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雰囲気と面影
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でも、放っておけば良かったとは思わない。
怪我人が出なくて良かった、それだけで行動した意味がある。
どうしようもなくて、椅子に座って冷静になる。
ルイスが信じてくれるしかないが、ルイスからしても俺は初対面だ。
主犯じゃないと牢屋生活かな、死刑にならないならいいな。
「俺は自分の名に恥じない行いをしてきた、これからもそのつもりだ」
「……」
「信じてほしい、俺は偶然見つけて犯人を捕まえようとした、それだけだ」
「分かった、信じよう」
これだけでは信じてくれないよなと、どうしたら信じてくれるか考えていた。
だから、こうもあっさりと信じると言われて驚いた。
俺が勝手に都合よく聞いた幻聴じゃないよな。
ルイスは俺の方をまっすぐ見つめて「君を信じるよ」ともう一度言った。
信じてほしいと思っていたのに、いざそう言われるとどんな反応をしたらいいのか分からない。
ルイスは嘘をつく人ではないから、これは本心だろう。
紙とペンを机に置いて、もう一つ机の上に置いた。
それは俺が時計塔に置いてきた短剣だった。
「これは君のだろ」
「ありがとうございます、でも…なんでそこまで俺を信用してくれるんですか?」
「極寒の中、寒さに弱い人なのに1匹の龍を助けた、その心が変わっていないのなら疑う理由はない」
「なんで、その事を…」
「悲しいな、俺は1日だって忘れた日はないのに…イルト」
ルイスは無表情を崩して、切なげに笑みを浮かべていた。
儚げでも美しいその姿には、どこか見覚えがあった。
あの事を知っているのは、俺ともう1匹だけだ。
だとすると、残る可能性を考えて自然と答えは出てくる。
俺は自分で名付けた懐かしいその名を口にした。
それは、1人と1匹にしか分からない秘密の合言葉だ。
「きゅ…ちゃん?」
「久しぶりだな、イルト」
まさかあの小さな魔物が攻略キャラクターのルイスだとは思わなかった。
少しだけ、その可能性も考えたがあり得ないと勝手に思い込んでいた。
ルイスが俺と出会っていたら、ゲームでも名前の一つくらい出そうなものだ。
でも、実際の漫画は長男のアルトしかベアトリスの兄の名は出なかった。
それほどまでルイスの中で俺との思い出は何でもないって事なのかな。
そう思うと悲しいけど、今は悲しむより再会を喜びたい。
確かルイスは外見年齢22くらいだったはずだ。
さすがにきゅーちゃんと呼ぶのは嫌だよな。
「お久しぶりです、ルイス様」
「この場には2人しか居ない、もう呼んでくれないのか?」
「でも、ルイス様は嫌じゃ…」
「嫌ではない、むしろ俺のもう一つの名前だと思っている」
そこまで名前を気に入っているとは思わなかった。
あの時は、言葉が分からなかったからな。
再会も嬉しいが、一番はこうして会話が出来る事が何より嬉しかった。
いろいろと話したい事があったのに、忘れちゃったな。
ルイスは一般人とは話す機会がほとんどない雲の上の存在だ。
今度聞こうと思っても、気軽に話しかける事が出来ない。
「きゅーちゃん」と呼ぶと、表情が柔らかくなった気がした。
こんな事がなかったら、きっとルイスがきゅーちゃんだと知る機会はなかったんだろう。
「なんで俺がイルトだって分かったんだ…です?」
「昔のように接してほしい、2人の時は俺はルイスではないから」
つい昔のように話してしまって、顔を青ざめた。
ルイスは神の使者で、神のような存在だから不敬罪になるかと冷や汗が流れる。
ルイスのお許しをもらっても、本当に大丈夫なのかと周りを見渡す。
この個室は窓もないし、扉は完全に閉ざされている…大丈夫か。
俺ときゅーちゃんが出会ってもう数年会っていない。
顔だって大人になると変わるし、自分でも男らしくなったような気がする。
他の共通点は名前だけだけど、それで分かったのか?
確かに俺もきゅーちゃんという名前を名乗れば分かるけど、フルネーム覚えててくれたんだ。
「俺からしたら、姿が変わっているようには見えない」
「えっ!?まだガキっぽい?」
「そうではない、雰囲気と面影…あとにおいも…」
確かに面影までは変わらない、同一人物だからな。
でもにおいってなんだ?俺、そんなに臭い?
腕のにおいを嗅いでも、シャツを鼻に付けても全く分からない。
ルイスはわざとらしい咳払いをして話を誤魔化した。
言ってくれないと、気になって夜寝れる気がしない。
昔のようにと言うなら、ルイスだって遠慮しなくていいんだ。
俺ときゅーちゃんの仲なんだから、はっきり言ってくれ。
机から身を乗り出して、ルイスに近付くとルイスは目を見開いて驚いていた。
怪我人が出なくて良かった、それだけで行動した意味がある。
どうしようもなくて、椅子に座って冷静になる。
ルイスが信じてくれるしかないが、ルイスからしても俺は初対面だ。
主犯じゃないと牢屋生活かな、死刑にならないならいいな。
「俺は自分の名に恥じない行いをしてきた、これからもそのつもりだ」
「……」
「信じてほしい、俺は偶然見つけて犯人を捕まえようとした、それだけだ」
「分かった、信じよう」
これだけでは信じてくれないよなと、どうしたら信じてくれるか考えていた。
だから、こうもあっさりと信じると言われて驚いた。
俺が勝手に都合よく聞いた幻聴じゃないよな。
ルイスは俺の方をまっすぐ見つめて「君を信じるよ」ともう一度言った。
信じてほしいと思っていたのに、いざそう言われるとどんな反応をしたらいいのか分からない。
ルイスは嘘をつく人ではないから、これは本心だろう。
紙とペンを机に置いて、もう一つ机の上に置いた。
それは俺が時計塔に置いてきた短剣だった。
「これは君のだろ」
「ありがとうございます、でも…なんでそこまで俺を信用してくれるんですか?」
「極寒の中、寒さに弱い人なのに1匹の龍を助けた、その心が変わっていないのなら疑う理由はない」
「なんで、その事を…」
「悲しいな、俺は1日だって忘れた日はないのに…イルト」
ルイスは無表情を崩して、切なげに笑みを浮かべていた。
儚げでも美しいその姿には、どこか見覚えがあった。
あの事を知っているのは、俺ともう1匹だけだ。
だとすると、残る可能性を考えて自然と答えは出てくる。
俺は自分で名付けた懐かしいその名を口にした。
それは、1人と1匹にしか分からない秘密の合言葉だ。
「きゅ…ちゃん?」
「久しぶりだな、イルト」
まさかあの小さな魔物が攻略キャラクターのルイスだとは思わなかった。
少しだけ、その可能性も考えたがあり得ないと勝手に思い込んでいた。
ルイスが俺と出会っていたら、ゲームでも名前の一つくらい出そうなものだ。
でも、実際の漫画は長男のアルトしかベアトリスの兄の名は出なかった。
それほどまでルイスの中で俺との思い出は何でもないって事なのかな。
そう思うと悲しいけど、今は悲しむより再会を喜びたい。
確かルイスは外見年齢22くらいだったはずだ。
さすがにきゅーちゃんと呼ぶのは嫌だよな。
「お久しぶりです、ルイス様」
「この場には2人しか居ない、もう呼んでくれないのか?」
「でも、ルイス様は嫌じゃ…」
「嫌ではない、むしろ俺のもう一つの名前だと思っている」
そこまで名前を気に入っているとは思わなかった。
あの時は、言葉が分からなかったからな。
再会も嬉しいが、一番はこうして会話が出来る事が何より嬉しかった。
いろいろと話したい事があったのに、忘れちゃったな。
ルイスは一般人とは話す機会がほとんどない雲の上の存在だ。
今度聞こうと思っても、気軽に話しかける事が出来ない。
「きゅーちゃん」と呼ぶと、表情が柔らかくなった気がした。
こんな事がなかったら、きっとルイスがきゅーちゃんだと知る機会はなかったんだろう。
「なんで俺がイルトだって分かったんだ…です?」
「昔のように接してほしい、2人の時は俺はルイスではないから」
つい昔のように話してしまって、顔を青ざめた。
ルイスは神の使者で、神のような存在だから不敬罪になるかと冷や汗が流れる。
ルイスのお許しをもらっても、本当に大丈夫なのかと周りを見渡す。
この個室は窓もないし、扉は完全に閉ざされている…大丈夫か。
俺ときゅーちゃんが出会ってもう数年会っていない。
顔だって大人になると変わるし、自分でも男らしくなったような気がする。
他の共通点は名前だけだけど、それで分かったのか?
確かに俺もきゅーちゃんという名前を名乗れば分かるけど、フルネーム覚えててくれたんだ。
「俺からしたら、姿が変わっているようには見えない」
「えっ!?まだガキっぽい?」
「そうではない、雰囲気と面影…あとにおいも…」
確かに面影までは変わらない、同一人物だからな。
でもにおいってなんだ?俺、そんなに臭い?
腕のにおいを嗅いでも、シャツを鼻に付けても全く分からない。
ルイスはわざとらしい咳払いをして話を誤魔化した。
言ってくれないと、気になって夜寝れる気がしない。
昔のようにと言うなら、ルイスだって遠慮しなくていいんだ。
俺ときゅーちゃんの仲なんだから、はっきり言ってくれ。
机から身を乗り出して、ルイスに近付くとルイスは目を見開いて驚いていた。
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