40 / 101
40.あなたと共に
しおりを挟む
「ぼくとだーりんが……」
ノルンはそう呟くと、目を輝かせて言った。
「すごいすごい!!だーりん前世も勇者様だったんだ!!」
ノルンが嬉しそうにはしゃぐ。
それを言ったら、ノルンだって前世は聖女、と言おうとした所でノルンの泣き顔を思い出す。
輪廻転生があるなら、必ずしも前と同じ性別に生まれ変わる訳ではないんだよな……。
「あ、でもアルバライザーは喋らないね?」
「残念ながら、長い時を経て彼の疑似人格は失われてしまいました。今は神剣としての力のみが残っている状態なのです」
「そっか……。でも色々納得出来たよ。なんで、だーりんがアルバライザーを抜けたのか。なんで、ぼくがあなたを手に出来たのか、ね」
「はい。私達神器は魂の契約をした方にしか、絶対に扱えませんから」
「そうなんだ。でもすごい偶然だよね。ぼくがおばーちゃんの孫娘でパパの子じゃなかったら、きっとリライザを手にする事なんてなかったもん」
ノルンはそう言って腕輪型のリライザを撫でる。
「偶然ではありません。そういう運命だったのです」
「運命?」
「はい。私はアルバライザーに守られながら、彼の作り出した女神像の中でずっと、輪廻転生を繰り返すあなた方を見守っていました。あなた方は様々な時代、様々な世界に何度も何度も転生してきました」
俺達は黙って、ノルンとリライザのやりとりに耳を傾ける。
「転生した先でその生を全うし、再び新たな生を受け、新たな人生を生きていくあなた方を私はずっと見守っていました。ですが、主様がこことは違う世界に生を受けた前世で、次元の狭間に封印されていた邪神ドルディバイアが、あなたの存在に気付いてしまったのです」
「……」
ノルンは真剣な表情で、リライザの言葉に耳を傾ける。
「最初の主様聖女ノエルの施した封印を完全に破るには、封印を施した者を殺してその魂を捧げないといけないのです。それは本当に偶然の出来事でした」
「……」
「あなたを乗せた飛行機に雷が当たったその時にほんの一瞬だけ、次元の狭間に極々小さな穴が開いてしまった。復活の時を虎視眈々と狙っていた邪神はその小さな穴から、あなたを乗せた飛行機の機関部にほんの少し、干渉をした。そのせいで飛行機は墜落してあなたは命を落とし、邪神が蘇ってしまったのです。不完全な形とはいえ、現世に蘇った邪神は闇に潜み、ずっと失った力を補うべく、残された力を増幅していたのです」
……それで邪神が蘇ったのか。
そして、力を取り戻して世界を滅ぼす為に、悪魔達を生み出し破滅の為に動き出した、とそういう事か。
「私は蘇った邪神ドルディバイアが、あなたの魂を取り込む前にこの世界へと逃しました。そしてあなたはノルン・フォルシオンとして、新たな生を受けたのです」
「そうだったんだ……。ぼく、なんにも知らなかった……」
「それは仕方のない事です。本来であればあなたはあちらの世界でその生涯を全うし、再び輪廻の輪に還るはずだったのですから」
「うん……。でも、前世で最後に悲しい事が起きちゃったけど、前世は幸せだったし、今もとっても幸せだよ。ありがとう、リライザ。ずっと見守ってくれてて」
「どういたしまして。私はいつでも、あなたと共にあります」
「あ、そうだ。あともうひとつ教えて。どうしてぼく、前世の記憶があるの?」
「前世の記憶が残っているのは、不慮の事故死からの急な転生の影響です。本来なら死んだ者は輪廻の輪に還る事で、すべての記憶を失い真っ白な状態で転生するのが、輪廻転生と言う物ですから。今回の前世の記憶の件については、イレギュラーな事故と言う事になります」
「……うん。全部わかった。ありがとう。ぼくもう全部吹っ切れたよ!!」
そう言って、ノルンは清々しい表情で笑う。
ノルンが過去を振り切れたのなら、良かった。
「なあ、さっきから何の話をしてるのかさっぱりなんだが」
「私達にもわかるように、説明してくれる?」
ガリアードとレイリィが至極最もな台詞を吐く。
「あ、うん。えっと、どこから話そうかな…」
ノルンは少し考えながら、二人に説明を始めた。
ノルンはそう呟くと、目を輝かせて言った。
「すごいすごい!!だーりん前世も勇者様だったんだ!!」
ノルンが嬉しそうにはしゃぐ。
それを言ったら、ノルンだって前世は聖女、と言おうとした所でノルンの泣き顔を思い出す。
輪廻転生があるなら、必ずしも前と同じ性別に生まれ変わる訳ではないんだよな……。
「あ、でもアルバライザーは喋らないね?」
「残念ながら、長い時を経て彼の疑似人格は失われてしまいました。今は神剣としての力のみが残っている状態なのです」
「そっか……。でも色々納得出来たよ。なんで、だーりんがアルバライザーを抜けたのか。なんで、ぼくがあなたを手に出来たのか、ね」
「はい。私達神器は魂の契約をした方にしか、絶対に扱えませんから」
「そうなんだ。でもすごい偶然だよね。ぼくがおばーちゃんの孫娘でパパの子じゃなかったら、きっとリライザを手にする事なんてなかったもん」
ノルンはそう言って腕輪型のリライザを撫でる。
「偶然ではありません。そういう運命だったのです」
「運命?」
「はい。私はアルバライザーに守られながら、彼の作り出した女神像の中でずっと、輪廻転生を繰り返すあなた方を見守っていました。あなた方は様々な時代、様々な世界に何度も何度も転生してきました」
俺達は黙って、ノルンとリライザのやりとりに耳を傾ける。
「転生した先でその生を全うし、再び新たな生を受け、新たな人生を生きていくあなた方を私はずっと見守っていました。ですが、主様がこことは違う世界に生を受けた前世で、次元の狭間に封印されていた邪神ドルディバイアが、あなたの存在に気付いてしまったのです」
「……」
ノルンは真剣な表情で、リライザの言葉に耳を傾ける。
「最初の主様聖女ノエルの施した封印を完全に破るには、封印を施した者を殺してその魂を捧げないといけないのです。それは本当に偶然の出来事でした」
「……」
「あなたを乗せた飛行機に雷が当たったその時にほんの一瞬だけ、次元の狭間に極々小さな穴が開いてしまった。復活の時を虎視眈々と狙っていた邪神はその小さな穴から、あなたを乗せた飛行機の機関部にほんの少し、干渉をした。そのせいで飛行機は墜落してあなたは命を落とし、邪神が蘇ってしまったのです。不完全な形とはいえ、現世に蘇った邪神は闇に潜み、ずっと失った力を補うべく、残された力を増幅していたのです」
……それで邪神が蘇ったのか。
そして、力を取り戻して世界を滅ぼす為に、悪魔達を生み出し破滅の為に動き出した、とそういう事か。
「私は蘇った邪神ドルディバイアが、あなたの魂を取り込む前にこの世界へと逃しました。そしてあなたはノルン・フォルシオンとして、新たな生を受けたのです」
「そうだったんだ……。ぼく、なんにも知らなかった……」
「それは仕方のない事です。本来であればあなたはあちらの世界でその生涯を全うし、再び輪廻の輪に還るはずだったのですから」
「うん……。でも、前世で最後に悲しい事が起きちゃったけど、前世は幸せだったし、今もとっても幸せだよ。ありがとう、リライザ。ずっと見守ってくれてて」
「どういたしまして。私はいつでも、あなたと共にあります」
「あ、そうだ。あともうひとつ教えて。どうしてぼく、前世の記憶があるの?」
「前世の記憶が残っているのは、不慮の事故死からの急な転生の影響です。本来なら死んだ者は輪廻の輪に還る事で、すべての記憶を失い真っ白な状態で転生するのが、輪廻転生と言う物ですから。今回の前世の記憶の件については、イレギュラーな事故と言う事になります」
「……うん。全部わかった。ありがとう。ぼくもう全部吹っ切れたよ!!」
そう言って、ノルンは清々しい表情で笑う。
ノルンが過去を振り切れたのなら、良かった。
「なあ、さっきから何の話をしてるのかさっぱりなんだが」
「私達にもわかるように、説明してくれる?」
ガリアードとレイリィが至極最もな台詞を吐く。
「あ、うん。えっと、どこから話そうかな…」
ノルンは少し考えながら、二人に説明を始めた。
0
あなたにおすすめの小説
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
追放された聖女は旅をする
織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。
その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。
国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる