりに華奢な体。
三年前と、なにも変わっていない。
それなのに、すぐに彼だと気づけなかったのは……。
転校生である自分を紹介する、担任の声は上の空だった。
柊は指定された席から、ただ漠然と新しいクラスメイトを眺めていた。
無意識に思考が働く。
彼を森山 有だと気づけなかった理由。
それは紛れも無くあの表情だ。
中学時代とはまるで違う。
あの頃の彼は、害の無さそうな顔の造形に反して、どこか冷たい印象があった。
何にも興味を示さない、そんな印象が。
今の森山には、それが見えない。
穏やかで、明るい雰囲気。
その上、生徒会長だなんて。
「あれじゃあ、まるで……」
まるで、千愛(ちあ)だ。
「ひーらぎさんっ」
「へっ!?」
まぬけな声が出た。
かなり長い間自分の世界へワープしていたらしい。
気づけば転校して来てはじめてのホームルームは終わっていた。
「私に何か……」
目の前には、女子生徒が二人。
教室にいることを考えると、クラスメイトなのだろう。
期待が滲み出たその笑顔に悪意は感じられない。
柊はひそかに胸をなでおろした。
「はじめましてー、サツキです」
「ユリでーす。よろしく、柊さん」
差し出された手をおずおずと握り返す。
これが意味するのは、「友達になろうよ」だろうか。そう解釈していいのだろうか。
「う、よ、よろしく」
……しまった、どもった。情けない。
「せっかく同じクラスになった訳だし、仲良くしてね」
「莉子って呼んでいい? ライン教えて?」
自分に向けられる純粋な笑顔。
それがあまりにも非現実的で、今になって「新しい環境」に対する緊張が沸き起こる。
「うん、うん……!!」
柊は力いっぱい頷いた。
嬉しくて、心臓が震えた。
涙が出そうになるのを、我慢した。
私はここで新しい人生を始めるのだ。そう信じて疑わなかった。
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