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第一章 噂
⑤
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「……なんで泣くのが嫌なの」
必死に塞き止めようとする彼女に、遠慮がちに呟く。
視線を上げる勇気は無かった。
「……いけないことだからよ。涙は弱い人のものでしょう」
クラスの友達から突き放されることなんかより、もっと辛い経験をたくさんしてきた。
いじめられていたのはむしろ自分の方だ。
噂のせいで、残りの中学生活はずっといじめの標的だった。
誰も自分を信じてくれなかった。
「それに、泣いたら負けじゃない」
自分に言い聞かせるような強い口調。
森山は、その言葉にピクリと反応した。いつだったか、自分も同じことを口にした。
「負けって、誰に負けたの? 何の勝負だったの?」
「は? そういうことじゃ……、なに? 馬鹿にしているの」
「『その言葉すきじゃないな。泣くのが恥ずかしいって思うのは、周りをみんな敵だと思っているから。本当は信頼してないから。誰かに涙を預ける勇気が無いから』」
こんな時に出てくるのはいつだって、千愛の言葉。
ポエム気味で少しサムい、だけど真っ直ぐで綺麗な言葉。千愛の優しいまなざし。
いつも救われた。彼女のように生きたかった。ずっと。
「周りが敵……、大正解じゃない。私に、誰がいるって言うの」
搾り出すような彼女の声は、すぐに嗚咽に変わった。
「俺、君に信頼されるのは、まだ無理だし、何より、俺自身、どっちかってと敵っぽいけど、俺、笑ったりしないよ。負けじゃないって。こっちが勝ったなんて思わないんだから、いや、それは違うな、でも、ええと」
支離滅裂。情けないな。
苦い思いが胸に広がる。
千愛ならこのあと、どんな言葉を繋いでいくだろう。
「ひいら……」
「くやしい」
柊によって、森山の言葉は遮られた。
「くやしい……!! なんで私がこんな目に合わなきゃいけないのよ!!」
それは、今までの苦悩を吐き出すような。心からの叫び。
「おさまらないの」
「……え」
困惑したように、うつむく柊の頭を見つめる。
「このどうしようもない気持ち、何にぶつければいいの」
「…………」
「なんだったの、あの噂は。親友が死んだのよ。唯一の友達だったのに。
私のせいだって言ったのは誰。
どうしてみんなそれを信じたの。
そんなはずないじゃない。どうして私をいじめたの。
おかしいじゃない。あれは何だったの! 誰が! 誰が私を……」
捲し立てたあと、柊ははっと息を呑んだ。
誰が私のせいだと、言ったの。
それは、もしかして。
この間の森山の言葉が、急に現実味を帯びて頭の中をうごめく。
「……森山、あんた、千愛は誰かに殺されたって言ってたわよね。
その誰かって、噂を流した奴じゃないの。
自分の罪を隠すために私を利用したんじゃないの。
私ははめられて、そいつの身代わりにさせられたんじゃないの」
そうだ。他殺。
突拍子もない考えだと思ったが、この件の中に「ひとの悪意」が存在していることを、自分は身を持って知っていたのではないか。
「……確かに、それは十分ありえることだと思う。でも……、そうだとして、君は……」
「協力させて。森山、犯人を捜しているって言ったじゃない!
その人間が千愛に直接手を下したのかはわからないけど、少なくとも私は被害者なのよ。復讐がしたい……。私にはその権利がある……!」
そう言って、彼女は森山につかみかかった。
本気だ。そう悟った。
自分を見上げる、復讐心に飲み込まれた目。
恨みを晴らしたい、その欲望に支配された目。
「……そうなるか」
彼女の肩に手を置き、軽く押す。
少しだけ広がる距離。
「言っておくけど、俺は君を信じてないよ? もっと言えば、容疑者リストに入れたままだ。それでもいいの?」
「なんでもいい」
力強く頷く柊。
だけど。森山の目にはすでに彼女の姿は映っていなかった。
数日が経った。
自分の部屋で机に向かいながら、柊は溜息をついた。
クラスで柊に話しかけてくれる人はいない。
ほんの少し前の幸せは幻だったんじゃないだろうか。
あれから森山と話す機会が全くなかったわけじゃない。
しかし、千愛の件に触れることはなかった。
というより、彼は努めてその話を避けているように思えた。
協力を了承したのは、自分をなだめるための方便だったのかもしれない。
そんな気がして、苛立ちが募る。
犯人を捜す、という目標はシンプルながら、漠然としている。
何をすれば前に進むのか、見当もつかない。
森山の中には何かプランがあるのだろうか。
「ていうか、なんで殺されたって言いきれるんだろう」
なにか証拠があるのだろうか。
それなら、森山から詳しく話を聞く必要がある。そうしないと、何も始まらない。
だけど。正直、
「犯人に心当たりが無いと言えば」
嘘になる。
柊は大きく息を吐いた。
「予習進まない……」
シャーペンを放り投げ、ベッドに倒れこむ。
時刻は夜の九時を過ぎていた。
「なんだそりゃあ。いい度胸してんじゃねえか、おい」
いきなり飛び込んできた声に、心臓が縮まる。
窓の外の話し声。携帯電話で話しているのだろうか。やけに大きな声だ。
(この声って……)
ちがう。似てる声なんてたくさんある。
だけど、彼と自分の家がそう遠くないのも事実。
震える手で、カーテンの隙間から外を覗く。
「!!」
鷹谷(たかや)。
確認した途端、声を上げそうになって、口を抑えた。
癒えることのない、むしろ開き続ける傷。窓から離れる。
鷹谷。その単語から思い起こされるのは、あざけり笑う声。
嫌だ。
過去のことなのに、苦しくて仕方ない。体中が拒絶してる。
今更、自分の目に触れることがあるなんて。
中学を卒業してから関わったことなんて、もちろん無かった。怖い。姿を見ただけで、震えがおさまらない。
(なんでこのタイミングで……)
あいつの顔なんか、見てしまうんだろう。
「森山。話があるの」
翌日。登校してすぐ柊は森山のもとへ向かった。
「なに? どうかした?」
三年生の教室の前で話しているため、周囲の視線が痛い。
人気者の生徒会長といわくつきの転校生なんて、どう見ても異色の組み合わせだろう。
要件だけ話してすぐ帰ろう。
「あの、犯人、なんだけど、私、じつは、そのひと……」
知っているかもしれない。
柊の言葉は飲み込まざるをえなくなった。
「会長!」
副会長が慌てて駆けてきたからだ。
「え、あの」
柊を一瞥してから、彼女は叫ぶように言った。
「ミナミ中学校で男子高生が事故死したらしいんです」
「……え」
ミナミは柊と森山の出身中学校だった。
柊は副会長を凝視した。
「中学校で高校生が? その男子高生って?」
「他校の生徒です。確か名前は……鷹谷」
「鷹谷!?」
柊は目を見開いた。
まだあの鷹谷とは限らない。
でもミナミ中学校は彼の母校でもある。
それに昨日の。あの道は、鷹谷の家から中学を繋いでいる。
間違いない、あの鷹谷だ。
あの後、彼が、死んだ?
「あなた、知り合いなの?」
副会長が胡散臭げに柊を見た。
「知り合いっていうか……」
同じ中学。
自分をいじめていた張本人。
人生ではじめて、殺したいと願ったひと。
その彼が死んだ。
だけど、事故って。どうして。
(どうして鷹谷が、ミナミ中学校で?)
今はなにも、わからない。
必死に塞き止めようとする彼女に、遠慮がちに呟く。
視線を上げる勇気は無かった。
「……いけないことだからよ。涙は弱い人のものでしょう」
クラスの友達から突き放されることなんかより、もっと辛い経験をたくさんしてきた。
いじめられていたのはむしろ自分の方だ。
噂のせいで、残りの中学生活はずっといじめの標的だった。
誰も自分を信じてくれなかった。
「それに、泣いたら負けじゃない」
自分に言い聞かせるような強い口調。
森山は、その言葉にピクリと反応した。いつだったか、自分も同じことを口にした。
「負けって、誰に負けたの? 何の勝負だったの?」
「は? そういうことじゃ……、なに? 馬鹿にしているの」
「『その言葉すきじゃないな。泣くのが恥ずかしいって思うのは、周りをみんな敵だと思っているから。本当は信頼してないから。誰かに涙を預ける勇気が無いから』」
こんな時に出てくるのはいつだって、千愛の言葉。
ポエム気味で少しサムい、だけど真っ直ぐで綺麗な言葉。千愛の優しいまなざし。
いつも救われた。彼女のように生きたかった。ずっと。
「周りが敵……、大正解じゃない。私に、誰がいるって言うの」
搾り出すような彼女の声は、すぐに嗚咽に変わった。
「俺、君に信頼されるのは、まだ無理だし、何より、俺自身、どっちかってと敵っぽいけど、俺、笑ったりしないよ。負けじゃないって。こっちが勝ったなんて思わないんだから、いや、それは違うな、でも、ええと」
支離滅裂。情けないな。
苦い思いが胸に広がる。
千愛ならこのあと、どんな言葉を繋いでいくだろう。
「ひいら……」
「くやしい」
柊によって、森山の言葉は遮られた。
「くやしい……!! なんで私がこんな目に合わなきゃいけないのよ!!」
それは、今までの苦悩を吐き出すような。心からの叫び。
「おさまらないの」
「……え」
困惑したように、うつむく柊の頭を見つめる。
「このどうしようもない気持ち、何にぶつければいいの」
「…………」
「なんだったの、あの噂は。親友が死んだのよ。唯一の友達だったのに。
私のせいだって言ったのは誰。
どうしてみんなそれを信じたの。
そんなはずないじゃない。どうして私をいじめたの。
おかしいじゃない。あれは何だったの! 誰が! 誰が私を……」
捲し立てたあと、柊ははっと息を呑んだ。
誰が私のせいだと、言ったの。
それは、もしかして。
この間の森山の言葉が、急に現実味を帯びて頭の中をうごめく。
「……森山、あんた、千愛は誰かに殺されたって言ってたわよね。
その誰かって、噂を流した奴じゃないの。
自分の罪を隠すために私を利用したんじゃないの。
私ははめられて、そいつの身代わりにさせられたんじゃないの」
そうだ。他殺。
突拍子もない考えだと思ったが、この件の中に「ひとの悪意」が存在していることを、自分は身を持って知っていたのではないか。
「……確かに、それは十分ありえることだと思う。でも……、そうだとして、君は……」
「協力させて。森山、犯人を捜しているって言ったじゃない!
その人間が千愛に直接手を下したのかはわからないけど、少なくとも私は被害者なのよ。復讐がしたい……。私にはその権利がある……!」
そう言って、彼女は森山につかみかかった。
本気だ。そう悟った。
自分を見上げる、復讐心に飲み込まれた目。
恨みを晴らしたい、その欲望に支配された目。
「……そうなるか」
彼女の肩に手を置き、軽く押す。
少しだけ広がる距離。
「言っておくけど、俺は君を信じてないよ? もっと言えば、容疑者リストに入れたままだ。それでもいいの?」
「なんでもいい」
力強く頷く柊。
だけど。森山の目にはすでに彼女の姿は映っていなかった。
数日が経った。
自分の部屋で机に向かいながら、柊は溜息をついた。
クラスで柊に話しかけてくれる人はいない。
ほんの少し前の幸せは幻だったんじゃないだろうか。
あれから森山と話す機会が全くなかったわけじゃない。
しかし、千愛の件に触れることはなかった。
というより、彼は努めてその話を避けているように思えた。
協力を了承したのは、自分をなだめるための方便だったのかもしれない。
そんな気がして、苛立ちが募る。
犯人を捜す、という目標はシンプルながら、漠然としている。
何をすれば前に進むのか、見当もつかない。
森山の中には何かプランがあるのだろうか。
「ていうか、なんで殺されたって言いきれるんだろう」
なにか証拠があるのだろうか。
それなら、森山から詳しく話を聞く必要がある。そうしないと、何も始まらない。
だけど。正直、
「犯人に心当たりが無いと言えば」
嘘になる。
柊は大きく息を吐いた。
「予習進まない……」
シャーペンを放り投げ、ベッドに倒れこむ。
時刻は夜の九時を過ぎていた。
「なんだそりゃあ。いい度胸してんじゃねえか、おい」
いきなり飛び込んできた声に、心臓が縮まる。
窓の外の話し声。携帯電話で話しているのだろうか。やけに大きな声だ。
(この声って……)
ちがう。似てる声なんてたくさんある。
だけど、彼と自分の家がそう遠くないのも事実。
震える手で、カーテンの隙間から外を覗く。
「!!」
鷹谷(たかや)。
確認した途端、声を上げそうになって、口を抑えた。
癒えることのない、むしろ開き続ける傷。窓から離れる。
鷹谷。その単語から思い起こされるのは、あざけり笑う声。
嫌だ。
過去のことなのに、苦しくて仕方ない。体中が拒絶してる。
今更、自分の目に触れることがあるなんて。
中学を卒業してから関わったことなんて、もちろん無かった。怖い。姿を見ただけで、震えがおさまらない。
(なんでこのタイミングで……)
あいつの顔なんか、見てしまうんだろう。
「森山。話があるの」
翌日。登校してすぐ柊は森山のもとへ向かった。
「なに? どうかした?」
三年生の教室の前で話しているため、周囲の視線が痛い。
人気者の生徒会長といわくつきの転校生なんて、どう見ても異色の組み合わせだろう。
要件だけ話してすぐ帰ろう。
「あの、犯人、なんだけど、私、じつは、そのひと……」
知っているかもしれない。
柊の言葉は飲み込まざるをえなくなった。
「会長!」
副会長が慌てて駆けてきたからだ。
「え、あの」
柊を一瞥してから、彼女は叫ぶように言った。
「ミナミ中学校で男子高生が事故死したらしいんです」
「……え」
ミナミは柊と森山の出身中学校だった。
柊は副会長を凝視した。
「中学校で高校生が? その男子高生って?」
「他校の生徒です。確か名前は……鷹谷」
「鷹谷!?」
柊は目を見開いた。
まだあの鷹谷とは限らない。
でもミナミ中学校は彼の母校でもある。
それに昨日の。あの道は、鷹谷の家から中学を繋いでいる。
間違いない、あの鷹谷だ。
あの後、彼が、死んだ?
「あなた、知り合いなの?」
副会長が胡散臭げに柊を見た。
「知り合いっていうか……」
同じ中学。
自分をいじめていた張本人。
人生ではじめて、殺したいと願ったひと。
その彼が死んだ。
だけど、事故って。どうして。
(どうして鷹谷が、ミナミ中学校で?)
今はなにも、わからない。
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